20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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「あんぱんまん」と「おやすみなさい フランシス」

2008年04月29日 | Weblog
 姉の長女のところに二人目の赤ちゃんが生まれました。
 今度は男の子でした。大きなおめめの、とってもハンサムな赤ちゃんです。
 その赤ちゃんとおねえちゃんであるKちゃんに会いに、今日は姉の家へお邪魔しました。Kちゃんは、もうじき三歳になるとても利発な女の子です。
 Kちゃんが生まれたときはいろいろ忙しくて、どうしてもスケジュールが調整できず、とうとう会いにいけませんでした。
 そのまま、もう三年近い月日がたってしまっていました。だからKちゃんとは、初対面でした。
 駅に着くと、義兄の車がお迎えにきてくれました。助手席のチャイルドシートに座ったKちゃんが、ちょっと怪訝そうな表情で私たちを見ながら座っていました。
 「生Kちゃん」をはじめて見た瞬間です。
 というのも、kちゃんのパパがプライベートHPを開設していて、私たちはそのビデオでKちゃんをずっと見続けていたので、会う前からいろいろをすでに知っていたのです。だから、「生Kちゃん」ということになるわけです。

 姉の家にいく数日前から、Kちゃんに会えるので、私はわくわくしていました。銀座にプレゼントを買いにいったり、本屋さんで絵本を探したり・・・。
 そして、できるなら弟が生まれておねえちゃんになったKちゃんのこころに、よりそってくれるような絵本を選びたいと思っていました。
 たとえば、キーツの『ピーターのいす』、あるいはレベッカ・ボンドの『あかちゃんのゆりかご』など・・・。
 あれこれ迷って、極めてオーソドックスな絵本、ラッセル・ホーバンの『おやすみなさい フランシス』にしました。
 
 おとなにねむれない夜があるように、子どもにだってそんな夜はあります。おねえちゃんになったKちゃんは、そんな夜、もう少しパパやママといっしょにいたいという思いから、あれこれ理由をみつけてはベッドからぬけだそうと試みると思います。
 そんなとき、この絵本を読みながら親子の会話がはずみ、彼女の空想世界がひろがっていってくれたらとの願いをこめて、この絵本にしたのです。

 「なにかがカーテンをゆらしている」
 そういってベッドからぬけだし、不安がるフランシスに、おとうさんはフランシスの話をきちんと聞いたうえで、おとなとしての論理を話して聞かせます。
「あれは風の仕事なんだ。風は毎晩、あちこちのカーテンをゆらせるのが仕事で、おとうさんは会社にいくのが仕事。おまえは早くねて、あした幼稚園にいくのが仕事だ」
 軽快で見事な、おとなとしての論理です。

 けれど、この絵本は、まだKちゃんにはちょっと難しかったようです。
 Kちゃんのいまの興味は、あんぱんまん。
 ジグソーパズルを持ってくると、あんぱんまんの「あいうえお」ジグソーパズルをあっという間に仕上げてしまいました。


 永遠の古典絵本の「おやすみなさいフランシス」も「あんぱんまん」パワーには、どうやらかなわなかったようです。
 子どもと直接向き合うと、いま、子どもがどんなことを考えているのか、どんなものをすきなのか、ダイレクトにわかってしまうから怖いです。

 久しぶりに小さな子どもとふれあえた、楽しい一日でした。
 
コメント (3)
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