竹下夢二というと「儚い美人画」という固定されたイメージがあり、どうも触手を動かされませんでした。
しかし、横に並んだロートレックという文字に惹かれ、日本橋高島屋で行われている「竹下夢二展」を見てきました。
ところが目から鱗。
竹下夢二と、ロートレックには実はさまざまな共通性があったのです。
共に、商業美術を芸術にまで引き上げた人でもありました。
ロートレックには、ずっと惹かれていました。彼の生い立ちとその後の成育・・・。
自虐のなかから、生まれた退廃には、洗練されたあの時代の香りすら感じます。
ところが、夢二も実は斬新なデザイン性をもった人でした。
ベル・エポックという時代。ロマンチシズムを追求したというところも似通っています。
そのふたりの対比が展示されていました。
夢二とロートレックの商業性における対比という構図が、実に刺激的で魅力的な展覧会でした。
夢二のデザインした千代紙のその新しさは、いまでも充分通用しそうです。
(写真はロートレックのカード集と、夢二デザインの小さなクリアファイル)