先住民族関連ニュース

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9月に体験型観光サミット 十勝でも開拓歴史ツアー 関係者ら企画内容確認

2023-06-14 | アイヌ民族関連
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北海道新聞2023年6月13日 22:55

モニターツアー参加者が鑑賞したアイヌ古式舞踊(加藤哲朗撮影)
 9月に道内で開催される体験型観光の国際イベント「アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミット」に先立ち、十勝管内でも関連イベントに向けた準備が進む。管内ではサミット終了後に海外の観光事業者らを招き、開拓の歴史に触れるツアーを予定。今月13日までの4日間は、関係者がモニターツアーを行い、企画の内容を確認した。
 サミットは9月11~14日、札幌市を主会場にツアーや商談会を開催。約60カ国から観光関係者800人ほど集まる見込みで、道内の魅力発信の好機とされる。引き続き15~18日は十勝のほか、上川、釧路、宗谷の4地域で関連行事の「ポストサミット」が行われる。
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(西山花音、鈴木宇星)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/861040/

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日高山脈襟裳の国立公園指定を各町歓迎 地権者と協議難航の様似は複雑

2023-06-14 | アイヌ民族関連
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北海道新聞2023年6月13日 21:45
 環境省が「日高山脈襟裳国定公園」を2024年内に国立公園に指定すると13日発表したことで、日高管内の各町からは歓迎の声が上がった。一方で、経済活動への影響を懸念する地権者との協議が難航して、見切り発車とも見える形となった様似町は「地権者を守ることが第一」としながらも「できれば一斉に指定してほしい」(荒木輝明町長)と複雑な思いをのぞかせた。
 環境省の発表について、新ひだか町の大野克之町長は「国立公園になれば、新たな事業者の進出や新事業の展開も期待されるので、指定時期は早い方が地域にとっても良い」と歓迎する。日高山脈の最高峰、幌尻岳がある平取町の遠藤桂一町長は「指定時期が見えたのは一つの進展。幌尻岳の登山ルートが確保されているので、登山客の利用促進やアイヌ文化と関連づけた情報発信に向けて準備を進めたい」と話した。
 日高町の大鷹千秋町長は「当初予定から2年以上経過した中で指定の期限を切るのはやむを得ない。キャンペーンやPR活動を通して国立公園化を周知していきたい」、新冠町の鳴海修司町長は「指定に向けて具体的になってきた。町民からも(国立公園化を)望む声があり、町としては大歓迎」と話した。浦河町の池田拓町長は「待ち望んでいた。交流人口、関係人口増加のきっかけになるよう頑張りたい」と期待した。
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https://www.hokkaido-np.co.jp/article/860972/

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道内の外国人、観光案内人に 北海道の歴史学ぶ養成講座

2023-06-14 | アイヌ民族関連
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北海道新聞2023年6月13日 20:07(6月13日 23:14更新)

初回の講座を受ける道内在住の中国人受講生
 道内外の商工業者などでつくる日中共同発展推進協会(札幌、会長・中田博幸元札幌市副市長)は13日、道内に住む外国人を対象にした「訪日観光案内人養成学院」を開講し、初回の講座を開いた。道内の訪日客が回復する中で、中国語やベトナム語などで北海道の歴史や文化を伝えられる人材を養成する狙い。
 講座は11月まで全10回を予定。北海道の歴史がテーマで、食文化や北前船の成り立ち、縄文やアイヌの文化を学び、小樽や民族共生象徴空間(ウポポイ、胆振管内白老町)での現地研修も行う。
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(田中華蓮)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/860903/

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先住民族文化と観光のあり方は 阿寒湖温泉でワークショップ 釧明輝高・広野さん、NZ研修報告

2023-06-14 | アイヌ民族関連
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北海道新聞2023年6月13日 19:54

ニュージーランド研修での体験について語る広野大地さん
 【阿寒湖温泉】世界各地の先住民族の文化と観光のあり方を学ぶワークショップが、釧路市阿寒町阿寒湖温泉の緑町生活館で開かれた。ニュージーランド(NZ)を研修旅行で訪れた釧路明輝高3年の広野大地さん(17)が、現地の学校で交流した様子などを紹介。海外の伝統文化の無断利用などの課題についても報告された。
 阿寒湖温泉でフィールドワークをしている研究者5人と、阿寒アイヌ協会、一般社団法人「阿寒アイヌコンサルン」の共催で、10日に初めて開き、地域住民ら約40人が参加した。
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(田鍋里奈)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/860891/

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「北のシルクロードと蝦夷錦」 中国と日本の交易ルートの歴史を紹介 オホーツクミュージアムえさしで6月25日まで

2023-06-14 | アイヌ民族関連
美術展ナビ2023.06.14

令和5年度宗谷管内巡回展 北のシルクロードと蝦夷錦 炭素14年代測定で明かされた蝦夷錦の制作年代
会場:オホーツクミュージアムえさし(北海道枝幸郡枝幸町三笠1614‐1)
会期:2023年6月1日(木)~2023年6月25日(日)
開館時間:午前9時~午後5時
観覧料:無料
公式サイト:https://www.esashi.jp/tourism/page.html?id=87
かつて中国で制作された絹織物で、北海道経由で日本にもたらされた「蝦夷錦」に関するパネル展。
蝦夷錦は中国江南地方で作られ、アムール川を経て間宮海峡や宗谷海峡を渡り、アイヌの手を経て北海道に到達。最終的にはアイヌと松前藩の交易によって本州に入り、江戸時代に日本各地で高級品として珍重されたことがわかっています。この交易路は「北のシルクロード」と呼ばれ、近年研究が進み、注目が集まっています。こうした交易は15世紀初めごろの明代、ないし元代まで遡ることができるとされ、日本では室町時代にあたる時期から北東アジアでは「北のシルクロード」で文物が行きかっていたことになります。
「北のシルクロード」のイメージ図(市立函館博物館作成)
展示は、北海道がダイナミックな文化交流の舞台となっていたことを広く知ってもらおうと実施。函館大学の中村和之教授や市立函館博物館の協力で、蝦夷錦の官服の実物大パネルや、ルートや研究の歴史などを紹介する内容の展示が行われています。パネルは2組あり、もうひとつは利尻富士町カルチャーセンターで展示中。その後、宗谷管内各地を回る予定になっています。
(美術展ナビ編集班 岡部匡志)
https://artexhibition.jp/topics/news/20230613-AEJ1429861/

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ランタンフェス17日から開催 層雲峡温泉

2023-06-14 | アイヌ民族関連
観光経済新聞2023年6月13日
 層雲峡温泉(北海道上川町)で17日から、初夏のイベント「層酒相愛~層雲峡ランタンフェス~」が始まる。主催者側は「灯りとお酒で、心の距離をぎゅっと縮めて」と呼び掛けている。
 開催日は7月15日までの毎週土曜日(計5日間)で、時間は午後4時から9時まで。会場は層雲峡温泉商店街のイベント広場。来場無料。
 会場内にはオープンバーやキッチンカー、ワークショップなどが設けられ、ビンゴ大会も。「浴衣貸し出しやパフォーマーの招致、アイヌ刺しゅう体験も行い、昨年よりも満足度の高いイベントを目指した」という。
 ランタンを上げるにはビンゴ券を購入する必要があり、3千円でセット販売する。ランタンは1日当たり最大120個を用意。
 国立公園内でのランタン上げは珍しい。炎の熱で上げるのではなく、打ち上げ後も回収が可能な風船、ヘリウムガスを利用したランタンを採用している。
 昨年は約2500人が来場したが、コロナ禍もピークを過ぎ、インバウンドの回復もあることから約3千人の来場を見込んでいる。
 問い合わせは、層雲峡未来観光戦略プロジェクト実行委員会、TEL01658(2)1811。

灯りと酒で層雲峡を盛り上げる(夜空に上がるランタン)
https://www.kankokeizai.com/ランタンフェス17日から開催%E3%80%80層雲峡温泉/

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【JICA開発大学院連携】長期研修員がオホーツク地域の産業・歴史を学ぶ「地域理解プログラム」に参加しました

2023-06-14 | アイヌ民族関連
JICA2023年6月13日
JICAでは、開発途上国で将来の国の発展を担うリーダーとなる行政官・技官らを長期研修員(留学生)として日本に受け入れ、技術・知識の習得や大学院での学位取得を支援する傍ら、日本の地域が発展するまでに辿った歴史・経験も学んでもらい、日本理解の促進や自国の発展に役立ててもらう「地域理解プログラム」を提供しています。
このたび北海道センター(帯広)では、5月13日(土)、14日(日)の2日間にわたり、帯広畜産大学、北見工業大学、北海道大学で学ぶ長期研修員31名を対象に、オホーツク地域の北見市・網走市において、北海道の発展に関わる歴史や資源、文化、産業を学ぶプログラムを実施しました。
オホーツク地域の歴史・文化に触れる

北方民族博物館での施設概要説明
【北見ハッカ記念館・薄荷蒸留館見学】
ハッカ油精製に使用される設備の展示を見学し、北見市で生産される和ハッカの特徴に加え、全盛期には世界のハッカ市場の70%を占めた北見ハッカ産業の歴史等の説明をいただきました。
その後、北見ハッカを使用したハンドクリームづくりを体験し、好みのアロマオイルとの調合や和ハッカの香り、オイルが乳化する様子など、研修員は地場産品に対し非常に興味をもって学びを深める様子がうかがえました。
【北方民族博物館見学】
東はグリーンランドのイヌイット から西はスカンディナビアのサミまで、幅広く北方の諸民族の文化と北海道のオホーツク文化を紹介する、網走市の北方民族博物館の展示を見学しました。北海道の先住民族であるアイヌの文化を始め、北方圏での文化、歴史、暮らしについて知見を深める機会となりました。 
【オホーツク流氷館見学】
オホーツクに漂着する流氷の海中映像を視聴し、世界で最も南に位置する流氷観測地となったメカニズムの説明をいただきました。氷点下20度に迫る極寒体験室や、網走市街とオホーツク海、網走湖、知床連山を一望できる屋上の展望テラスなど、壮大な景色を研修員は思い思いに楽しんでいました。
【博物館網走監獄見学】
博物館網走監獄は、現存する木造行刑建築物として日本最古であり、展示施設として本物の刑務所を見学出来る国内唯一の施設です。東京ドーム約3.5個分に相当する広大な敷地には、国の重要文化財、登録有形文化財を含む歴史的建造物25棟が保存公開されており、研修員はそれぞれのペースで見学しました。
北海道の開拓期、囚人を労働力とした中央道路(札幌-旭川-北見-網走)開削工事が行われ、多数の囚人が命を落とした壮絶な開拓の歴史を綴る展示の数々を、研修員は興味深く見学していました。
参加者からは、「自国の地場産品促進、観光客を惹きつける観光振興のヒントともなり得た」「北方民族が多様な生存手段を開発してきた歴史は、後世の人々にとって非常に有益な文化である」という声が聞かれました。プログラム中は、研修員は積極的に質問し、お互いの国の文化についても活発に意見交換する様子も見られました。
帰国後、本プログラムや留学中に得た学びを糧に、知日派・親日派のリーダーとして自国の発展に寄与してくれることを願っています。
https://www.jica.go.jp/obihiro/topics/2023/lk79t70000001baf.html

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改憲反対5割超す 先住民地位、賛成と逆転―豪調査

2023-06-14 | 先住民族関連
時事通信2023年06月13日14時08分
 【シドニー時事】オーストラリア先住民の地位確立のための憲法改正案を巡り、13日発表の豪紙世論調査で反対が5割を超え、初めて賛成と逆転した。10~12月の国民投票実施を目指すアルバニージー政権にとって厳しい結果となった。
 シドニー・モーニング・ヘラルド紙が今月6~11日に約1600人を対象に行った調査で、改憲への賛否を二者択一で尋ねたところ、賛成49%、反対51%だった。1、4両月の調査ではいずれも賛成58%、反対42%と賛成がリードしていた。各種調査で賛成が減り、反対が増える傾向にあるが、ついに形勢が逆転した。
 改憲案は先住民アボリジニとトレス海峡諸島民を「最初の豪州人」と認め、議会や政府に意見具申できる代表機関を創設するという内容。野党・自由党など反対勢力は「一部国民に特権を与え、分断を招く」と批判しており、反対意見の伸長につながったもようだ。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023061300617&g=int

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4人の司祭が85人の児童を性的虐待…カトリック教会で「むごい不祥事」が相次ぐのはなぜか

2023-06-14 | 先住民族関連
現代ビジネス6/13(火) 17:03配信
司祭の死後、日記で発覚
 「カトリック司祭、日記から死後に児童性的虐待が発覚 ボリビア」
 これは、世界三大通信社の一つであるAFP(フランス通信社)が、2023年5月25日付けでウェブ配信した記事の見出しである。
 ‘09年に癌で死亡した司祭の日記から、貧しい農村部の子供たちのために設立された寄宿学校において、4人の司祭が85人もの児童に性的虐待を繰り返し、上級聖職者は罪を知りながら沈黙していたというのである。
 何ともおぞましい事件だが、実はカトリック教会の不祥事はこれにとどまらない。ここ2年あまりで、同じくAFPから以下の記事が配信された。
 「米東部カトリック教会の児童虐待、60年で600人超が被害」(‘23年4月6日)
 「仏検察、児童虐待で枢機卿を捜査 80年代に14歳少女が被害」(‘22年11月9日)
 「ローマ教皇、カナダ先住民への「悪行」謝罪 寄宿学校虐待で」(‘22年7月26日)
 「前教皇、児童虐待の対処怠る ドイツで調査報告書」(‘22年1月21日)
 「カトリック教会の性的虐待被害者、70年間で21.6万人 仏調査報告」(‘21年10月5日)
 今回事件が発覚したボリビアは、南米大陸のほぼ中央に位置するカトリック国で、脱宗教が進行するヨーロッパ諸国に比べれば、敬虔な信者が多い。そのボリビアとアメリカ、カナダ、フランス、ドイツでも同種の事件が発覚しているわけだ。
なぜ発覚が相次ぐのか
 ‘18年にはオーストラリアの首相が、教会や学校、スポーツクラブなど国内の施設で、過去数十年間、数万人の児童が性的虐待の被害に遇っていたことに対して公式謝罪を行っている。
 ニュージーランドでも1950年からの70年余りの間に教会の司祭、男女修道会の会員、一般の信徒から虐待を受けたとの訴えが1680件にも上ることが明らかにされた。
 アジア最大のカトリック国であるフィリピンでも、4歳の少女を性的虐待した神父が裁判にかけられ、教皇のお膝元であるバチカンの神学校内でも性的虐待の事実が明らかにされている。
 これを見る限り、聖職者による主に児童を対象とした性的虐待は、カトリック文化圏のかなり広範囲に及ぶと言える。
 聖職者による性的虐待は、ここ最近急激に増えたわけではない。それでも不祥事の発覚が相次いでいるのは、現在の266代教皇フランシスコが進める改革から生じた必然の成り行きだった。
 聖職者による性的虐待はかねて問題視されていたが、歴代の教皇のなかで、それを優先課題とする者もいなければ、断固とした姿勢を示す者もいなかった。カトリック世界の秩序を崩壊させかねない、「パンドラの箱」と目されていたのだろう。
 前教皇のベネディクト16世に至っては、大司教をしていたとき、側近による性的虐待を隠蔽したとの嫌疑をかけられている。
 隠蔽の真偽はともかく、聖職者による性的虐待に関して、バチカンの教皇庁に両極端な二つの姿勢があったと考えられる。あくまで蓋をし続けるか、一気に膿を出し切るか。
フランシスコ教皇の改革
 フランシスコ教皇はアルゼンチンの出身、史上初めての南米出身の教皇である。それだけにしがらみも少なかったのか、'13年に新たな教皇に選出されてからというもの、性的虐待の根絶と透明性の向上を図る取り組みを本格化させた。
 こうしていざ始めてみると、何が解決の妨げになっているかが具体的にわかってきた。'19年5月に発せられた、性的虐待を把握した人に上司への通報を義務付ける教令は、その障壁を取り除く一環だった。
 これに続いて、同年12月には、教皇庁から新たな方針が発表された。それまでの規定では、外交や個人的問題、犯罪容疑など、教会の統治に関わる機密性の高い情報を保護するためとして、全信者に守秘義務を課していた。
 これでは被害に遇っても、性的虐待を目撃しても、カトリックの上級機関に訴えようがなかったのだ。たとえ警察に被害届を出したとしても、他に証言をしてくれる者がいなければ、起訴に持ち込むことも、裁判で勝訴することも難しい。それどころか、誣告(ぶこく)をしたとして、村八分のような扱いを受ける恐れがあった。
 このような事情があるため、性的虐待を守秘義務の対象から除外するとの新方針は、画期的だった。教皇自身も同月17日に発した声明で、性的虐待に関する「告発、裁判、決定」には守秘義務を適用させないよう指示。
 虐待事件に関して、「通報者、被害に遭ったと訴える人、目撃者は、いかなる守秘義務にも縛られてはならない」との方針を文書に明記させた。
 次なる一手が打たれたのは'21年のこと。フランシスコ教皇は性的虐待の罪を犯した聖職者をカトリック教会独自で処罰できるよう、教会法の改正を行い、その目的を「正義の回復と加害者の更生、そして汚名をそそぐこと」と説明。改正法は同年12月に施行された。
カトリック教会に限った話ではない
 つまり、教皇と教皇庁からお墨付きを得たことで、世界各地の大司教区で被害の実態調査が進められ、多くの被害者たちが沈黙を破ったわけだ。
 実際のところ、フランシスコ教皇自身は、相次ぐ不祥事の発覚に驚きはしておらず、期待通りの展開と受け止めているのではないだろうか。カトリック教会に自浄作用があることを世界に示すには、衆目を集めることも重要だからだ。
 それにしても、カトリックの信者でなければ、帰依する宗教さえ持たない身からすれば、やはり聖職者による性的虐待と件数の多さは異常であり、罪を犯した聖職者個人の性癖という説明だけでは、素直に納得ができかねる。
 この点に関しては、『教皇庁の闇の奥』(ピーター・デ・ローザ著、遠藤利国訳)という著作がヒントになるかもしれない。著者はカトリックのエリート・コースを歩みながら、聖職を捨てた人物である。
 同書では、道を外す聖職者が多い原因として、聖職者の独身性に無理があるとしている。個人の意志で独身を貫くのは立派な選択だが、それを制度化したこと、叙階(聖職者に品級を授けること)を受ける際の必須条件としたことは自然の理に反し、独身は通しても貞節は重んじず、乱行に明け暮れる、名ばかりの聖職者を生み出したというのである。
 この説が的を射たものかどうか、にわかに判断はできないが、子供たちにとっていちばん危険な場所が教会で、いちばん危険な人物が聖職者という状況は、やはりおかしい。
 しかも、これはカトリック教会に限った話でなければ、宗教に限った話でもない。組織の体面を守るために隠蔽を重ねる行為は罪の上塗りにすぎず、歴史の審判に委ねるなどという誤魔化しを許していては、世の中は悪くなるばかりではなかろうか。
島崎 晋(歴史作家)
https://news.yahoo.co.jp/articles/67c57c3312c1f66ecaf7ef0fb348d886556d24c9?page=1

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