趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
東京駅発行 関内駅ゆき 乗車券・普通列車グリーン券 一葉券
1969(昭和44)年5月に東京駅で発行された、関内駅ゆきの乗車券と普通列車グリーン券の一葉券です。
青色こくてつ地紋のA型大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
表題部分には「乗車券・普通列車グリーン券」となっていて、2種の券種が1枚に纏まっていることが分かります。
有効区間は品川駅から関内駅になっていますが、途中の横浜までは普通列車にグリーン車が連結されていますが、横浜から先の根岸線内にはグリーン車が連結された普通列車は運転されていませんため、横浜駅~関内駅間は普通車利用になります。
裏面です。券番の他、普通列車のグリーン車に乗車できますが、特別急行列車も含まれると思われますが、急行列車のグリーン車には乗車できない旨が記載されています。
国鉄の等級制において、御紹介の券が発行された1969(昭和44)年5月9日に等級制が廃止され、翌10日からはモノクラス制に変更され、従来の1等車がグリーン車という名称に改められています。それに伴い、今までの1等車用の乗車券が廃止され、乗車券はモノクラス制になって等級制がなくなり、替わって、グリーン車を利用するには別途グリーン券を購入するようになりました。
登場時のグリーン券は、普通列車のグリーン車を利用するための「普通列車グリーン券」と特急や急行列車のグリーン車を利用するための「特急・急行グリーン券」の2種類に分かれており、キロ別に料金が異なっていました。
御紹介の券は東京地区のみに限定して発行された乗車券とグリーン券が一枚にまとめられたものになります。登場初期は1等車のイメージで、グリーン車に乗車できる「乗車券」という考え方であったのか青色地紋になっていましたが、昭和47年頃から緑地紋に変更されましたので、青色地紋券として登場したものは登場から3年程度で無くなっています。
また、登場からわずか3ヶ月後の1969(昭和44)年8月30日にはグリーン券の「普通列車グリーン券」と「特急・急行グリーン券」という表記について、「普通列車用グリーン券」と「特急・急行用グリーン券」に改められましたため、御紹介の様式はわずか3ヶ月で様式消滅してしまったため、発行期間が極めて短い様式でした。
改定後の様式は、拙ブログ2024年5月5日エントリーの「東京駅発行 品川駅ゆき乗車券・普通列車用グリーン券 一葉券」で御紹介いたしておりますのでご覧戴ければと思います。