恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

12/19(水)第11回どんぶらこっこ:ゑ彦印~小ゑん・彦いち二人会~

2018年12月20日 | 噺とか
新作派で知られる小ゑん師匠と彦いち師匠の二人会です。
9月に参加して以来、これで2度目になります。
奇麗な椅子席の会場で、こじんまりとしつつもクオリティの高い新作が聞けるので、
前回から今日を楽しみにしておりました。

やまびこ「真田小僧」
彦いち「時そば」
小ゑん「主婦の恩返し」
-仲入り-
彦いち「チビ玉との遭遇」
小ゑん「チャルメラの恋」

前座のやまびこさんは「真田小僧」をやったわけですが、
途中からしどろもどろになったり、あれこれ抜けたりと散々。
いろいろな前座さんだったり、言い間違いなんかも見てきましたが、
さすがにここまでは初めて。
16分の持ち時間だったそうですが、10分で降りてしまう。
途中までずいぶんと時間に余裕があるし、
寄席でもないから後半までやるのかなと思ったら、前半で終わり。
いやー、どうしたのでしょう。

その後、焦って上がってきた彦いち師匠。
ご自身のお弟子さんのことながら、こればかりは予想外だったようで。
散々にこれをいじってからマクラへ。
末廣亭の楽屋入り前に立ち寄る喫茶店での出来事で会場を温めつつ、
何をやるのかなぁと思っていたら「時そば」へ。
確かに前回も一席目は「青菜」で古典だったし、こういうもんなのかな。
型としては上方のものなのだそうで、あまり聞かない展開でした。
普段は定番の型の「時そば」を聞いているせいなのか、
はたまた彦いち師匠の中で十分に練られていないのか、
面白いには面白いのですが、もう一歩笑いの波が欲しいところでした。

かわって小ゑん師匠は先代小さん師匠宅での内弟子時代の思い出をマクラに。
風呂焚きをしくじって風呂釜を壊してしまったあとの小さん師匠の対応が、
なんともいい話で、人間の器ってこういうものなのだなぁと。
で、そんなところから本題の「主婦の恩返し」へ。
初めて聞く噺なのですが、ここに出てくる主婦のキャラクターがまた強烈。
最後の仕返しのところからサゲのところまで、なんとなく展開が読めそうで、
いやでもそう来るか、というところも楽しいところでした。

仲入り後は再び彦いち師匠。こちらの噺も初めて聞くのですが、
旅回りをする芝居の一座に属する「チビ玉」のエピソード。
ストーリーを展開する中で、新作審議委員会(?)が登場し、
噺の無理なところに突っ込みを入れるという手法は新しいですかね。
そもそも新作落語を大真面目に見ていると突っ込みどころはたくさんあるのですが、
それをあえて織り込むというのも新鮮な感じかもしれません。

トリは小ゑん師匠で「チャルメラの恋」でした。
クリスマスに沸き立つ町とイルミネーションに関する苦言を呈しつつ本題へ。
こちらはタイトルこそ見たことはありますが、聞くのは初めて。
実際にチャルメラを持参して吹いて見せる小ゑん師匠。
噺の合間合間に吹くあたりは「ぐつぐつ」と似ていなくもないような。
ところどころにマニアックな知識が差し込まれているのも小ゑん師匠らしいところ。

というわけで、前座さん以外すべて初めて聞く新作ばかり。
21時20分ごろに終演となりました。
今回もそこそこの入りの中でゆったりと、そしてのんびりと楽しむことができました。
次回の予告がないのが心配ですが、やはり時間をやりくりしてここに来なければ。
第12回に期待です。

恐懼謹言。
コメント
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