「9」のつく日は空倶楽部の日。
2018年1月1日 午前8時05分 金沢市大乗寺山丘陵公園からの空模様。
Sony α99 Vario-Sonnar 24-70㎜/f2.8 (f/5.6,1/250sec,ISO100)
空倶楽部、年の始まりの「お題」は元旦の空───。
今年の元旦は、冬の金沢にしては珍しく、夜明けから快晴の空が広がった。
千載一遇のチャンス!
この絶好の機会を逃してなるものかと、早朝の初詣をすませた後、大乗寺山丘陵公園へと急いだのだった。
金沢のほぼ全域を見渡すことができる高台。
折しも、眼下に広がる街が明るく陽に照らされた部分と影になった部分に二分されていて、
さらに、明るい街がじわじわと陰の街に迫っている。
大乗寺山の背後から昇る初日の出が高くなるにつれて、山が落とす影が小さくなっているだけなのだが、
その陰陽が移り変わる風景を、まるで「ゆく年くる年」を実況しているようだ、と妙に関心して見入った次第である。
そして、陰陽といえば...。
ふと、思春期によく聴いた、こんな曲を思い出してもいた。
「Both sides now 」
Judy Collins - Both Sides Now
1960年代後半に脚光を浴びたアメリカのシンガーソングライターのジョニ・ミッチェルによる曲で、
さわやかな曲調と青春の葛藤ともとれる歌詞が印象的だった。
♪ 「天使の髪」に「アイスクリームのお城」...雲はいろんなものを想像させてくれる。
だけど今は...雲は陽を遮ぎるだけでしかない、って思う。
みんなの上に雨を降らせたり、雪を降らせたり。
やるべきことがたくさんあるのに、雲はそうやって、私のジャマばかりしてきた。
・・・・・・
「晴れた日」と「曇った日」。
空が見せる二面性をメルヘン調の言葉で綴り始め、
やがて、その歌詞は「愛すること」、そして「人生」そのものの二面性にも重ね合わされていく。
難解で哲学的という評価もあったようだし、当時の私もそう思っていた。
だが、あらためて聴いてみると、たしかに比喩は多いものの、
ジョニ・ミッチェルは、感じたことや頭に浮かんだ絵をそのまま歌詞にしたのだろう、と、今は素直に受けとることができた。
そして、この曲につけられた「青春の光と影」という邦題が、すとんと腑に落ちたのである。
若気の至り...、そして、青臭さ。
そんな気恥ずかしい記憶を辿りながら、「青春の光と影」を聴いたのだった。
※「青春の光と影」には、名曲ゆえにたくさんのカバーがある。
もちろん、ジョニ・ミッチェル自身も歌っているが、
今回は、この曲を有名にしたジュディ・コリンズのカバーを選曲した。