先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

アイヌ民族が活用した植物の特性学ぶ

2018-08-09 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2018年8月8日10時13分
釧路・春採湖
 釧路アイヌ協会のアイヌ語入門講座の受講生らが釧路市の春採湖で7日、アイヌ民族が活用した植物について学んだ。講師の奥田幸子さんは約15人を前に「アイヌの人たちの生活はほとんどが植物で賄われていた」と解説した。
 春採湖周辺にはかつてアイヌ集落があった。奥田さんは有毒のツル性のイケマを見つけると、「アイヌにはとても大事な植物。魔よけにしていました」。エゾトリカブトは「根は狩猟の矢の毒にしました」、マユミは「しゃもじに」、ハンノキは「樹皮の液は赤色の染めに」などと説明した。
 アイヌ民族が活用した植物は数百種類に上り、草木はそれぞれ人格を持ち、人間の役に立つようにと天から降ろされたと考えていた。「カムイ(神)の恵み」と考え、無駄にしなかったという。
 受講生らはアイヌ民族がそれぞれの植物の特性を熟知していたと知り、感心することしきりだった。
 (高田誠)
https://digital.asahi.com/articles/CMTW1808080100002.html?_requesturl=articles%2FCMTW1808080100002.html&rm=159

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アイヌ語で「くずは」はどういう意味?【ひらかたクイズ】

2018-08-09 | アイヌ民族関連
枚方つーしん 2018年08月08日06:00
勤・通学途中に枚方のことがもっと詳しくなれる【ひらかたクイズ】コーナー!
今回のクイズはこちら↓
Q.アイヌ語では「くずは」はどういう意味でしょう?
(※アイヌ文化から歴史を探るという方法論に立った場合です)
a.渡し
b.くそ
c.はかま
d.崖の上
ひらつー内正解率33%
答.aの渡しです!
ソースは「郷土枚方の歴史(平成12年の第4刷)」の48Pに書いてあります。
くずはという地名は今回の選択肢b、cの「くそ」と「はかま」が由来というのは前にクイズにしました。これは日本書紀、古事記にも書いてある通りです。
しかし、地名の由来をアイヌ文化から探るという方法論に立つと、アイヌ語では「渡し」のことを「クスパ」という。まさに楠葉という地名は記紀の物語が成立する以前から淀川の重要な「渡し場」として知られていたのだよーーー!(ナンダッテーーー!!)
ってことらしいです。(ちょっと無理矢理感が)
1つの仮説ですので確証というわけではないので注意。
なお、dの答えはアイヌ語で「ひらかた」の意味です。
ちなみにこの本の参考文献の中に「日本横断アイヌ語地名散歩」がありましたので、それを参考に書いたのかと思われます。
http://www.hira2.jp/quiz/history-20180808.html

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白老のヒグマ、英で新生活 アイヌ民族博物館から譲渡

2018-08-09 | アイヌ民族関連
北海道新聞 08/08 05:00
 【ロンドン河相宏史】胆振管内白老町の一般財団法人アイヌ民族博物館(今年3月閉館)で飼育されていたヒグマ4頭が、譲渡先である英国中部のヨークシャー野生動物公園に到着し、一般公開され始めた。ヒグマが道内から海外へ運ばれて飼育されるのは珍しい。
 ヒグマは雄のリク、カイ、アムと雌のハナコ。空輸で3日に到着し屋内で環境に慣らされた後、1・6ヘクタールの広い屋外スペースに移された。草地で「風呂」もあり、ヒグマたちは水浴びを楽しんでいる。
残り:205文字/全文:420文字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/216525

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内閣官房アイヌ総合政策室の新室長 橋本元秀(はしもと・もとひで)さん

2018-08-09 | アイヌ民族関連
北海道新聞 08/08 08:58
 2020年までの制定を目指すアイヌ民族に関する新法と、同年4月に開設する胆振管内白老町の「民族共生象徴空間」。アイヌ民族政策の大きな節目が迫る中、7月末に体制を拡充した政策室のかじ取り役に就いた。「地域の思いにしっかり寄り添い、先住民族に対して理解が深まるようなムードをつくりたい」と意気込む。
 京都市出身。1983年に京大経済学部を卒業後、大蔵省(現財務省)に入省した。税務に長く携わり、アイヌ民族政策に取り組むのは初めて。だが、小樽税務署長、札幌国税局長として計3年勤めた道内は「『第二のふるさと』と感じるほど特別な思い入れがある」。雄大な自然に憧れ、今や趣味の一つになったスキーは小樽勤務時代に天狗山に何度も通い詰めて体得した。「アイヌ民族政策に携われるのも何かの縁ですね」
 現場に足を運び、地域に溶け込むことを心掛ける。「年間100万人来場」を目標とする象徴空間や、地域・産業振興に踏み込む新法の法案化作業など職責は重いが、「アイヌ民族の方々が何に困り、何を求めているか、意見をしっかり受け止めたい」と語る。9日から早速、道内各地に赴く予定だ。
 政策室は民間ビルから霞が関の合同庁舎に移転し、東京都内に駐在する職員は18人から32人に増えた。「周囲の期待はひしひしと感じる。全力を尽くす」。都内で妻と長男、次女と暮らす。59歳。(古田夏也)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/216594

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ピリカノカ・ジャーニー、2020年に再申請へ 西胆振日本遺産推進会議、ストーリーの見直し検討

2018-08-09 | アイヌ民族関連
苫小牧民報 2018/8/8配信
 西胆振日本遺産推進会議(会長・青山剛室蘭市長)は6日、室蘭市内で第3回会合を開き、今年5月に「西胆振ピリカノカ・ジャーニー」の日本遺産の落選を受けて今後の対応を協議した。文化庁への聞き取りや白老町の民族共生象徴空間開設を見据え、2020年の再申請を目指すことを確認。また、再申請に向けたストーリーの見直しや新たな取り組みの検討に向けて文化研究と観光振興の2部会を設置した。
 室蘭市や白老町など西胆振の3市4町で構成する同会議は、アイヌ語地名が残る西胆振一帯の海岸を中心に、アイヌの世界観を体感できる物語を構築。18年度の日本遺産認定に向け文化庁に申請していたものの、道内では上川管内上川町などで構成する「カムイと共に生きる上川アイヌ」のみが認定され、西胆振は落選していた。
 この結果を受け、同会議では、事務局が文化庁に対しての聞き取り結果や上川アイヌの特徴など、西胆振が認定に至らなかった要因の検証結果を説明。文化庁からは、地理学をベースとするストーリー構築や素材の魅力などが評価された一方、ストーリーの明確化、民間サイドの体制構築など不十分な点が指摘されたという。
 こうしたことから、象徴空間の開設を見据え20年の再申請に向けてストーリーと地域活性化計画を再検討することを確認。ストーリーでは特に上川アイヌとの差別化やアイヌの日々の生活に関する記述の加筆、地域活性化計画では、官民連携による推進体制の構築などが課題として上がったほか、地域の団体や住民における認知度向上や機運醸成も課題とした。
 事務局の胆振総合振興局は「1年かけてじっくりと再申請内容を検討していきたい」として、再申請に向けた検討の中心となる2部会の設置を提案し、全会一致で承認された。
https://www.tomamin.co.jp/news/area2/14411/

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旭川市博物館でナイトミュージアム お化けちょうちん作りなど体験イベントも

2018-08-09 | アイヌ民族関連
旭川経済新聞 2018.08.08
8月11日~13日・15日、旭川市博物館(旭川市神楽3条7、大雪クリスタルホール内)で「Night museum」が行われる。
 同イベントは同館の夜間延長開館に併せ、2009年度から毎年行っている。期間中、さまざまな体験イベントを用意する。
 11日は半紙で作る30センチほどのちょうちんにLEDライトを入れる「お化けちょうちん作り」(小学4年生以上、定員10人、料金100円)、12日は映像と共に学芸員が昭和を振り返る「ナツカシ映像学芸員解説」、13日はアイヌ文様の切り絵を使った「アイヌ文様コースター作り」を行う。事前申し込みは不要で、開催時間はいずれも16時30分~18時。小学3年生以下は要保護者同伴。
 15日は「旭川の百物語」(17時~18時)を行う。前回は5月に開催し、小学生から60歳代後半までの幅広い世代が参加。参加者それぞれの体験やうわさ話など、少し怖くて不思議な話を披露し合った。
 同館学芸員の藤原ふく美さんは「この機会に期間限定の企画展も併せてご覧いただければ」と来館を呼び掛ける。
 期間中の開館時間は9時~19時(入館は18時30分まで)。入館料は大人=300円、高校生=200円、中学生以下無料。
https://asahikawa.keizai.biz/headline/333/

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世界に広がるタトゥー文化、日本では「不快」49% 温泉地、訪日客の対応に苦慮

2018-08-09 | アイヌ民族関連
NIKKEI STYLE 8/8(水) 8:11配信
 7月に終幕したサッカーW杯の映像を見て、タトゥー(入れ墨)をする選手の多さに驚いた人は多いかもしれません。米調査会社による2012年の調べによると、タトゥーのある米国成人の割合は21%に達しました。欧米ではタトゥー文化が若者だけでなく中高年にも定着しつつあり、カナダのトルドー首相(46)も左腕に施していることが知られています。
 なぜ海外ではここまで広がったのでしょう。文化人類学者の山本芳美・都留文科大教授は「欧米でも以前はタトゥーに対して“犯罪”といったイメージが強かった」と話しています。それが1980年代以降、音楽や映画の場を中心にファッションとして徐々に広がりました。さらにニュージーランドの先住民「マオリ」のように「タトゥーを民族固有の文化として復権する動きも世界で活発になった」(山本氏)といいます。
 日本はまだ社会的な抵抗感が強いようです。関東弁護士会連合会が14年に1千人の男女を対象に調査すると、入れ墨の経験者は2%にとどまりました。スーパー銭湯などが加盟する温浴振興協会(横浜市)による利用者へのアンケートでも入れ墨をしている人に対して「不快」と答えた人が49%に達しました。
 文化の違いはあつれきも生んでいます。13年にはマオリの女性が北海道の温泉施設で入れ墨を理由に入浴を断られたのを機に、異文化と日本文化のどちらを尊重すべきかで議論が起きました。政府も外国人観光客の増加を受けて「入れ墨だけを理由に公衆浴場の利用は制限されない」とする見解を17年2月に閣議決定しました。
 とはいえタトゥー客を受け入れるかは、あくまで営業者の判断です。どのような折り合いの付け方があるのでしょうか。
 温泉の湧出量が日本一の大分県別府市は17年から、市内の施設のタトゥー客の受け入れ状況を示す地図を配り始めました。英語や中国語でも読める地図によると、16のうち11施設はタトゥー客の受け入れを宣言しています。事前に情報を開示しておけば、客がタトゥーに関して「来てみてガッカリ」という事態は避けられます。
 さらに大分県内の温泉地では、全身を隠して入浴できる「湯あみ着」を貸すという実験的な取り組みも始まりました。タトゥー客以外にも「宗教上の理由で裸になれない人や、手術跡を見られたくない人のニーズがある」(別府市温泉課)と見込んでいます。
 ニッセイ基礎研究所の土堤内昭雄主任研究員は外国人労働者が増え続ける中、タトゥーの受け入れは「スポーツジムなど日常の場でも課題になってくる」と話しています。
■山本芳美・都留文科大教授「多様な顧客への配慮と工夫を」
 外国人に定着しつつあるタトゥーと日本国内の文化にどう折り合いをつければいいでしょうか。国内外の動向に詳しい文化人類学者の山本芳美・都留文科大教授に聞きました。
 ――そもそもどうしてタトゥーが世界的に流行しているのでしょうか。
 「海外でタトゥーが文化的に定着したのには2つの側面がある。1つはファッションとしての流行だ。かつては欧米にも犯罪など負のイメージがあったが、1980年代以降、タトゥーをした歌手や俳優、スポーツ選手などの影響で脚光を浴びるようになった。もう1つはニュージーランドの先住民族マオリに代表されるように、民族固有の文化としてタトゥーを復興させようという動きだ。米国などでは文化として広がりを持つのに合わせ、行政当局がタトゥーを解禁するなど歩調を合わせてきた」
 ――日本ではなぜ負のイメージが強いのでしょうか。
 「江戸時代は町人や火消しの間で『彫り物』が流行となるなど、一定の文化的な広がりがあった。彫師の技術水準も高く、明治時代には英国やロシアの王族が日本で入れ墨をした記録もある。しかし明治政府は欧米列強から野蛮なイメージで見られることを嫌い、東京では1872年に入れ墨を条例で禁止した。入れ墨を軽犯罪とする法律も1948年の日本国憲法の公布まで続く。さらに戦後は負のイメージがヤクザ映画やテレビにより浸透した側面がある。しかし歴史をみても世界をみても、特定のイメージは固定されたものではなく移り変わる」
 ――外国人観光客は日本の施設の「入れ墨お断り」をどう見ていますか。
 「2013年には顔にタトゥーを施したマオリの女性が北海道の入浴施設で入場を断られ、海外でも大々的に報じられた。後で関係者から話を聞いたが、女性を招いたアイヌの人たちも『自分たちの文化を否定された気持ちになった』と話していたそうだ」
 ――どのように折り合いをつけたらいいでしょう。
 「まずは情報提供を充実させるべきだろう。入浴施設などがタトゥーを理由に利用を制限するなら、ウェブサイトなどを通じて多言語できめ細かく説明する必要がある。その意味で、施設の受け入れ状況を一覧できるようなインターネットのサービスが出てきたことは歓迎すべきことだ。次に現場での工夫も求められる。タトゥーをした人に湯あみ着をしてもらう対応について、一部の地方は検討を始めている。こうした対応は性的少数者(LGBT)など裸の身体をさらすことに抵抗のある人への配慮にもつながるだろう」(高橋元気)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180808-00010003-nikkeisty-bus_all&p=1

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持続可能なパーム油に危機? ネスレが浮き彫りにした認証制度の欠陥

2018-08-09 | 先住民族関連
SWI swissinfo.ch 2018-08-08 08:30

ボルネオ島の先住民族、ダヤク・ヒブン族が権利を主張する土地。強奪後、部族の承諾なしにアブラヤシ農園へと姿を変えた
(Courtesy Edi Sutrisno)
インスタント食品やスナック菓子などに使われるパーム油。原料となるアブラヤシの採取が熱帯雨林の破壊に繋がるのを防ぐため、環境に配慮したパーム油の利用と促進に取り組む組織「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」が認証制度を設けている。だが今年に入ってRSPOとスイスの食品大手ネスレの間で起きたいざこざは、この認証制度にヒビが入っていることを浮き彫りにした。
 宣伝広告で商品の欠点を見せることはまずない。だが、多国籍企業の代表的な商品がソーシャルメディアで叩かれることは無きにしも非ずだ。そんな経験をしたのがネスレ。2010年、熱帯雨林の乱伐につながるパーム油を使用していると、グリーンピースに非難されたのだ。「キットカットを食べるのはオラウータンを殺すこと」。そんなメッセージがよく伝わるようにと、グリーンピースは血の流れるおどろおどろしい動画をこのチョコのCMに仕立ててユーチューブ
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にアップした。
 ネスレは今でも大量のパーム油を使用している。同社がRSPOに提出した年次報告書によると、17年に調達したパーム油は合わせて46万トン弱で、ネスレが本社を置くスイスの輸入全体量の15倍以上に相当する。ネスレが使っているパーム油の約2割はRSPOの認証を受けた油だ。RSPOは、パーム油生産業、搾油・貿易業、消費者製品造業、小売業、銀行・投資会社、NGOの協力のもと運営されており、「持続可能なパーム油のグローバルスタンダードの策定」を目的としている。ネスレもRSPOの会員であり、最終的にはすべてRSPO認証油にするよう求められている。
 ネスレは供給元が確かなパーム油を20年までに100%にすると約束はしているものの、RSPOとは違う方向を向いている。
一致を見ない戦略
 RSPOが今年6月、ネスレの会員資格を停止
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し、両者の争いが勃発した。同社が提出した17年年次報告書に、RSPO認証パーム油の使用率100%への工程表が盛り込まれていなかったのが理由だ。RSPOの認証制度には、認証油を栽培から最終産物までのすべての工程で従来のパーム油と分別する「アイデンティティプリザーブド/セグリゲーション」と、両方の油を適当な比率で混ぜて転売する「マスバランス」の2種類がある。
 ネスレは、このようなRSPOの制度は不十分であり、「業界が早急に必要としている透明性や変革のレベル向上に貢献するものではない」と主張。RSPOの認証制度より、独自のサプライチェーンの方が透明性を高められるとの自負がある。現在は自社の「責任ある調達」戦略
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により、購入したパーム油の50%を農園まで、92%を搾油工場までさかのぼって追跡できるという。さらに、同社が「持続可能なパーム油」の条件として定める基準は「RSPOの『原則と基準』より厳しい」とも主張。つまり、ネスレは独自に持続可能なパーム油を調達した方がより良い成果につながるという考えであり、RSPOの要求に応じてRSPOの認証油100%を目指すつもりはないのだ。
 RSPOは、このような考え方の相違により、ネスレを激しく非難したのだろうか。ネスレの広報担当者によると、ネスレの目標が認証パーム油100%はないとわかると、RSPOは17年の行動計画を削除し「行動計画がない」年次報告書として再提出するよう求めた。その後、ネスレは会員資格を停止された。言うなれば、RSPOは、認証についてしっかり交渉したいという姿勢を公にしたネスレの取り組みを受け入れるのではなく、会員資格を停止する方を選んだ。いずれにしても、各企業が独自に持続可能性の基準を作り独自に活動してもらっては困る、とRSPOが考えているのは明らかだ。
 RSPOの広報担当者はスイスインフォに対し、「持続可能なパーム油の栽培を促しニーズを高めるには、世界的な合意を得られた基準を浸透させる必要がある。そこで初めて市場の変革を実現し、持続可能なパーム油の使用を規範にすることができる。これは広く受け入れられている考え方だ」と語る。
 だが、RSPOのこのような考えとは異なり、各企業は持続可能なパーム油について、RSPO以上の基準を作り始めている。イギリスとオランダに本拠を置く多国籍企業のユニリーバーはネスレの3倍近い量のパーム油を調達しているが、やはり別の可能性を模索しているところだ。
 同社のウェブサイト
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には次のように記されている。「認証はパーム油の生産方法や取引方法を変革するための数ある手段の一つであり、RSPOがそのカギとなる役割を担っている。しかし、当社の認識では、この認証一つでは業界が直面しているすべての社会的・環境的問題に対応できる解決策にならない」
 ネスレ同様、ユニリーバーもさまざまな供給元から調達したパーム油のトレーサビリティー(履歴管理)の向上に向け、独自の取り組みを行っている。現在は全体の78%を搾油所までさかのぼって追跡できるほか、北スマトラにあるパーム油精製自社工場に1億3000万ユーロ(約168億円)におよぶ投資を行い、サプライチェーン管理の向上に努めている。
特効薬にはあらず
 持続可能なパーム油に関し、ネスレやユニリーバーはなぜRSPOより高い基準を作ろうとしているのだろうか。RSPOのパーム油追跡システム
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は、パーム油自体が環境に優しい方法で生産されているかどうかを保証するもので、消費者の手元に届くまでに関わる企業が環境に配慮しているかは問わない。ンたとえばインドネシアにある搾油所は、持続可能性に配慮した農園で採れた油も、乱伐や土地の収奪に関与している農園で採れた油も供給できるということだ。
 これはまさにボルネオ島の先住民族ダヤク・ヒブン族に起こったことだ。西カリマンタン州サンガウ県の村落ケルナンとエンタパンに住むダヤク・ヒブン族は、彼らが所有権を主張する1500ヘクタール近い土地が、自分たちの自由で優先権のある事前同意も得ないまま、パーム油農園を作るため96年に収用されたとして不満を抱いている。
 ダヤク・ヒブン族が闘っている相手はPTミトラ・アウストラル・セジャテラ(以下PT MAS)という名の企業で、持続可能なパーム油生産の世界最大手を自認
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するマレーシアのサイム・ダービー社の子会社だ。ダヤク・ヒブン族が苦情を訴えている事実があるにもかかわらず、RSPOの会員にもなっており、ネスレに認証油を供給している。
ダヤク・ヒブン族の土地問題
ダヤク・ヒブン族は土地権に関する14の要求を掲げて、PT MASとその親会社サイム・ダービー社を相手に2006年から抗議運動を続けている。25年間の借地契約が22年で終わるため、先住民族の将来を左右する最終結論が待たれている。
抗議に対する回答が一向に出されなかったことから、ダヤク・ヒブン族は12年、サイム・ダービー社に対する苦情をRSPOに正式に訴えた。しかし、RSPOもサイム・ダービー社から回答を得ることができなかった。同社の処罰に躊躇するRSPOに失望したダヤク・ヒブン族は1月、経済協力開発機構(OECD)のスイス連絡窓口に調停要求を提出
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し、RSPO自身を突き上げた。
ダヤク・ヒブン族の代理を務めるNGO「TuK」の声明
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には次のようにある。「ダヤク・ヒブン族の見解では、RSPOが自ら定めた規則や手続きに従わず、その結果として同民族の権利を保護することもなく、またOECDの多国籍企業に関するガイドラインにも従っていない」
ダヤク・ヒブン族が特に不満に思っているのは、RSPO側の透明性の欠如だ。RSPOは、12年に提出された苦情についてはまだ結論が出ていないが、「建設的な解決策」を見い出す努力をしていると述べている。
ダヤク・ヒブン族の土地問題には、ネスレが絡んだ別のいざこざもある。PT MASの名前は、商品用パーム油の供給者としてネスレが2月に作成したサイム・ダービー社所有の49の搾油所リスト
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に挙がっている。スイスインフォに対しネスレは、PT MASとその親会社であるサイム・ダービー社が先住民族との争いに関わっていることは認識しており、この問題を慎重に見守っていると語った。
インフォボックス終わり
機能障害を持つシステム?
 ダヤク・ヒブン族に関する事件からは、RSPOシステムの欠点が浮き上がる。本来なら、PT MASと先住民族との争いごとが解決するまでサイム・ダービー社のRSPO会員資格は停止され、ネスレはPT MASからのパーム油調達を取りやめるべきだろう。だが、RSPOは違反行為(特定の文書の不提出)を理由にネスレの会員資格を停止する一方で、サイム・ダービー社には、同社が土地権に関するRSPOの重要な指針に反しているにもかかわらず、RSPO会員の身分を許している。そして、サイム・ダービー社はネスレにパーム油を供給し続けているのだ。
 これは一種の機能不全であり、グリーンピースなどの環境保護団体もRSPOに対する不信を表明し、自主的にその行動を改めるよう各大企業に求めている。
 グリーンピースのウェブサイト
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には次のように記されている。「パーム油の取引業者(特にプランテーション権益を持つ企業)は雨林を乱伐して収穫したパーム油を自社の搾油、精製、販売システムにたれ流し続けている。今のところ、政府や業界団体であるRSPOも、生産者に乱伐や泥炭地開発をやめさせる措置をとることも期待できない。したがって、『森林破壊ゼロ、泥炭地ゼロ、搾取ゼロ』ルール(NDPE)を採用していない企業はいち早くこれを採用し、各パーム油サプライチェーンの中で生産者側にできるだけ早く、遅くとも2020年までに、このようなルールにのっとった行動を実現してもらうよう、責任を負うべきである」
 RSPOは7月16日、ネスレとの和解成立、そして同社の会員資格の復活を発表
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した。しかし、ネスレは認証に対する批判の手を緩めていない。
 RSPOのダレル・ウェーバー最高経営責任者(CEO)はネスレの会員資格復活の公式発表の中で、「RSPOは認定組織にとどまらない。コミットメント(誓約)組織だ」と述べた。だがRSPOに対する不満は高まっている。そのコミットメントが試されるときは再び訪れるのだろうか。
(英語からの翻訳・小山千早), swissinfo.ch
https://www.swissinfo.ch/jpn/環境保護_持続可能なパーム油に危機--ネスレが浮き彫りにした認証制度の欠陥/44303682

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日本初公開!「伝統」から変容を遂げるブラジル先住民の「椅子」- フォーサイト編集部

2018-08-09 | 先住民族関連
BLOGOS 2018年08月07日 21:58新潮社フォーサイト

「芸術表現としての椅子」が並ぶ新館展示室。今回の展示にあたっては、建築家の伊東豊雄氏が、芸術監督の役割を引き受けており、野生動物の椅子と目が合うように、観覧者が低く座れる椅子を用意したという 撮影:筒口直弘
 かわいらしいフォルムに幾何学的な文様――。原始的な造形と現代美術のような斬新さを併せ持つ数々の「椅子」は、ブラジルの先住民が制作したものだ。東京都庭園美術館で開催されている「ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力」展では、ブラジル・サンパウロにあるベイ出版社の約350点のコレクションから、92点が紹介されている。
[ブログで画像を見る]
《カメ》 リクバツァ民族
作者不詳 長43㎝
Aカテゴリーの椅子。背中の傷は、まな板としても使用していたから
[ブログで画像を見る]
《双頭のオウギワシ》
民族・作者不詳 長120㎝
Bカテゴリーの椅子。現実に存在する動物の中、唯一、想像上の鳥がモチーフとなっている
「ベイ社は普段からコレクションを公開しておらず、これらの作品は海外初出展でもあり、"日本初公開"でもあるのです」と説明するのは、同美術館の大木香奈主任学芸員。
「『ベイ』は、美術・日本料理中心の出版社で、30年以上かけて先住民の椅子を収集してきました。広大なブラジルの土地には200民族ほどの先住民が暮らしていて、ベイ社が所有しているのは、25ほどの少数民族の作品。展覧会ではそのうち17族の椅子を展示しています。彼らは先住民の椅子を単なる調査・研究のための資料とするのではなく、ブラジル独自の芸術表現として認めています。だからこそ、自分たち本位ではなく、先住民の方々と深い交流を持って彼らの意図を汲み取り、作品を発表する場を設けるなど、その造形美が評価・普及されるよう努めています」
先住民が椅子に託した三つの役割
 今回の展覧会では、先住民の椅子をA、B、Cの3つのカテゴリーに分けて展示している。Aは伝統的な椅子、Bは動物を象った伝統的な椅子、Cは芸術表現としての椅子である。
[ブログで画像を見る]
Aカテゴリーの椅子。「先住民の椅子でも溶け込ませてしまう庭園美術館本館のアール・デコ空間に、作品が飲み込まれないよう、かすかな違和感を生じさせる展示台等を」という樋田館長の依頼に応え、伊東氏は高さや脚の太さの異なる円形テーブルを組み合わせた台を考案した 撮影:筒口直弘
「Aは座る機能に徹したものです。Bは椅子としての機能は保ちながら、鳥など神話や信仰に深いかかわりを持つ野生動物の造形がほどこされたものです。AもBも、誰もが座れる普段使いの椅子だったわけではなく、その使われ方は、しきたりや慣習によって決まってました。Cは、AとBの用途からは離れて、自分たち以外の少数民族、国外の幅広い人たちに向けて、先住民の文化、ルーツを発信するメディアともなっている椅子です」
 確かに、Aのカテゴリーでは、一見して「椅子」だとわかる形態のものが多い。しかし、素朴な腰掛けから、複雑な文様がほどこされているものまで、それぞれに個性が見られる。
「考古学的な調査に基づくと、ブラジルを含む中南米の地域では、約4000年前から椅子の使用の痕跡が認められています。ただ、コレクションされている椅子は、古くてもせいぜい30~40年ほど前のものです。
"伝統的な椅子"と一口にいっても、民族や制作者によって形は様々。たとえば、ガラジャ民族がつくった椅子には、端に目を表しているような象嵌をほどこしていたり、ひもがついていたりします。狩猟などで移動するときに、肩から下げて持ち運んでいたようです。アスリニ・ド・シングーと呼ばれる人々は、非常に美しい幾何学的な文様を椅子に描いている。彼らは同じ文様を陶器や織物、ボディペインティングでも使用していますが、残念ながら調査研究が進んでおらず、家紋なのか、まじないなのか……その詳細はわかっていません。リクバツァ民族の椅子は、カメがモチーフの実に素朴な造形。人が椅子に動物を象ろうとした初発的な在り様に思えます」
 これらの椅子は、社会的な権威や地位、区別を表すシンボルでもあった。カヤビやユージャといった少数民族内では、椅子は長老やシャーマンが占有するもので、メイナク民族ほか多くの少数民族では、AとBの椅子には女性は座ることができず、女性が座れたのは、ブリチ椰子でつくる敷物だった。またある共同体では、隣接する共同体間で婚姻が行われる際に新郎側から義父や義兄に贈られるもの、と椅子をめぐる習俗は民族によって異なっているのだ。
人間界と異界をつなぐ使者
 先住民の中でシャーマンは、人間界と精霊が住む異界をつなぐ存在であると考えられており、彼らにとって椅子は重要な役割を果たしている。
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ベイ社の好意により自然光の中で展示されている。中庭の光が天板の薄い青(空や水をイメージしている)に反射して、あたかも窓から鳥が入って来たかのようにも見える 撮影:筒口直弘
「シャーマンは宗教的な行事をつかさどる人物です。異界の精霊からメッセージを受け取る際、アルコールを飲んだり、煙草を吸ったり、周囲の高揚する歌声やダンスでトランス状態に入ります。そのときに腰掛けるのが、AやBの椅子でした。Bの椅子には鳥やサル、エイなど動物を象ったものが多く、メイナクなどアマゾン支流のシングー川上流域に住む少数民族にとって、とりわけコンドルのような猛禽類の鳥は、その飛び立つ様から人間界と天空、見えない世界をつなぐ使者、御使いだと考えられています。鳥の飛翔は、"遠方への誘(いざな)い"を意味していました。ジャガーもよく見られるモチーフですが、雨の神とされています。
 象られた鳥には、オウギワシ、ホウカンチョウ、ズグロハゲコウなど耳慣れない動物も多くて、デフォルメされた椅子の造形と実物を見比べてみるのもおもしろいかもしれません」
「マティスのシャープな線」
 そしてCは、先住民古来の文化が外部との接触により、"変容を遂げた"椅子だ。AとBの椅子に共通して見られる平らな座面はほとんど見られず、モチーフとなる動物の背中は丸みを帯び、中には頭から首、肩甲骨、背中、おしりまで骨の形がわかるような実際の動物の形態に近い彫刻もある。先住民が今、この時代につくっている作品だ。展覧会の監修にあたった樋田豊次郎館長は、次のように語っている。
「温かさ、楽しさ、かわいさを持つ木彫りの動物たちを、"民芸品"と見る人もいます。しかし、私は最初にこれらの椅子を見た瞬間、アンリ・マティスが晩年に手掛けた切り紙絵のシャープでざくっと切られた線を思い浮かべました。また北欧の素材感を大切にするシンプルなスカンジナビアデザインにも共通するものを感じています。すべて一木造りの無駄なものは一切ない形、文様。しかし、木目や色まで考え抜かれてつくられている。"かわいい"とか"楽しい"だけでは説明し切れない造形の強さが隠れている気がしました。文化人類学的にはこれらの椅子を先住民の滅びゆく文化と捉える向きもありますが、現代に受け継がれる彼らの椅子は、我々が持つそうした思い込みを、その強さ、迫力、美しさで軽々と越えていってくれます」
 動物をモチーフとしていても、もちろんBのような信仰や神話の直接的なアイコンではない。それでも、彼らが日常目にする野生動物たちへ抱く愛情や畏怖の念、自然観は変わらず内包されている。
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《サル》 メイナク族 カマルヘ作 長130㎝
Cカテゴリーの椅子。文様、造形が独特で美しく、思わず目をひかれる大型作品
「Cの椅子は先住民が彼らの文化を守り、支えていくためのツールでもあります」というのは、大木学芸員だ。
 2017年4月に開催された「サンパウロ・アートフェア」に、ベイ社の計らいでメイナク民族の椅子が出品されると、大きな反響を呼び、注文も相次いだという。それでも彼らは、制作用の樹木を乱伐することはなく、自然を壊さないように配慮して、持続可能な作品づくりを行っている。樋田館長の現地でのインタビューに答えて、椅子の制作者であるメイナク族のヤタピとマイヤワリの兄弟は、こう語っている。
「椅子の制作者は作品を紹介されることを喜んでいますが、ブラジルや外国には先住民の芸術を認めない人が多い。我々はマイノリティだから作品も過小評価されている。とくに椅子はとても安い価格をつけられてしまいます。あたかも簡単につくれて、価値も意味もないかのように。でも今、発表の機会を得て、我々はアーティストとして認められつつあります」
 そして、制作だけではなく、椅子の調査研究も行い、誰が手掛けた作品なのかアーティスト名も含めて、後世に伝えていきたいと言う。
「彼らは今でも村に住み、野生動物たちに囲まれています。アーティストとして制作した作品では、アリクイ、バク、サル、アルマジロ、カピバラなど、これまでにない様々な動物がモチーフになっていて、大きさや形や表情がそれぞれ異なっています。そこに、先住民が野生動物から触発されたゆたかな想像力を見て取ることができるでしょう。私たちは、伝統から芸術へと変質してきたこの"先住民の椅子"の有様を、この展覧会でそのまま伝えるようにしています」(大木学芸員)
 受け継がれる伝統と変容する文化――。それらを併せ持つ「先住民の椅子」は、私たちが忘れて来た豊かな精神が息づいているようだ。
ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力
会期:9月17日(月・祝)まで 
会場:東京都庭園美術館
休館日:第2・4水曜日(8月8日、 8月22日、 9月12日)
開館時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
※8月31日までの毎週金曜日は、21:00まで開館する「サマーナイトミュージアム」を開催。なんと、学生は17:00以降の入場料は無料。通常1200円の一般も960円でご覧いただけます。
http://blogos.com/article/316410/

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中信の林智勝、通算1500本安打達成 台湾リーグ5人目

2018-08-09 | 先住民族関連
中央フォーカス台湾 2018/08/08 16:56

(台北 8日 中央社)台湾プロ野球、中信の林智勝内野手(36)が7日、台中インターコンチネンタル球場で行われた統一戦の4回、三遊間を抜く安打を放ち、史上5人目となる通算1500安打を達成した。試合は中信が7-5で勝ち、単独首位(後期シーズン)に浮上した。
この日、「6番・一塁」で先発出場した林。8回にも右中間への二塁打を打ち、通算安打を1501本とした。
台湾原住民(先住民)アミ族出身の林は2004年、ラミゴの前身、ラニューに入団。12年まで3度の本塁打王に輝くなど、リーグを代表する強打者として活躍した。だが、16年の中信移籍後、故障などもあって17年から出番を大きく減らした。今季も1軍初出場は開幕から約2カ月経った5月末で、出場数は25試合にとどまっている。
林以外の1500安打達成者は、通算安打数が多い順に、元統一の張泰山(2134本)、中信の彭政閔(1927本)、統一の高国慶(1630本)、元興農(現富邦)の黄忠義(1582本)。まだ現役の彭、高はいずれも7日現在の数字。
台湾プロ野球の1球団当たりの年間試合数は、90試合だった時代が長かったが、2009年からは現行120試合となっている。
(謝静ブン/編集:羅友辰)
http://japan.cna.com.tw/news/aart/201808080003.aspx

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