20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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文章の推敲

2012年08月23日 | Weblog
           
 
 私はときどき書くことに行き詰まると,翻訳家・柴田元幸の本を読みます。
 彼の文章のセンスがとても好きなのです。
 そのなかの一冊。そこにこんなフレーズがありました。

「僕にとって推敲というのは、しらけるところとか、なんか気持ち悪いところ、通りが悪いところを出来るだけ取りのぞいていくということ、ここに点を打たないと、この言葉がこっちにかかるのかあっちにかかるのかわからないとか、この語順だと、こことこことに因果関係がないはずなのが、あるように思われてしまう、とか。要するにノイズをどう取りのぞくかということだ」

 友人たちと文章の話をするとき、「句読点の多いタイプ」「少ないタイプ」と別れますが、私はそれを作者の呼吸の問題(ブレスが浅いか、深いか)だと思っていました。
 けれど単純に、読んでいて気持ちの悪いところを取りのぞくと書かれてあったのを読み、溜飲をおろした気分でした。

 それからもうひとつ。
「書くことを持続するのは、ある種の残酷さが必要。感受性のやさしさだけに頼っていちゃだめ」
「作家として残りそうな人は、感受性を主たる武器にしていない」

 まさに、読むは(言うは)易し、行うは難しです。
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4 コメント

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感受性の罠? (りょう)
2012-08-23 11:55:10
柴田元幸・・・彼は東京の大田区蒲田・大森の近辺出身。僕も子供の頃その辺で育ったので、時代は少しあとだけれど同じ原風景を見ているなという気がしていました。
彼のエッセイ大好きです。
それにしても、
「書くことを持続するのは、ある種の残酷さが必要。感受性のやさしさだけに頼っていちゃだめ」辛らつな一言。
書くとすぐ泣きの入っちゃう僕としては、耳の痛いお言葉です。
酒は辛口一辺倒なのにな(笑)
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Unknown (加藤純子)
2012-08-23 15:19:01
りょうさん

りょうさんはさすがに、いろいろよくご存知ですね!
柴田元幸は、大田区蒲田の仲六郷小学校の卒業です。
りょうさんもそのあたりでお育ちですか。
彼と同じ原風景をご覧になっていらしたなんて、ステキですね。

私も耳が痛いです。
いまはとにかく文学的な物語が出版されにくく、ライトノベル的な傾向が強くなっているので・・・。
ほんとうに難しい時代になってきました。
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残らないので墓に彫ります。 (ひでじぃ)
2012-08-25 06:31:33
純子さま
一ヶ月お会いできないと寂しいです。耳が痛い言葉ですね。同感です。そう思って、墓に段落二つ分を彫ることにしました。出版社様のおかげですから、少しでも長く売れるように、願いを込めました。お墓だかなんだか分からなくなっちゃいましたけど。大谷の近くですから、観光でお見えになるようなことがありましたら、お墓参りお願いします。
返信する
Unknown (加藤純子)
2012-08-25 09:30:31
ひでじぃさん

ほんとお久しぶりです。
ひと月ひでじぃさんのお顔を拝見できないと、さびしいです。
9月にはまた元気にお会いしましょうね。

ところでとうとう完成したのですか?
どんな文字が入ったのか、今度こっそり教えてくださいね。
課題図書、すごく売れているみたいですね。
もうひとつなにか大きいお買い物ができそうですね!
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