京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

波光る鴨の河原辺

2014-03-01 | 学問
2月末日、市内の公立高校は卒業式を迎えました。
そして、最後の惜別が行われた建物があります。Nec_0001
創立142周年となる京都府立鴨沂高等学校は、伝統ある校舎の建て替えに伴い、一旦は閉鎖されていた旧校舎で式典が行われる運びとなりました。
昭和モダニズム建築様式で建設された学び舎は歴史的価値も取り沙汰されておりましたが、耐震面の不安から一部を残しての解体が決まっています。
皇室に所縁が深く、かつてはあの新島八重も教鞭を揮った同校。また、来日したヘレンケラーが講演を行った事も知られています。
かくいう私もここの卒業生でありまして、「そこにずっとあって、これからもそうであろう。」と思っていたものが無くなるというのは、いささか寂しさを感じます。自身感傷に浸る人間ではないのですが、思わず友人と連れ立って写真を撮りに行ってしまいました。
制服の採用、ミックスホームルームの廃止、紫野グラウンドの消滅、そして校舎の工事・・・・と自分が通っていた時とは随分変わってしまいましたが、新たな変化をすんなり受け入れるのもまた京都らしいかなと思っております。
≪いま別れの時 飛びたとう未来信じて≫
                                烏龍茶

仰げば尊し・蛍の光 / 小学唱歌・スコットランド民謡 吹奏楽ヒット曲 [QHー4] 仰げば尊し・蛍の光 / 小学唱歌・スコットランド民謡 吹奏楽ヒット曲 [QHー4]
価格:¥ 2,940(税込)

書庫嘆ブログ

2014-02-20 | 学問
<script language="javascript" src="/.shared-blogzine/decokiji/deco0912_snowing/deco.js"></script>
京都市左京区に春琴堂書店という本屋さんがあります。

444_2

京都大学に程近い東一条の交差点角に昔からある小さなお店です。
名前で勘付かれる方もいらっしゃるかもしれません。谷崎潤一郎の
「春琴抄」に由来する店名です。といっても勝手に拝借した名前・・・ではございません。
実は先代の店主の奥さん、谷崎家の女中を務めておられた方で彼女自身谷崎作品に登場する人物のモデルにもなっています。戦後、お店を出店されるに当たり直々に命名されました。
店内には谷崎氏直筆の額縁も飾ってあり、また絶版になったものを除いて商品も網羅してあります。
私自身、子供の頃から親しんできた素朴な書店にこんな云われがあったとは、驚きです
といってもマンガばっかり購入していた少年時代でございます(笑)

                                          烏龍茶

春琴抄 (新潮文庫) 春琴抄 (新潮文庫)
発売日:1951-02-02