最近は涼しく成ったとは言え日の出ている内は暑いので散歩は夕陽が沈んでから出掛ける様に成った。早朝も涼しくて気持ちが良いのだが最近は夜明けが遅く成った分、無線のコンディションが開ける時間が段々と遅くなり以前に散歩に出掛けて居た時間と重なる様に成って来た。そうなれば無線の方を優先する私としては最近の散歩は夕方の時間帯に出発し1~1.5時間後の家に帰り着く頃には周囲は自分の足元が如何にか見える程度の暗さに成ってしまう。
此の時間に成ると散歩コースの上空を関空や徳島空港に着陸予定の航空機や九州や海外に向かい関空を飛び立った旅客機が調度真上の上空を通過するので飛行機からの位置を示す点滅のライトの光が四方八方に見えて夜空が非常に賑やかに成って来る。19~20時頃にはぐるりと空を見渡すと絶えず3~4機の点滅する光が見えて居るが偶には同時刻に7機くらいの点滅するライトを確認する事が出来る。昨日17時頃に散歩を始めたら通常は南西方向からエンジン音が聞え始め北東方面に進むのが普通の飛行航路なのだが西に向かい歩き始めた時に正面の西側から可也高度を下げた飛行機が此方に向かって飛んで来た。此の西から東に向かう機影は通常は遥か北側の先を通過する事は有っても散歩コースの真上を西から東に通過する飛行機は殆ど無いので「おかしいな?」と思いながら足を止めて暫く眺めて居ると私の頭の上で右回りに半周旋回して機種を西に向けた所で雲間に消えてしまった。そして5分程すると先程の飛行機が同じく西側から現れて頭上から半周して同じ様に見えなく成って行った。其の後に別の飛行機が南西方向から飛んで来たが此の飛行機も上空で同じ様に旋回し始めてやがて雲間に消えた。その時に500m先の河川敷で犬の散歩をさせて居た叔父さんも立止まって機影を目で追って居るのが見えたが私が其の人の近くまで歩き着いたら先程の飛行機が同じコースで進入し3回目の旋回を始めた処で「此の飛行機は高度も低いし、おかしい飛行をしよるなぁ~」と独り言とも私に話し掛けている様にも思える感じで聞こえて来た。其処で「私も先程から気に成って居るんですが此れで3回目だし先程の別の飛行機も旋回して行ったので何かトラブルでも有ったんですかね?」と話すと「3回目ですか?エンジンが2つだし、此の高度だと徳島空港に着陸する飛行機だろうけど?地方空港なので滑走路が込み合う事も無いだろうに本間に珍しいな」と返って来て其処で二人で立話をしながら其の機影を追っ掛け始めたら先程の別の飛行機が南西方向から飛んで来たが今回は旋回する事無く北東に向かい高度を落としながら水平線に消えて行った。その間二人の会話は「何か問題が有り着陸前に燃料を使い切る為の飛行だろうか?」とか「何かの特別便で定期便の関係から着陸許可を待って居るのだろうか?」とか「滑走路が混み合って着陸許可が下りなくて許可待ちで旋回して居るのでは?」等と勝手な事を話し合って居たら問題の飛行機は今回は北東に真っ直ぐ向かい段々と高度を落とし山の向う側に消えて行った。「心配する様な事は無かったな それじゃ さよなら」と言って叔父さんが土手の上に上がり車に載り込む所で初めて気が付いたが其の車に見覚えが有ったのだ。
最初は初対面と思っていたのだが?もう2ヶ月ほど前に成ろうか?同じ散歩コースを家に向かい歩いて居た私に私より先輩の女性の方がオロオロしながら「私の主人が犬を連れて散歩に出た侭、此の場所に帰って来ないんです如何しよう?困ったわ何処かで男の人を見掛けませんでしたか?」と話し掛けて来たと言う寄り泣き付いて来た。「私は上流の方から歩いて来ましたが人とは会わなかったですよ」と言ったら「川下の方は私も少し探して見たけど近くの者で無いので地理が良く解らず見付からないんです。川原に下りて川にでも流されて居たら如何しよう?」と女性の方は尋常な状態では無かったので「行違いに成ったら困るので此処で動かず待って居て下さい。川原の方は私が見てきます」と言って川原に探しに行ったが人や犬が居る様な気配は全く無い。
元の場所に戻り奥さんに「此処から1Kmくらい下流に私の家が有るので探しながら帰って見付ける事が出来なければ車で此処に来ますから心配しないで此処を動かないで待っていて下さいね」と言い残して足早に川下に進むと600mくらい先の繫みの中から犬が飛び出して来た後に叔父さんがユックリと現れた「奥さんが心配して探していますよ」と言ったが本人は余り状況を察して居ない様子に「こりゃ駄目だ」と思った私は奥さんの所に走って戻り「奥さん御主人さんは此方に向かって居ますから安心して下さい」と伝えたら「有難う御座います」と今にも涙が出そうな情況で有ったが私が引返す時に会った当の本人は犬と戯れながら飄々と歩いて居て目が合った時に「如何も此の犬が言う事を聞かなくて」と愛想笑いをしたが通り過ぎた後で「確かに犬も貴方の言う事を聞かないが貴方も奥さんの言う事を聞いていないのでは?」と苦笑した事を思い出した。今日の話相手は其の時の叔父さんだったのである。流石に前回で懲りたのか?今回は奥様は同伴では無い様子であった。