北海道新聞 09/04 05:00
菅義偉首相の突然の退陣表明を受け、道内のアイヌ民族からは落胆と批判の声が上がった。
「アイヌ民族の人権回復を進めてくれた菅さんが、首相を退くのは非常に残念だ。菅さんなくして、アイヌ政策が進むことはなかったと思う」。北海道アイヌ協会の加藤忠常務理事(82)=胆振管内白老町=は動揺した様子でそう話した。
首相は安倍晋三前政権の官房長官として、アイヌ民族を法律で初めて先住民族と位置づけ差別を禁じたアイヌ施策推進法(アイヌ新法)制定や、白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」開設を推進した。加藤常務理事は「首相交代で、これまでの政策の積み重ねが後退しないか心配だ。次の首相にも、アイヌ民族に寄り添う姿勢を見せてもらいたい」と求めた。
一方、首相自身が政権トップに就いて以降は、アイヌ政策での目立った発信は乏しかった。日高管内平取町の「平取アイヌ遺骨を考える会」の木村二三夫共同代表(72)は「研究目的で大学などに収集された祖先の遺骨の返還や漁業権の回復など課題は山積している。首相への期待が大きかった分、1年足らずでの辞任は無責任だと言わざるを得ない」と話した。(金子文太郎、田鍋里奈)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/585648
菅義偉首相の突然の退陣表明を受け、道内のアイヌ民族からは落胆と批判の声が上がった。
「アイヌ民族の人権回復を進めてくれた菅さんが、首相を退くのは非常に残念だ。菅さんなくして、アイヌ政策が進むことはなかったと思う」。北海道アイヌ協会の加藤忠常務理事(82)=胆振管内白老町=は動揺した様子でそう話した。
首相は安倍晋三前政権の官房長官として、アイヌ民族を法律で初めて先住民族と位置づけ差別を禁じたアイヌ施策推進法(アイヌ新法)制定や、白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」開設を推進した。加藤常務理事は「首相交代で、これまでの政策の積み重ねが後退しないか心配だ。次の首相にも、アイヌ民族に寄り添う姿勢を見せてもらいたい」と求めた。
一方、首相自身が政権トップに就いて以降は、アイヌ政策での目立った発信は乏しかった。日高管内平取町の「平取アイヌ遺骨を考える会」の木村二三夫共同代表(72)は「研究目的で大学などに収集された祖先の遺骨の返還や漁業権の回復など課題は山積している。首相への期待が大きかった分、1年足らずでの辞任は無責任だと言わざるを得ない」と話した。(金子文太郎、田鍋里奈)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/585648