20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『竜の木の約束』(濱野京子・あかね書房)

2010年11月01日 | Weblog
  
 親しい作家、濱野京子さんの新刊です。
 お仕事をしながらなのに、彼女はもう驚異としかいいようがないくらい、次々と新刊を発表し続けています。
 ほんとうにすごいです!

 さて、この『竜の木の約束』、これまた濱野さんらしい問題意識からのテーマ設定です。
 最初、読み始めたときは、性同一性障害がテーマかなと思いましたが、そこはやはり濱野さん。
 そうはストーリーが展開しませんでした。

 女性の生き方の問題が横糸にあり、縦糸は「友だちなんていらない」と思っていた少女がその友だちに翻弄されながらも、きちんとした関係を結んでいく物語になっています。
 家族の問題も出て来ます。
 それらを、濱野京子の確かな筆力で、きちんと描ききっていて、読ませます。
 町を丁寧に描く、という手法もまた、濱野京子さんの特徴かもしれません。
 
 皆さま、どうぞお読みになってください。

コメント (2)
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