北海道新聞 09/26 05:00
自民党総裁選に立候補した岸田文雄前政調会長は25日、北海道新聞の書面インタビューに答え、ロシアとの北方領土交渉で、北方四島の帰属問題を解決して平和条約を締結するとした政府の基本方針を「外交の一貫性としても継続する」と語った。1956年の日ソ共同宣言を交渉の基礎に位置付け事実上の歯舞、色丹の2島返還路線に転換した安倍晋三前首相の方針を継承するかどうかは回答しなかった。
岸田氏は、安倍氏の対ロ外交を「北方四島での共同経済活動を含め、評価している」と指摘。共同経済活動を巡る日ロ間の協議は停滞しているが、「幅広い分野で日ロ関係全体を発展させ、北方領土問題の解決を図っていく」と訴えた。
アイヌ民族政策に関しては、法律で初めて先住民族と位置付け差別を禁じたアイヌ施策推進法に触れ、「引き続きアイヌの人々の民族としての誇りが尊重され、社会的・経済的な地位の向上が図られる社会の実現を目指す」と述べた。
9条への自衛隊明記など党の憲法改正案4項目については、新総裁に選出されれば「任期中に国民的な議論を前に進め、改正のめどを付けるべく取り組みたい」と強調した。(玉邑哲也)
岸田文雄前政調会長との一問一答は次の通り。
――日ソ共同宣言を平和条約締結交渉の基礎に位置付けた方針を引き継ぐか。
「(同宣言には触れず)北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとのこれまでの政府の基本方針を、外交の一貫性としても継続する」
――地方創生は。
「第5世代(5G)移動通信システムの導入やテレワーク、自動運転などで、都市部との距離を克服する『デジタル田園都市国家構想』を実現したい」
――全国で停止中の観光支援事業「Go To トラベル」の今後は。
「新型コロナウイルス感染症がある程度落ち着いた時期に、ワクチン接種証明などと組み合わせ、大手だけでなく中小業者にも、お金が回るように制度設計した『Go To 2・0』を実行に移す」
――物価上昇率2%を早期に達成する目標に関し、変更や廃止を検討するか。
「引き続き、目標は維持したい」
――年金制度の考えは。
「厚生年金と国民年金の格差がある中で、厚生年金の適用拡大を進めることで、働き方と関係なく充実したセーフティーネットを受けられるようにする」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/593049
自民党総裁選に立候補した岸田文雄前政調会長は25日、北海道新聞の書面インタビューに答え、ロシアとの北方領土交渉で、北方四島の帰属問題を解決して平和条約を締結するとした政府の基本方針を「外交の一貫性としても継続する」と語った。1956年の日ソ共同宣言を交渉の基礎に位置付け事実上の歯舞、色丹の2島返還路線に転換した安倍晋三前首相の方針を継承するかどうかは回答しなかった。
岸田氏は、安倍氏の対ロ外交を「北方四島での共同経済活動を含め、評価している」と指摘。共同経済活動を巡る日ロ間の協議は停滞しているが、「幅広い分野で日ロ関係全体を発展させ、北方領土問題の解決を図っていく」と訴えた。
アイヌ民族政策に関しては、法律で初めて先住民族と位置付け差別を禁じたアイヌ施策推進法に触れ、「引き続きアイヌの人々の民族としての誇りが尊重され、社会的・経済的な地位の向上が図られる社会の実現を目指す」と述べた。
9条への自衛隊明記など党の憲法改正案4項目については、新総裁に選出されれば「任期中に国民的な議論を前に進め、改正のめどを付けるべく取り組みたい」と強調した。(玉邑哲也)
岸田文雄前政調会長との一問一答は次の通り。
――日ソ共同宣言を平和条約締結交渉の基礎に位置付けた方針を引き継ぐか。
「(同宣言には触れず)北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとのこれまでの政府の基本方針を、外交の一貫性としても継続する」
――地方創生は。
「第5世代(5G)移動通信システムの導入やテレワーク、自動運転などで、都市部との距離を克服する『デジタル田園都市国家構想』を実現したい」
――全国で停止中の観光支援事業「Go To トラベル」の今後は。
「新型コロナウイルス感染症がある程度落ち着いた時期に、ワクチン接種証明などと組み合わせ、大手だけでなく中小業者にも、お金が回るように制度設計した『Go To 2・0』を実行に移す」
――物価上昇率2%を早期に達成する目標に関し、変更や廃止を検討するか。
「引き続き、目標は維持したい」
――年金制度の考えは。
「厚生年金と国民年金の格差がある中で、厚生年金の適用拡大を進めることで、働き方と関係なく充実したセーフティーネットを受けられるようにする」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/593049