折にふれて

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私説 當麻寺縁起   奈良県葛城市

2013-10-05 | 大和路

 

當麻寺 ・・・境内から東塔(国宝)を眺める





創建は612年、聖徳太子の異母弟、麻呂古王による...とありますが、はっきりしたことはわかっていません

ただ、法隆寺などと同じ時期、飛鳥時代の建立ですから、知名度はともかく、たいへんな古刹、境内は国宝、重文の宝庫です

縁起がしっかりしているはずのお寺で、創建が不明という話も不思議なことですが、

お寺に詳しい方が訪れたなら、さらにこの寺の不思議に気づくはずです

 

當麻寺の所在地、葛城は飛鳥の西の果て

古代飛鳥の人々は當麻寺の後ろにそびえる二上山を超えたところには西方浄土があると信じていました

二上山の向こうはいわゆる河内飛鳥(大阪府)で

そこには聖徳太子や叔母の推古天皇など飛鳥時代のたくさんの皇族の墓があります

つまり、当時の皇族たちは西方浄土に一番近いところに葬られているわけです

 

実は、これが當麻寺の不思議を解明する上でとっても大事

この話を覚えておいていただいて、あらためて當麻寺の写真を!

 

塔の上に立つ丸い輪っか、九つあるから「九輪」と言いますが...よく見ると、當麻寺の塔の輪っかは八つしかない

昔の人たちは数字に陰陽を込めていて、奇数が陽、偶数を陰としていました

七五三、三三九度、三が日...と言われるよう、奇数はおめでたいことに使われ、すなわち陽とされたわけです

 

それでは當麻寺は塔になぜ陰の数字を込めたか...これが大きな不思議のひとつです

 

二つ目の不思議

それは伽藍配置です

東西の塔があって、金堂、講堂とならぶ伽藍配置 ...おなじ伽藍配置を持つメジャーな寺にちなんで「薬師寺式」と呼ばれたりもしますが

この薬師寺方式に限らず、ほとんどの寺にあって、當麻寺にないもの

・・・それは南門です(大きさによっては南大門と言われたりもします)

 

南門があるはずの場所からは最古の官道(いわゆる国道です)と言われた竹内(たけのうち)街道が始まります

飛鳥から堺へと続くこの道、シルクロードの起点として重要な役割を持っていたといわれます

これだけの伽藍を持つ寺がなぜ官道に向けて南大門を作らなかったのか

 

ちょっと、長くなりそうなので、その謎解きは次回へ

                     

             ...ということで

金堂越しに見る本堂

・・・・じつは、これも変な話なんです。

 通常は金堂と本堂は同じもの...なんで二つあるの?

その謎もこんど? ・・・シャレじゃありません(^^;)

 

 


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