20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『日本国憲法第9条』(山脇志貴・和光鶴川小学校6年)

2010年11月05日 | Weblog
    
 作家の友人、Tさんから「ぜひ、読んで」といただいたご本です。 
 小学生が憲法第9条に興味を抱き、それについて徹底的に調べ、まとめた本です。
 
 6年2組の担任の先生が「はじめに」でこう書いています。
「この本をきっかけにして、未来を志向していきたい」

 山脇志貴ちゃんは、学校でいった沖縄のひめゆり隊の、集団自決の話や、家族で夏休みにいった原爆ドームから原爆の話。海兵隊としてベトナム戦争に参加したネルソンさんの話。慰安婦問題、強制連行の問題。
 そういった話を、いろいろな人たちから聞く中から、「戦争のない平和な世界にする。そのためには憲法第9条がとても必要だ」という思いに至ったと書いています。
 そこから志貴ちゃんは、憲法第9条に関連するあらゆる事柄を自分の力で調べていきます。

 6年生とは思えない、探求心と、行動力。そして緻密な作業。
 読み進めていくと、そんな志貴ちゃんの熱い思いに大人である私たちが背中をおされるような気持ちになります。
 ほんとうによくここまで調べられたなと、ひとつにひとつに感心しながら読ませていただきました。
 京都の立命館大学まで足を運び、軍隊について学んでいる姿などは、その問題意識の深さにただただ頭をひれ伏したくなります。
 さまざまな方々へのインタビューもとてもおもしろかったです。
 
 それにしても、6年生の女の子が、ひとりでこれほどまでのことをやってしまえる、そのひたむきさに感動しました。
 この本を紹介してくださった友人のTさん、ありがとう。
 そして山脇志貴ちゃん、ありがとう。
コメント (6)
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