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台湾の物語を世界に発信 国際動画配信サイト「Taiwan+」サービス開始

2021-09-01 | 先住民族関連
中央社フォーカス台湾 8/30(月) 21:25配信

海外向け動画配信プラットフォーム「Taiwan+」のサービス開始セレモニーに出席する頼清徳副総統(中央)や文化部の李永得部長(右3)、中央社の劉克襄董事長(右1)など
(台北中央社)台湾初の海外向け動画配信プラットフォーム「Taiwan+」(タイワンプラス)が30日、サービスを正式に開始した。同プラットフォームは文化部(文化省)が行う事業で、台湾のニュースをはじめとする多様な映像コンテンツを英語で発信する。記念セレモニーが同日夜、台北市内で開かれ、頼清徳(らいせいとく)副総統など政府要人や各国の駐台使節らがサービス開始を祝った。
Taiwan+は台湾の声を世界に届けることを目的として立ち上げた映像ストリーミング配信サービス。ニュース、文化、テクノロジー、自然、ライフスタイルの5つのカテゴリーの映像コンテンツを配信するほか、台湾や世界の出来事を伝えるニュース番組を毎日早朝、午後、夜の3つの時間帯にライブ配信する。また、公共メディアの台湾公共広播電視集団や民間のチャンネルなどと手を組み、ニュース以外の番組やドキュメンタリー、ドラマなど多様なコンテンツを世界に届ける。
サービス開始日の30日夜に開かれた式典には、頼氏のほか、游錫堃(ゆうしゃくこん)立法院長(国会議長)や李永得(りえいとく)文化部長(文化相)、中央社の劉克襄(りゅうこくじょう)董事長(会長)らが出席。駐台使節の来賓としては、中華民国(台湾)と外交関係を結ぶセントクリストファー・ネービスの駐台大使や、日本やカナダの駐台代表、米国や欧州の商工会の代表者など計10人余りが出席した。
蔡英文(さいえいぶん)総統はビデオメッセージを寄せ、台湾の新世代の人々の任務は「自由を基礎として台湾を国際化させることだ」と述べた上で、「このビジョンを実現させるためには、われわれの多様性と成果、そして国際社会に貢献したいという願いを示すプラットフォームが必要だ」と同サービスの意義を強調した。
頼氏はあいさつで、Taiwan+を通じて、台湾人が考えていることや台湾で今起きていること、世界に貢献できることなどを世界共通の言語と広い視野、台湾ならではの背景によって世界の視聴者に伝えられればと願った。
セレモニーの冒頭では、台湾原住民(先住民)族プユマ族の歌手、サンプーイ(桑布伊)が力強い歌声を披露し、Taiwan+の幕開けに華を添えた。
Taiwan+は公式サイト(www.taiwanplus.com)のほか、スマートフォン用アプリ、ユーチューブやフェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどの各SNSで視聴することができる。アプリはiOSとAndroidに対応している。
台湾歴史ドラマ「斯卡羅」(SEQALU:Formosa 1867)の海外向け配信も同日、Taiwan+の公式サイトやアプリ、公式ユーチューブチャンネルで始まった。(名切千絵)
https://news.yahoo.co.jp/articles/43b3dae683a224675517f6bcc2b69a5610d2913a

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“世界が尊敬する日本人100人”のダンサーが、西武池袋本店で伝える「東インドの世界」

2021-09-01 | 先住民族関連
pen 8/31(火) 17:50

東インド・オディシャ州発祥の古典舞踊としてオディッシーの踊り手として、日本人でただ一人インド政府から公認を受けている小野雅子の来日を記念して、2021年9月1日(水)~21日(火)、西武池袋本店4階にて「INSPIRE THE ODISSI」が開催される。
小野は幼少の頃よりモダンダンスを学び、東京外国語大学のインド・パキスタン語学科で学んだ後、世界レベルのインド舞踊家を輩出する舞踊学校、ヌリッティアグラムでオディッシーを習得。2001年にソロデビューを果たし、以降インドや日本を中心に世界中で公演を行ってきた。
『Newsweek』誌の「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれた彼女は、2009 年、インドと日本の若手アーティストの育成やオディシャ州の文化を発信することを目的とした財団「MUDRA foundation」を設立。同財団の主催するパフォーマンスフェスティバル「オディシャ・ビエンナーレ」は、インド国内外の気鋭アーティストを招いての公演を開催するだけでなく、地域の文化資源の価値発信も行うなど、アートやデザインを通じた地域社会の文化力の底上げにも取り組んでいる。
小野は日本とインドを中心としたクリエイターらととともに、多様な分野の境界線を超えて活動を展開する「Border Line Project」を、東京都のTokyo Tokyo FESTIVAL助成事業としてローンチ。今年7月には東京芸術劇場にて「Border Line in TOKYO」の公演を有観客で行うはずだったが、新型コロナウイルス感染症の影響で無観客で行い、収録を行うこととなった。この時の模様は9月1日(水)よりオンラインにて公開される。
「INSPIRE THE ODISSI」の「Border Line in TOKYO 衣装展」では、この公演で着用したモダンな衣装や、文化服装学院の学生がデザインした独創的な衣装、それに伝統的なオディッシーの衣装の計5点を展示。国やジャンル、世代を越え、進化するオディッシーの世界を紹介する。一方、「POP UP SHOP」ではオディシャ州の伝統的な織物であるイカット(絣)を使って文化服装学院の学生がデザインした1点もののアイテムや、オディシャ州の山間部に住む先住民族が手がける真鍮の工芸品、日本人クリエーターがモダンにデザインしたゴールデングラスのバッグ、1969年創業のインド発ライフスタイルブランド「the shop」のアイテムなどを展示販売するので、こちらもお見逃しなく。
https://news.yahoo.co.jp/articles/98d2bba4d54b08fdc1b94f24058db11391da64c4

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自然に有益だったはずの山火事は、こうして「地球の脅威」へと変化した

2021-09-01 | 先住民族関連
WIRED 8/31(火) 12:21

山火事は本来、健全な森林には欠かせない自然現象だった。それがいまや、生態系を破壊する“怪物”に成り果てている。
かつての山火事は下生えを数十エーカー(10万平方キロメートル前後)ほど燃やす野火でしかなく、このおかげで新たな植物が成長していた。それがいまでは強烈な熱と煙を生み出し、雷雲まで発生させ、落雷のおかげでさらに山火事が拡大している。
最近は大規模な森林火災がたびたび発生しては、広大な土地が焦土と化している。カリフォルニア州で7月に発生した通称「ディクシー・ファイア」は1カ月以上にわたって950平方マイル(約2,460平方キロメートル)を焼き尽くし、同州で2番目に大きな山火事となった。それが8月中旬の時点で、わずか31%しか消火できていない。
このように「いい火災」が「悪い火災」へと変貌した要員は、ふたつある。気候変動に加えて、皮肉なことに消火活動の積み重ねだ。
まず、気候変動によって草木が乾燥し、破壊的なまでに燃えやすくなった。そして消火活動、特に生命や建物を脅かすほど大きな火災の消火活動の結果、こうした燃えやすい草木が新たに生えて広がってしまった。
生態系における“リセットボタン”
なぜこのような誤った方向に進んでしまったのか。それをひも解く前に、ヨーロッパ人が北米大陸の西側に侵攻する以前の山火事と森林の関係を理解するとわかりやすい。
歴史を振り返ると、山火事は生態系におけるリセットボタンのような働きをしていた。まず、雷を伴う嵐がやってきて低木や草地に火を放つと、森林の低木層から火災が広がる。これは乾燥したカリフォルニアの森林地帯にとって、なくてはならない現象だった。多雨林とは異なり、枯れた植物が微生物に分解されることがないからだ。 こうして、放置すれば地面をブランケットのように覆って植物の成長を阻む枯れた植物を取り除ける、というわけである。
また、草食動物が好む栄養価の高い植物を新たに育む場所も生みだした。そして新たに生えた木の実が熊の餌になり、新たな草地が鹿などの動物の餌になり、生えてきた野草は受粉する昆虫の餌になった。
「シカのように頻繁に移動する有蹄動物の多くは、火災で焼けた土地と焼けていない土地が隣り合った広大な区域を好みます」と、ワシントン大学の森林生物学者デイヴ・ピーターソンは言う。「こうすれば新たな餌にありつけますし、隠れ場所にもなるからです」。ここで言う隠れ場所とは、焼け残った枝葉のことだ。
森林がもつ“集団免疫”
こうした山火事は、植物の生態系にもいい影響を与えた。特定の種が過剰に成長することを防いだのである。
まず、樹木が火災に適応した。分厚い樹皮をもつ種が火災を生き抜いて森林を再生させ、樹木の個体数の増えすぎを食い止めたのだ。一方。病気の木や樹皮の薄い若木は火災で消失し、生き残った樹木の種子は山火事の跡地で生い茂った。また、火災で発生した炭化物で土壌の栄養分が豊富になり、樹木が“間引き”されたことで地面に降り注ぐ太陽の光は増えた。
それに背の低い草木が定期的に焼失すれば、大きな山火事にまで発展することもない。「いまでは想像もつかないことですが、2~3年おきに山火事が発生していれば、乾燥した森林でも燃えるものはほとんどなかったのです」と、オレゴン州立大学の火災研究者のクリストファー・アドラムは言う。「歴史を振り返ると、たとえ高温で干ばつの年でも山火事があちこちで爆発的に発生したことはありません。燃えるものがいまほど大量に存在しなかったからです」
昔の山火事は、いまも燃え続けているディクシー・ファイアのように何十万エーカーにもわたって延々と拡大するのではなく、森林に焼け跡を点在させるにすぎなかった。こうした焼け跡には燃えるものがほとんどないので、その後の火災では防火帯のような役割を果たす。落雷で近くに新たな火災が発生しても、この焼け跡にじりじりと接近して、そこで止まるわけだ。
「わたしたちの森林には“集団免疫”の仕組みがあります」と、原野火災の生態研究者で政府機関の活動を支援しているR. W. Gray Consulting社長のボブ・グレイは説明する。「次々に大量に山火事が発生したことで、その機能が十分に作用しなかったのです」
「火災の鎮火」がもたらしたこと
北米大陸に初めて上陸した人々は、定期的に自ら火を放つことで小規模の山火事を引き起こし、生態系の生産性を高めていた。そこにヨーロッパ人がやってきて、大陸の西側全体に住宅を増やして産業を築いた。こうして生まれたのが、「火災とは鎮火するもの」という考えである。人々の命と所有物を守るために、山火事はできるだけ素早く消さなければならなかったのだ。
ところが、西海岸の乾燥した森林地帯では、植生を再循環させる微生物の活動が少ない。そこに「火災を鎮火する」という考えが浸透したことで、結果的に燃えやすいものが危険なほど大量に蓄積されてしまったのだ。
例えば、ブリティッシュコロンビア州南東部のクランブルック周辺を見てみよう。火災を鎮火する活動が始まる前、この地域の森林は主にポンデローサマツとベイマツで覆われており、1ヘクタールあたりの樹木は50本にも満たなかった。
また、この地域の火災は比較的小規模で、平均すると7年に1度発生していた。草や低木、樹木のくずを燃やした弱い山火事は、大半の樹木を残しながらもその個体数の過剰な増加を食い止めていたのである。
だが火災を「鎮火する」という長年の活動の結果、いまやクランブルック周辺には1ヘクタールあたり10,000本もの樹木があり、その95%はベイマツである。樹木の個体数を抑制していた定期的な火災がなくなったことで、ベイマツが占領してしまったのだ。「生態系のサイクルから山火事を取り除くと何が起きるのかを示す典型的な事例です。結果として植物の種とその構造、つまり森林の密度に大きな変化が生じたのです」と、生態研究者のグレイは言う。
いまや樹木は密集し、山火事は簡単に森林全体に燃え広がるようになった。さらに悪いことに、1ヘクタールあたりの樹木数が200倍になったことで、「もう地表火災では済まないのです」と、グレイは指摘する。つまり、下生えだけが燃える火災では済まないのだ。
「これは強大な(樹木の上部まで燃え盛る)樹冠火災で、すべてのものを焼き尽くします」と、グレイは言う。樹冠火災になると、炎は木々の頂から頂へと燃え広がるのだ。
「いい火災」の見分け方
こうして森林には燃えるものが高密度で残り、天然の防火帯を失ったことも重なって“集団免疫”が失われた。いまや山火事は、またたく間に拡大するようになっている。なにしろ、“感染”を広げられる新しい場所がたくさんあるのだ。
それに植物も動物も、この手の大火災にどう対処していいのかわからなくなっている。「最近の火災は高温になっており、そこに生息している植物や動物の種はこれほどの高温に適応できないのだと思います」と、グレイは言う。「それに大規模な山火事が発生すると、そこから逃げ出した種が新たな場所で基盤を築くことは極めて困難なのです」
森林破壊による問題は、そのあと何年も残る。生き残った動物たちは捕食動物から身を隠す隠れ場所を失い、焼け跡は侵略的な種、特にこの機に便乗する雑草によって“植民地化”される。雑草が先に根付くと、焼き尽くされた土地に戻ってくる在来種を追い出そうとする。
「雑草はまさに山火事を利用しているのです」と、グレイは言う。「そして雑草は、その土地を均質化することで生態系を一変させます」
それでは、森林にとって「いい火災」と「悪い火災」は、どうすれば見分けられるのか。それは衛星やドローン、飛行機などを用いて樹木を数えることだ。
例えば、危険度の低い火災で焼失する樹木の数は20%未満で、危険度の高い火災では80%以上にもなる。同じ森林火災でも破壊の度合いは実にさまざまだ。周辺部の焼失が大きい場合もあれば、内側の焼失が大きいこともある。
火災の規模も要因のひとつになる。「火災が広い範囲に拡大した場合、森林は周辺部から再生しなくてはなりません」と、グレイは言う。「50,000ヘクタール(500平方キロメートル)もの火災では、再生に長いプロセスが必要になります」
原野火災の生態研究者は一般的に、土壌の構造や化学物質を解析して火災の強度を調べる。例えば、赤みがかった酸化鉄があれば、かなり高温の火災だったことがわかる。根の部分や地面に埋もれた種子が生き残っていれば、そこまで強い火災ではなかったことがわかる。
シンプルだが恐ろしい解決策
皮肉なことに、いま北米の西海岸で燃えさかっている山火事は、森林と都市に破壊的な猛威を振るい、危険な煙も出している。だが、それはあとで発生する火災を制御する助けにもなっている。
「大規模な山火事のなかには、かつて起きた山火事の焼け跡に入り込むものがあります。その後どうなるかといえば、火災の勢いが落ちるのです」と、森林生物学者のピーターソンは言う。「これは歴史的にも頻繁に起きていたことです。つまり、わたしたちが望む望まないにかかわらず、これが制御不能な大規模火災で起きていることなのです」
火災を専門とする科学者たちが示す解決策はシンプルだが、恐ろしくもある。それは、消防隊によって制御された山火事を放つことだ。しかも大量にである。
その点で先住民族は正しかった。繰り返し小規模の火災を起こして健全な生態系を維持し、制御できない火災を食い止めていたのだから。
地球温暖化が進むことで干ばつの厳しさが増し、危険な燃焼物が堆積する速度が上がっている。こうしたなか、枯れた草木の除去はますます不可欠だろう。
「わたしたちが目にしていることは、今世紀半ばに見られる光景に比べれば大したことではありません」と、ピーターソンは言う。「そしてもちろん、今世紀半ばをすぎてどうなるのか、まったくわかりません」
https://news.yahoo.co.jp/articles/747d9af4064f295d02c5b1f5f3bb0b8abca15da7

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境界のクリーチャー(5) ワシの精霊

2021-09-01 | アイヌ民族関連
産経新聞 2021年9月1日 2:00
国立民族学博物館教授 山中由里子
鳥と人の属性を併せ持った鳥人は、重力に抗(あらが)って空を飛ぶことができる、憧れの存在である。頭が人で体が鳥、翼の生えた人間、あるいは嘴(くちばし)・鉤(かぎ)爪・羽根など部分的には鳥だが体形が人間といった描かれ方が多い。
大道 雪代撮影
それに対してこの鳥人は、向かって左側が鳥で右側が人間という、珍しい左右非対称の構造になっている。これでは飛べないし、竪琴も弾けないではないか。
マレーシアの先住民族オラン・アスリに属するマー・ムリの人々は、死者の霊魂が動物や植物などとして生まれ変わると信じ、その精霊をこうした彫像や仮面に彫り、祖先を祀(まつ)る儀礼で使うという。これはワシの精霊を表している。
この彫像を見て、モンスター・デザイナーの長谷川朋広さんが、左右非対称の合成獣は、フィギュアや立体CG(コンピューターグラフィックス)では実は作りにくいという話をされた。同じ部位なのに途中で形態が変わるというのは、2次元静止画であればなんとか辻褄(つじつま)を合わせられるが、3Dで、しかも動かすとなると、極めて難しいのだそうだ。
なるほど、この彫像も嘴から鼻口へと移行する境目に、ちょっと無理がある。生まれ変わる途中の一瞬をとらえたような、独創的な形である。
(1987年収集、マレーシア、木製、79×23×18センチ、国立民族学博物館蔵)
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO75299440R30C21A8BC8000/?unlock=1

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イゲ州知事「ハワイ観光来ないで」 感染者の大半はハワイ州民

2021-09-01 | 先住民族関連
newspherenewsphere Aug 31 2021
◆親族間などコミュニティ感染が7割
 ハワイなど離島で疫病の感染拡大が起こると、真っ先に疑われるのは州外から来た観光客だ。しかし今回の感染拡大は観光客が原因ではなく、州外に旅行して感染し、ハワイに帰ってから感染源となったハワイ州民である。観光客の大多数はハワイ到着前にワクチンを接種しているか、または新型コロナ検査の陰性結果を所持している。しかも、いまのハワイではとくに、観光客が地元住民と密に接するという状況はほぼないため、観光客から地元住民にウイルスが感染して広がったというシナリオは考えにくい。
 ホノルル・スターアドバタイザーによると、ハワイ州のデヴィッド・イゲ州知事は、感染拡大による規制によって、レストランなどで接客可能な人数が限られていることなどから「いまはハワイを訪れるのに良い時期ではない」と言い、観光客にハワイに来ないよう勧めた。しかし同知事は同時に、感染拡大原因の大半は、ハワイ州外で感染して帰宅し、地元コミュニティーで感染を広げたハワイ州民であるとも述べている。
 ハワイ保健局によると、今回の感染拡大は親族や友人間などの「コミュニティ感染」が68%を占めているという。その他25%が不明または調査中、6%が住民の旅行関連、住民以外の旅行者関連はたったの1%である。おそらく、他州・外国に行ったハワイ住民がウイルスに感染して、その後コミュニティ感染が広がった、あるいは他州・外国からハワイの親族を訪れた人を介して広がったというシナリオだろう。ハワイでは文化や住宅事情により、3世代にわたる大家族が一つ屋根の下で暮らすことも多いのである。
◆ハワイ先住民の感染者が最多に
 同局の統計によると、今回の感染拡大で最多の感染者を出しているのがハワイアン系(ハワイ先住民)で、感染者全体の23%を占めている。次に白人系で20%、フィリピン系が19%、サモアやミクロネシアなど「パシフィック・アイランダー」と呼ばれる太平洋諸島出身者が16%と続いている。ハワイ州人口の15%を占める日系人の感染者数は全体の6%で人口比率にすると最も少ない。「ハワイ」と一口に言っても、各民族で独特の慣習やライフスタイルがあり、ハワイアンや太平洋出身者、フィリピン系は民族のコミュニティー内における人間関係が非常に濃い傾向がある。民族別感染者数の大きな違いは、そんな文化の違いから来ていると言えそうだ。
 しかし、もちろん文化の違いだけではない。ハワイではワクチン接種率も民族間で大きく異なっている。ホノルル・スターアドバタイザー紙(電子版)によると、ハワイでは日系人の71%、白人系の68%がワクチン接種を受けているが、その数がハワイアンは49%に落ちるという。同記事ではまた、フロリダのディズニーワールドに家族旅行をした際に感染し、両親ともに亡くなり、子供たちだけが残されたハワイアンの家庭を紹介している。
 感染拡大がこのまま続く場合、ハワイではまたロックダウン状態に戻る恐れがあるが、ワクチン接種が進み、市中感染が少ない現在、以前のように全員が同じように自粛をして、観光客を締め出しても意味がない。それではワクチンをすでに接種した人にとっては、接種した意味がなくなってしまうからだ。ハワイ州政府や地域のリーダーは今後、感染拡大防止策をはっきりと打ち出し、ワクチン接種に対する抵抗感がとくに強かったり、パンデミックに関する誤情報を信じていたりするコミュニティーのなかで、接種推進努力を行っていく必要があるだろう。
https://newsphere.jp/national/20210831-1/2/

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