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川村カ子ト記念館 23年新設オープン 老朽化で隣接地に

2021-09-11 | アイヌ民族関連
北海道新聞 09/11 05:00

新設する川村カ子トアイヌ記念館のイメージ図(旭川市教委提供)
 【旭川】アイヌ文化の私設博物館「川村カ子(ね)トアイヌ記念館」(旭川市)は10日、老朽化した同館を隣接地に建て替える考えを明らかにした。展示などを充実させ、旭川のアイヌ民族の歴史と文化を保存し伝承する拠点として、2023年7月に開館する計画だ。
 新設する施設は鉄骨造り一部2階建て延べ約380平方メートルで、22年5月に着工予定。現施設で展示している生活道具や木製の船など約500点を移設するほか、新たに古式舞踊のイベントに使える多目的ホールや伝統料理の講習会を開く調理実習室などを設ける。現施設は倉庫としての活用を検討している。
 新設にかかる費用は、国のアイヌ政策推進交付金を見込む。総工費は2億円。記念館の周辺はアイヌ民族が集団で暮らしていた地域であるため、旭川市は「市の財産」として今月下旬、基本設計費など計2100万円を国に申請する。同月末にも認定される見通しで、10月にも設計に着手する考えだ。
 記念館の前身は1916年(大正5年)に開館されたアイヌ文化博物館。現在の建物は木造平屋建て延べ約330平方メートルで、65年に建てられた。記念館の川村久恵副館長は「実現すれば大変ありがたい。アイヌの生きざまなど、感動が呼び起こされるような良い施設になるようにしたい」と話した。(綱島康之)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/588008

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【阪急百貨店うめだ本店】伝統と文化を未来に繋ぐ、クラフトのぬくもりを感じる"文様”にフィーチャー「Necessary for me CRAFT&ART Limited Shop」

2021-09-11 | アイヌ民族関連
時事ドットコム 2021年9月11日(土)
[株式会社阪急阪神百貨店]
アイヌ文様の彫刻や刺繍、北欧のサーミブレスレットなど伝統を今につなぐアイテムが登場
9月8日(水)~28日(火) 阪急うめだ本店 1階 シーズンイベント
「Necessary for me CRAFT&ART 」をテーマに、こころに響くぬくもりと暮らしの彩りを、ファッション雑貨を通して阪急うめだ本店 婦人服飾雑貨が提案する3週間。
 古い記憶を呼び起こす“文様”、民族を育んだ自然の恩恵と畏怖の念から生まれたデザインである“文様”を通し、人の手のぬくもりや、クラフトの豊かさと温かさを感じるクリエーターのアクセサリーや雑貨を 1階 シーズンイベントで紹介します。
WEB特設ページURL: https://bit.ly/3jS0HM6
■阿寒湖アイヌコタンのクリエーターたちによる、木彫や刺繍アイテムを紹介
 文様を木彫や刺繍で、 大切な人を想い、自然と人との関係性を大切にものづくりをしてきたアイヌ民族。阿寒湖アイヌコタンの工芸作家たちは伝統と技術を継承し、受け継いだ技術をより進化させ、新しいものづくりに挑戦してます。今回、木彫りの器、織物のコースターやタペストリー、彫金のアクセサリーなどを販売します。
 WEB特設ページでは、クリエーターの思いや制作風景などを動画でご覧いただけます。
○「CI=KAR-ITA」 作家:渡辺澄夫・床州生・平良秀晴・瀧口健吾

アイヌ語で「わたしたちがー作るー皿」を意味するチカライタ。レストランで使用されていた木皿に、阿寒湖アイヌコタンの4人の木彫作家たちが文様を彫りこむことで新たな息吹を吹き込み、美しい皿へと再生させました。
アイヌ文様の木彫り皿 30,800円
※一点一点、施されている文様や漆の色等の風合いが異なります
○「ART JEWELRY Ague」 作家:下倉洋之(ague)
阿寒湖の名匠の木彫作品から刺激を受けて、幾度となくリメイクを繰り返してきたリング。力強くも精巧な技術によって、爪 、毛並みに至るまで「キムンカムイ(ヒグマ)」の手をリアルに表現。
KIMUN KAMUY ヒグマの手のリング 203,170円  素材:sterling silver
○「タペストリー」 作家:小林慶子
刺繍製品の制作者として数多くの作品を生み出し、北海道アイヌ協会から優秀工芸師の認定を受けた小林慶子によるタペストリー。 長年の経験と豊かな色彩感覚で施される美しい刺繍作品で室内を彩りを。
タペストリー 右から S 4,290円(W約16×H約21cm)・M 6,820円(W約20×H約32cm)
○その他、木彫のバターナイフやトゥムシチャーム、織物のコースターも。
また、「CLASSICS THE SMALL LUXURY」のハンカチにお好きなカラーのアイヌ文様を刺繍できるサービスや、エコバッグやCI=KAR−ITAの付属袋にアイヌ文様を入れるカスタマイズメニューが期間限定で登場。
■伝統的なアクセサリー「サーミブレスレット」、北欧に古くから伝わる絵織りの技法を使ったアクセサリーや、レースの技法を使ったアクセサリーなどご紹介。
 ○フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、ロシアにまたがる北欧ラップランドの先住民族、サーミの人々に伝わる伝統的なアクセサリー「サーミブレスレット」。1600年代から受け継がれた技術と手法を用い、主にトナカイの革、トナカイの角、ピューターという錫の合金を使い、現地の職人がひとつひとつ手作り。
「AINOA」サーミブレスレット 18,150円
○北欧に古くから伝わる絵織りの技法を用いて、1つ1つ丁寧に手織りしたアクセサリー。伝統技術の温かみと、都会的なセンスが混在するデザインが特徴。
「Perunilla Works」 バレッタ 5,390円  ピアス 6,490円
タイトル:「Necessary me CRAFT&ART Limited Shop」
期間:9月8日(水)~28日(火)
場所:阪急うめだ本店  1階 シーズンイベント
企業プレスリリース詳細へ (2021/09/10-19:17)
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000882.000014431&g=prt

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2007年9月13日 先住民族の権利宣言、国連総会で採択

2021-09-11 | 先住民族関連
日本経済新聞 2021年9月10日 14:30

2007年9月13日、国連総会で「先住民族の権利に関する宣言」が採択された。世界で3億7000万人とされる先住民族への差別を禁じ、人権を保障するための包括的な基準で、文化的伝統や慣習を実践する権利、土地や資源に対する権利などを明記。法的拘束力はないものの、各国に「適切な措置」を求めた。
宣言の策定作業は1980年代に始まった。土地や資源など先住民族との間で問題を抱える一部の国々の反対で、実現に長い時間を要した。日本政府は2008年にアイヌ民族を先住民族と初めて認めるなど、各国に政策転換を迫る契機となった。
先住民族の尊重は国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」にも盛り込まれ、企業経営でも重視されつつある。気候変動への懸念が高まり、自然と共生する生活様式の維持も注目を集めている。
(写真は17年、国連で権利宣言採択10周年の演説をするカナダの先住民族代表=AP)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75632660Q1A910C2EAC000/?unlock=1

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ロード、『ソーラー・パワー』収録曲をマオリ語で再録した5曲入りEP配信

2021-09-11 | 先住民族関連
Billboard JAPAN 9/10(金) 9:35配信

 約4年ぶり、3作目となる最新アルバム『ソーラー・パワー』を発表したニュージーランド出身のロードが、同作品の中から計5曲を出生地ニュージーランドの先住民族マオリの言語であるマオリ語で再レコーディングしたEP『Te Ao Marama』を緊急リリースし、全5曲分のリリック・ビデオも同時公開となった。
 最新アルバム『ソーラー・パワー』は、本国ニュージーランドやオーストラリアのアルバム・チャート、米ビルボード・オルタナティブ・アルバム・チャート“Alternative Albums”で初登場1位を記録し、58の国と地域のApple Musicアルバム・チャートでも1位を獲得した。全米・全英アルバム・チャートでもそれぞれ初登場5位、初登場2位を記録している。
 また最新の米VOGUE表紙を飾ったロードが、ブリトニー・スピアーズの「Break the Ice」のカバーとアルバム『ソーラー・パワー』収録曲「Fallen Fruit」のメドレーを披露したエクスクルーシヴ・パフォーマンスもVOGUEにて公開となった。
 さらには、米ビルボード・ロック&オルタナティヴ・ソング・チャート“Hot Rock & Alternative Songs”にて最高位11位を記録している最新シングル「Mood Ring」の日本語和訳付きビデオも公開されている。
 この後、ロードは最新作『ソーラー・パワー』を引っ提げたワールド・ツアー【The Solar Power Tour】を2022年2月に母国ニュージーランドを皮切りに開催する予定だ。
◎リリース情報
EP『Te Ao Marama』
2021/9/9 RELEASE
アルバム『ソーラー・パワー』
2021/8/20 RELEASE
https://news.yahoo.co.jp/articles/628d87203f7ee6a5b3813fdd63f173f3765ede0d

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「アーバン・ベア」書評 行政任せで安心安全は守れない

2021-09-11 | アイヌ民族関連
好書好日 2021/09/11 07:00

「アーバン・ベア」書評 行政任せで安心安全は守れない
「アーバン・ベア」 [著]佐藤喜和
 全国5番目に多い人口195万人を抱える大都市・札幌は原生林が周囲に点在する緑豊かな街でもある。
 私は1980年代、学生時代をこの街で過ごした。市内を流れる豊平川に遡上(そじょう)するサケの調査を手伝う機会を得て、その産卵シーンを間近で観察した感動は今も忘れない。だが、市内にヒグマが出没するというのは当時の感覚ではありえない。
 本書のなかで概観される人間とヒグマの対立の歴史によれば、ヒグマは当時まだ駆逐すべき側にいた。冬眠中のヒグマを春先に捕獲して駆除するという60年代に始まった制度を廃止し、北海道民の共有財産として保護すべき対象に方針転換したのは90年のことだ。
 ところが、90年代以降、農地への出没が増え、被害は増加の一途をたどる。2010年ごろからは都市近郊にも姿を見せるようになり、札幌では遡上したサケをヒグマが食べるという現象が起きてもおかしくないようだ(これはこれで観光資源としての可能性を秘めている)。共生すべき野生動物でありながら、許可されての駆除が18年度には過去最多の879頭に上るという矛盾も起きている。
 動物学者である著者が描写するヒグマの生態はどこまでも魅力的で愛情にあふれる。ただ、市街地に出没する個体の駆除はやむなしとの立場だ。「麻酔銃で捕獲して奥山に放せばよい」「施設で飼育できないか」といった意見の非現実性についても丁寧に説明する。随所に登場する「ウエンカムイ(=悪い神)」という言葉に象徴されるアイヌのヒグマ観が実は根底にあることがうかがえる。
 著者の提唱する共生のためのモデルの核心は「行政任せのヒグマ対策では、地域の安心安全は守れない」ところにあるとみた。地域ぐるみで実践すべき活動についても細かく紹介されている。内容は専門的だが、野生動物との付き合い方を考えるうえで多くの示唆を与えてくれる一冊だ。
    ◇
さとう・よしかず 1971年生まれ。酪農学園大教授(野生動物生態学)。分担執筆した本に『ヒグマ学入門』など。
https://news.goo.ne.jp/article/book_asahi/trend/book_asahi-14437846.html

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【片桐仁のアートっかかり!】一木造りで彫り上げる超絶技巧に驚愕!『木彫り熊の申し子 藤戸竹喜』

2021-09-11 | アイヌ民族関連
ぴあ 9/10(金) 12:13配信

父のもと12歳から木彫りの道へ
芸人・俳優としてテレビや舞台、ラジオなどで活躍する一方で、粘土作品を作り、個展を開催するなどアーティストとしても知られる片桐仁さん。ガンダムからゴッホまで広くアートを愛する片桐さんが、ときに展覧会を見に行ったり、アーティストに話を聞いたりしながら、アートの魅力をユニークな視点でお伝えしていきます。「“アートってちょっと難しい”と思っている方が、アートを楽しむ『とっかかり』になりますように!」(片桐さん)[ぴあアプリ「片桐仁のアートっかかり!」より転載]
今回、東京ステーションギャラリーで開催中の『木彫り熊の申し子 藤戸竹喜』(9月26日(日)まで)。北海道で活躍した藤戸竹喜と、その驚くべき技巧について東京ステーションギャラリー館長の冨田章さんに解説していただきました。
片桐 展示室に入った瞬間、熊がいっぱいです。すごい迫力!
冨田 藤戸竹喜は、お父さんがアイヌの木彫り熊職人で、彼も12歳からお父さんの下で熊彫りをはじめました。自身が阿寒湖畔で営むお土産店「熊の家」で木彫り熊を作って売っていた。そのため、美術業界とはほとんど縁のない人だったのです。
片桐 12歳から! すごいキャリアだ。熊の木彫りって北海道土産の定番というイメージでした。とはいえ、こんなに生き生きした熊がいたとは。
冨田 明治以降、日本政府の政策の影響でアイヌの人たちは自由に猟ができなくなり、かといって他の職業に就くことも難しかった。生き抜くために、ある人は民族衣装を着て踊りを披露し、ある人は祭祀の道具を作るための木彫りの技術を生かして、土産物を作って売るようになる。熊はアイヌにとっては神様でもあるので、よく彫られていたようです。これが、北海道土産の定番になっていったのですね。
片桐 熊の木彫りにはそんな歴史があったんですね。
冨田 2017年に出張で札幌に行く機会があったのですが、そのとき偶然訪れた札幌芸術の森美術館で、藤戸竹喜の展覧会をやっていて、なんとなく入ったのですが、その素晴らしさに二つのショックを受けました。一つは彼の作品そのもの、そしてもう一つは、こんなすごい人を自分が今まで知らなかったということ。これは東京で紹介しなくては、と思いました。
片桐 たしかにこの表現力はすごい。眼力も強いし。
冨田 木彫りの熊って、実は作る人によって全然違うものです。左前足を上げて敵を威嚇するこのポーズは、藤戸が編み出したオリジナル。この部屋の作品は若い頃のものなので、このあとの熊はさらに熟練されていきますよ。
そして藤戸がすごいのは、一切デッサンやスケッチをしないこと。習作も作らない。彼の作品はほとんどが1本の木から作られた、いわゆる一木造りの彫刻なのです。しかも、木材にアタリもつけず、いきなり彫り進めていく。この《群熊》や《熊と葡萄のレリーフ》も太い幹を彫って作ったものです。
片桐 「私の手はその形を石の中から取り出してやるだけ」って、ミケランジェロが言ってましたけど、藤戸さんも木のなかに熊を見ていたのかな。すごいなー。
冨田 実際、藤戸も「木を見ていると、なかから姿が出てくる」って言っていたそうです。
<熊以外の動物や人物を彫るようになったきっかけ>
冨田 そんな彼の実力に注目した地元の人が、ある日彼に観音像の制作を依頼しました。藤戸は熊以外のモチーフをほとんど彫ったことがなかったので悩みましたが、お世話になった方なので引き受けることにしました。関西に一週間滞在して、いろいろな仏像を見て回り、もちろん描き止めることはせず、記憶だけを頼りに半年かけて制作したのがこの観音像です。制作の最終段階では、ずっと小屋にこもって作っていたそうです。
片桐 独特の存在感! 京都や大阪の仏像と佇まいが全然違う。宝冠や光背も独特ですね。指の形とかも個性的です。
冨田 この作品がきっかけとなって、藤戸は熊以外の動物や人物も彫るようになり、創作の幅がグッと拡がっていきました。
片桐 アイヌの衣装の細かいところまで描写していますね。そして鹿も彫るようになった。しかもこれも一木造りだというのだからすごい。大きな丸太からここまで彫り進めてるわけですよね。すごいなあ。
冨田 藤戸は、自分で木彫り熊を制作していただけではなく、北海道各地の木彫り熊をコレクションしていました。北海道の木彫り熊はアイヌ民族が彫った旭川、スイスの土産物を参考に始められた八雲の2つのルーツがあり、相互に刺激を与えあってたそうです。
片桐 こうやって、他の人の木彫り熊を見ると、やっぱり作り手の個性が見えてきますね。いままでは全部同じに見えていました。おもしろいなあ。
冨田 そして、藤戸はこんなものも制作しています。
片桐 自在置物だ。藤戸さんはこういったこともするのですか!
冨田 1990年代のある時期、藤戸は海の生物を数多く制作しています。基本一木造りなのですが、これらの作品に関してはパーツごとに彫って組み合わせてます。ヤシガニは沖縄から生きたヤシガニを取り寄せ、観察しながら作っていました。
片桐 木でこれをやってしまうんだ。この殻の質感とかも真に迫っています。
冨田 いまも超絶技巧な作品を作る人も、一木造りで作品をいる人もどちらもいます。でも、両方やる人はいませんし、しかも藤戸のようにどちらも完璧にできてしまう人は存在しない。
驚くほどにリアル!熊や人物の大作たち
片桐 そして、この熊。ポスターにもなっている熊ですね。全身の毛の流れがすごい。柔らかそうで触りたくなってくる。これも計算なしで彫り進めているわけですよね。
冨田 ホテルのロビーに置くために注文されていたもので、ニスを塗った台座も一体になっている一木造りです。
片桐 これがロビーにあったらみんな写真撮りたくなっちゃうだろうなあ。迫力ある。
冨田 そして、リアルな人物像も彫るようになっていきます。
片桐 このアイヌの人達もすごく細やか。手の節や血管、肌部分の彫りがすごい。シワやたるみまで彫ってるんだ。服もすごい。アイヌ刺しゅうの質感もしっかり出てるし。この人物像は木目も相まってすばらしい。なんでも彫れてしまう人なんですね。
冨田 なんでも彫れる藤戸ですが、狼については満足のいくものが彫れたのは70歳を過ぎてからと言っています。
片桐 狼?
冨田 藤戸は子どものころ、北海道大学の植物園でお父さんとエゾオオカミの剥製を見たことがあったんですが、お父さんに「狼を彫りたい」と言ったそうなんです。そのときに、お父さんから返ってきた言葉が「熊も満足に彫れないのに狼を彫るとはなにごとか!」。
片桐 僕たちからすると熊を彫るのと狼を彫るのと、どっちが難しいのかわかんないですけどね。
冨田 で、先程の観音像を完成させた後、ようやく狼を彫れるようになりました。
片桐 思い入れがあったんですね。
冨田 藤戸は狼を彫るときは、長年地中に埋まっていた木材「埋もれ木」を好んで使っていました。こちらの3つの作品とも埋もれ木なのですが、一番左が埋もれ木の風合いがわかりやすいかもしれません。
片桐 少しくすみがかかった色合いなんですね。彫る題材によって素材を変えることもあるのか。
<晩年に取り組んだ連作〈狼と少年の物語〉>
冨田 2017年に、藤戸は札幌芸術の森美術館で大規模な展覧会を開くのですが、この展覧会に先立って制作されたのが、19点からなる連作〈狼と少年の物語〉です。アイヌ民族の赤ちゃんが両親とはぐれ、狼に育てられるというもので、藤戸がずっと心のなかで温めていた物語です。
冨田 エゾオオカミは開拓とともに駆除されてしまったわけなんですけれど、その絶滅の歴史もなぞっています。
片桐 70歳をすぎてようやく満足のいく狼が彫れるようになって、そしてその狼で連作を作る。相当な思い入れがないとできないことですよね。
冨田 そして、こちらが絶作。
片桐 この荒彫りから、毛流れをつけて細かく仕上げるつもりだったのでしょうね。左足もまだ彫られていない。
冨田 藤戸は体調を崩して入院することになったんですが、その直前まで元気で、あえて作りかけでこちらをアトリエに置いていきました。戻ってきて仕上げるつもりだったのでしょうね。
片桐 最初から最後まで、藤戸さんの技巧に驚かされっぱなしの展覧会でした。木彫って、彫りすぎるとリカバリーすることができないから、本当に難しいと思うんですよ。わずかな失敗で全体が狂ってしまう。なのに、藤戸さんはデッサンもしないし、いきなり彫りはじめてしまう。頭の中にビジョンがしっかりできているんでしょうね。とても楽しい展覧会でした。ありがとうございました!
構成・文:浦島茂世
https://news.yahoo.co.jp/articles/d6b346eab94b4f22097bf3763d7f48cfb068e2be

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『ゴールデンカムイ』最新話まで全話無料で公開中(9/17終了)

2021-09-11 | アイヌ民族関連
電撃オンライン 2021年09月10日(金) 18:50
 週刊ヤングジャンプの漫画アプリ『ヤンジャン!』で、野田サトルさんの『ゴールデンカムイ』が9月17日までの期間限定で完全無料公開中です。
実施期間:7月29日(木)~9月17日(金)

『ゴールデンカムイ』
 “不死身の杉元”。
 日露戦争での鬼神の如き武功から、そう謳われた兵士は、ある目的の為に大金を欲し、かつてゴールドラッシュに沸いた北海道へ足を踏み入れる。
 そこにはアイヌが隠した莫大な埋蔵金への手掛かりが!?
 立ち塞がる圧倒的な大自然と凶悪な死刑囚。そして、アイヌの少女、エゾ狼との出逢い。
 “黄金を巡る生存競争”開幕ッ!!!!
また、アプリ『ヤンジャン!』なら週刊ヤングジャンプ最新号が最速で読むことができます。いち早く読みたい方はアプリのダウンロードをおススメします!
『ヤンジャン!』公式サイトはこちらhttps://ynjn.jp/
https://dengekionline.com/articles/95332/

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旅と移動・世界×文化(10)サハリン「辺境」を問い直す(長谷川章)

2021-09-11 | 先住民族関連
秋田魁新報 2021年9月10日

 サハリンは北海道の北にあり、日本から一番近いロシアと言える。だが、この島は日露の間で複雑に帰属が変わった。明治以降、両者の境界未確定期から帝政ロシアの全島領有へ、日露戦争を経ての南部の日本割譲、さらには第2次大戦でのソ連の再占領と推移する。その間ずっと日露にとってこの島は自国の「辺境」として扱われた。
 例えば、ロシアでは境界未確定期から囚人入植が推進され、サハリンは本土から分離した流刑の島になっていく。1890年、作家チェーホフは流刑囚の実態調査を決意し当地へ渡る。シベリア鉄道建設以前、旅は困難の連続だったが、彼の『サハリン島』(1895年)は残酷な体罰や売春が横行する辺境流刑地の荒廃を摘発する優れたルポルタージュとなった。
 その後、南部は日本の樺太(からふと)庁になる。そこは日本本土にとっても「辺境」だった。北原白秋は1925年に当地を旅し、紀行文『フレップ・トリップ』(1928年)を刊行する。だが、これは手放しで称賛できるような作品ではなかった。現地の風物を次々取り上げる白秋の視線からは、北方の「辺境」を遅れた貧しい場所とする差別的態度が随所で透けて見える。
 ◇  ◇
 このように日露双方でこの島は本土の優越を前に「悲惨な」辺境の位置に置かれることになった。実際のサハリンには当然さまざまな魅力があるのだが、それとは別に、現代ロシアでもこの日露双方のイメージを意識した小説が登場する。
 ヴェルキン『サハリン島』(2018年)は、世界全面核戦争で唯一文明国として生き残った日本が「大日本帝国」を復活させ、サハリンを属領とするSFである。主人公は日本に育った数少ないロシア人女性で、学術調査で無法地帯と化したサハリンへ潜入する。映画『マッドマックス』も連想させる暴力に満ちた本編の設定は、帝政ロシアとサハリンの関係を大日本帝国と樺太の関係に転換させたものとも言える。
 だが、ここでの差別描写は評価が分かれる。小説で日本人は特権的存在であり、他のアジア人は残忍な迫害を受けている。このような設定をした理由は、人間の差別感情の本質をあぶり出すためとも推察できる。だがロシアにも差別は当然あるのに、なぜ日本の差別構造に仮託したのかという疑問は残る。
 ◇  ◇
 日露の支配の歴史では、サハリンは確かに悲劇を重ねた島である。日本側の樺太では、第2次大戦末期のソ連軍占領で居留民は凄惨(せいさん)な体験を強いられた。日本人や樺太アイヌは島から北海道へ移住を余儀なくされ、徴用などで移っていた朝鮮人は戦後も当地に取り残されることになった。
 他方、チェーホフ以降のロシア側はどうだったのか。最後に先住民族の立場から書き続けているニヴフ人作家のサンギについて紹介したい。
 ニヴフ(旧称ギリヤーク)は大陸側とサハリンで狩猟漁猟を生業としてきた(現人口は約4500人)。サハリン北部出身のサンギがロシア語で書いた『ケヴォングの嫁取り』(1977年)は帝政末期が舞台の長編だ。川の上流部に暮らすニヴフの一族を中心に、銃・ウオッカ・毛皮・漁業・シベリア鉄道延伸などの経済史的観点を織り込みながら、ロシア極東の激変をダイナミックに描いている。
 主人公たちは奥地に取り残されたまま、外部から伝統を崩されていく。だが、サンギは一族の窮乏をただ描いたのではない。作家は、自身の側のローカルな世界を、外部のロシア人や他の少数民族の世界と多面的に対峙(たいじ)させる。そうすることでローカルな視点から飛翔(ひしょう)し、悲劇の本源が何かが全体像として鮮明に浮かび上がるのである。
 サンギのように、文学によって少数者の立場から申し立てができるのだと知ることは、一種の希望である。そもそもどんな位置にいても、個人は「全体」から見れば「辺境」のような個別の場所に置かれている。サンギを読むと、私たち個々人が自らの「辺境」から出発する上で、多大なインスピレーションを与えてくれるように思えるのだ。
【はせがわ・あきら】1962年仙台市生まれ。秋田大学教育文化学部教授(ロシア文学・映画論)。主な著作に「スターリン期映画のフォルマリスト的瞬間」(『再考 ロシア・フォルマリズム』)、「三丁目の「ソ連」ソヴィエト・アニメと現代からの眼差し」(『ロシア文化の方舟』)、『プログレッシブ ロシア語辞典』(共編著)など。
https://www.sakigake.jp/news/article/20210910AK0019/

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鴨川シーワールド エトピリカのヒナが8月11日にふ化

2021-09-11 | アイヌ民族関連
PRTIMES 2021.9.10 14:32
グランビスタ ホテル&リゾート
 2ヶ月後の巣立ちに向けてすくすくと成長中!
 http://www.kamogawa-seaworld.jp/aquarium/aquarium_info/etupirka.html

 株式会社グランビスタ ホテル&リゾート(本社:東京都千代田区、代表取役社長:須田貞則)の基幹施設である鴨川シーワールド(千葉県鴨川市、館長:勝俣浩)では、2021年8月11日にふ化したエトピリカのヒナがすくすくと成長しています。
 生後1ヶ月を迎えたエトピリカのヒナの体重は約500gで、性別はまだわかりません。1日に3回、飼育員の手からエサの魚を食べて、日に日に成長をしています。ヒナは全身がふわふわの黒い綿羽におおわれ、特徴であるくちばしは、親鳥が幅広で色鮮やかなオレンジ色をしているのに対し、細長く黒っぽい色をしています。普段はポーラーアドベンチャー「ピリカの森」に設置した巣箱の中で親鳥とともに1日を過ごしています。
 現在はまだヒナの愛らしい姿を見ることはできませんが、生後約2ヶ月で巣立ちをし、巣箱の外に出て他の成鳥たちと共に生活をはじめるため、10月上旬頃にはお客様にお披露目する予定です。
【エトピリカについて】
 英名:Tufted puffin 学名:Lunda cirrhata
 ウミスズメ科に属する海鳥。北太平洋に広く分布し、成長すると体長約40cmになる。黒い体とオレンジ色の大きなくちばしが特徴で、繁殖期には頭に黄色い飾り羽が生える。和名はアイヌ語のエト(くちばし)、ピリカ(美しい)に由来する。
■グランビスタ ホテル&リゾートについて
 グランビスタ ホテル&リゾートは、北海道で初めての本格的洋式ホテルとして誕生した北の迎賓館・札幌グランドホテルを有し、全国各地にシティホテル、ビジネスホテル、温泉旅館、総合海洋レジャー施設、ゴルフ場、ハイウエイレストランなどの施設運営を通じ、ホテル運営受託事業を展開、地域とともに歩んでいます。
 企業名:株式会社グランビスタ ホテル&リゾート
 所在地:東京都千代田区内神田2-3-4 S-GATE大手町北5F
 創立 :1958年8月27日
 資本金:1億円
 代表取締役社長:須田 貞則
 TEL :03-5209-4121 (代表)
 URL :http://www.granvista.co.jp/
 Facebook:https://www.facebook.com/granvista.co.jp
 ≪施設一覧≫ 札幌グランドホテル / 札幌パークホテル / 熊本ホテルキャッスル(提携施設) / ホテルインターゲート京都 四条新町 / ホテルインターゲート東京 京橋 / ホテルインターゲート広島 / ホテルインターゲート金沢 / ホテルインターゲート大阪 梅田(2021年4月開業) / 銀座グランドホテル / ホテル・ザ・ルーテル / 京町家 京都二条 さわら木の宿 / 京町家 京都ぎをん 八坂の宿 / 白良荘グランドホテル / ホテルゆもと登別 / 鴨川シーワールド / 鴨川シーワールドホテル / 神戸市立須磨海浜水族園(指定管理) / 苫小牧ゴルフリゾート72 / 佐野ハイウエイレストラン / 足柄ハイウエイレストラン / 大津ハイウエイレストラン
 ■鴨川シーワールド概要
 名称 :鴨川シーワールド
 所在地:〒296-0041千葉県鴨川市東町1464-18
 TEL  :04-7093-4803
 開業 :1970年10月1日
 休館日:不定休
 入館料:大人 3,000円、小人(小学生・中学生) 1,800円
 幼児(4歳以上) 1,200円、60歳以上の方 2,400円
 URL :http://www.kamogawa-seaworld.jp
 Facebook:https://www.facebook.com/kamosea
 Twitter:https://twitter.com/kamoseaOfficial
 800種11,000点の海の動物を展示。海の王者シャチをはじめ、イルカ、アシカ、ベルーガ4つの動物パフォーマンスが人気!ご家族や友人、そして大切な人とともに、海の仲間たちとの楽しい癒しのひと時をお楽しみください。
https://www.iza.ne.jp/kiji/pressrelease/news/210910/prl21091014320411-n1.html

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編集者のおすすめ 「重要証人 ウイグルの強制収容所を逃れて」 弾圧の残虐さ世界に伝える

2021-09-11 | 先住民族関連
産経ニュース / 2021年9月11日 8時0分
『重要証人 ウイグルの強制収容所を逃れて』
中国北西端の新疆(しんきょう)ウイグル自治区で行われている民族弾圧。本書に書き記された実態は戦慄すべきものでした。
著者のサウトバイさんは、この地に生まれ育ったカザフ人女性。医師であり教師であり、2人の子をもつ母親です。この地にはウイグル人をはじめカザフ人、キルギス人などさまざまな民族が先祖代々暮らしてきましたが、大戦後、人民解放軍の軍事侵攻で中国に組み入れられました。
中国政府は先住の異民族に対するさまざまな弾圧を進めてきました。固有の言葉を禁じ、伝来の文化や宗教を破壊していきます。2016年にはチベット大弾圧を敢行した人物が派遣されて強権的な監視や尋問が始まり、各所に再教育施設と称する「収容所」が数多く設置されます。
著者はある日、収容所に連行され、収容者に対する中国語教育を命じられます。収容者たちは少女から老人まで、衰弱しきったその姿はまさに「生けるしかばね」でした。 本書につづられたのは自ら経験し、自らの目で見た事実。だからこそ、この絶望的な現実が圧倒的な力で迫ってきます。当局の隙をついて命がけで国境を越えた著者は、隣国カザフスタンに逃げ込み、その地の法廷でウイグルの実態を証言します。この証言は世界に衝撃をもって広がりました。
なおも続く脅迫に怯(ひる)むことなく「ここで行われている残虐な行為を外の世界に伝えるのだ」という勇気ある決意を、ひとりでも多くの方に受け止めていただきたいと思います。
(草思社編集部 藤田博)
https://news.infoseek.co.jp/article/sankein__value_world_T4E66PUSOZLPFMXLXYWW3XVM3U/

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