恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

12/10(月)末廣亭夜席 仲入り前から(主任:林家きく麿)

2018年12月11日 | 噺とか
今年の12月上席は、どこの寄席も豪華メンバーの顔付け。
池袋は昼が天どん師匠、夜が一之輔師匠だし、立ち見必至の顔付け。
初日に池袋の初日に足を運んだわけですが、
その時から末廣亭の夜席は気になっておりました。
トリはきく麿師匠で、そこに至るまでの新作派の顔付けがもうすごい。
休日に行けば間違いなく混雑することは予想されていたため、
平日の行ける日に、と思っていたらついぞ楽日になってしまいました。
仕事を早々に片づけて、18時45分ごろに末廣亭の木戸へやってくると、
すでに10人を超える行列。
こりゃーどうかなぁと思って入場すると、ちょうど木久扇師匠の「明るい選挙」。
8割以上の入りの客席でしたが、うまい具合に良席を確保。
仲入り前から楽しませてもらいます。

木久扇「明るい選挙」
小里ん「にらみ返し」
-仲入り-
駒 治「レモンの涙」
翁家社中「太神楽」
天どん「拾っちゃった!」
文 蔵「時そば」
正 楽「紙切り」(門松とサンタクロース、クイーン)
きく麿「スナックヒヤシンス」

小里ん師匠の「にらみ返し」は、まさに見事そのもの。
過去に龍玉師匠で拝見していますが、これは生で見ないといけません。
借金取りを追い返すときの表情がもう絶品。
ついつい笑いに引き込まれてしまいます。

駒治師匠は、プロレスを題材にした「レモンの涙」。
初めて聞いた噺ですが、これもうまくできていますね。
この後出てくる噺家さん、みんなこれをネタにする。
きっかけを作ったのは天どん師匠でしょうが。

翁家社中の太神楽はいつもの和助さんと小花さん。
ただ、いつもと違うのは、「傘で回してみた」とか、「曲芸が生まれた瞬間」など、
普段の寄席では見ない展開があったこと。
調べてみると、今回が新作の落語メインなので、それに合わせたとか。
新鮮な楽しさがありました。

天どん師匠は池袋の昼トリを終えての出番。
こういう出演の仕方もあるんですねぇ。
自分のトリではないから気楽にできると、「拾っちゃった!」でした。
これもうまくできた話で好きなんです。
きちんとレモンティアーズドロップをいじる。
そして、噺中に出てくる煽りで文蔵師匠は時そばへ。
こういう寄席のノリっていいですよねぇ。

トリのきく麿師匠は「スナックヒヤシンス」。
出囃子はクイーンのWe will rock youで。
初めて聞く新作なのですが、これもやはり引き込まれますねぇ。
「山田ですぞ!」のセリフが耳に残ります。
一席終わった後で、小林旭のモノマネショー。
こちらは写真も許可されて、開場が大盛り上がり。
終わって、いったん幕を占めて出演者総出のカーテンコールあり。
初トリとのことで、粋な計らいですね。

19時からの割引料金で入りましたが、こんなに満足感のある寄席も珍しい。
会場は大勢のお客さんで立ち見も出るありさま。
それでも2階席はあけないんですねぇ。
と、いいつつも大熱狂の12月上席の夜でした。
こういうことがあるから寄席がよいがやめられないのです。

恐懼謹言。
コメント
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