折にふれて

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音楽とともに、折にふれてあれこれ。

水澄む季節 By空倶楽部

2019-09-09 | 空倶楽部

 「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

 


 

空倶楽部9月のお題は「映り込みの空」

穏やかに湛えられた水、高層ビルのカーテンウォールなど

空を映す場所が必要...という点で難題のひとつだ。

いや、早くからその「場所」を決めておいたなら

難題とはならないのかもしれないが

試験勉強以来、身に着いた「一夜漬け」の悪癖は

この年になっても治らない。

それで、8月下旬になって慌てだしたわけだが

実はひとつだけ近場で思い当たる場所があった。

石川県南部加賀市にある塩屋港である。

北陸の漁港は冬に押し寄せる日本海の荒波を避けるため

大きな川の河口に開けた港が多い。

塩屋港もその一つで、夏には午後から夕方の陽が河口を照らしてくれる。

その河口なら映り込む空を撮れるはず、と目論んだのだ。

...ところがである。

塩屋港に着いてみるといつもは静かな水面がざわざわと波立っている。

しかもその細かな波が上流に向かって流れているように見える。

「満潮か!?」

さすがにそこまでは考えていなかった。

日没まで残された時間はわずか。

ただ「治まってくれ」と祈る気持ちで待つしかなかった。

間一髪!

陽が入江の高台へ隠れようとする頃になって

水面の揺らぎが治まりはじめ、

やがて夕暮れの空を鮮やかに映し始めてくれた。

       

  Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/8,1/250sec,ISO100) 

 

長々とどうでもいい撮影顛末を記したが

言ってみれば結果オーライ。

そして、河口での撮影は潮汐も条件のひとつとの教訓でもあった。

ともあれ、お題クリアに安堵しつつ、

水が鏡のように映しだす黄昏の空を眺めながら

往く夏へのほのかな寂しさを感じ

また一方で水澄む季節の到来を喜んだのだった。

 


この記事とは全く関係ないが、

この日塩屋港へ向かう途中、ラジオから懐かしい曲が流れてきた。

加山雄三の「君のために」である。

一連の若大将シリーズの中では

好きな楽曲のひとつだったが、

「君といつまでも」や「夜空を仰いで」ほどの

ヒット曲ではなかったせいか、その後ほとんど聴いた覚えがなかった。

だから、ずいぶんと久しぶりに、

いやそれどころか忘れかけた記憶を呼び起こすように聴いたのだが、

実はラジオから流れてきた声は加山雄三ではなく竹内まりやだった。

9月初旬に発売されるアルバムに収録されるもので、

彼女自身の「お気に入り」の一曲とのことだった。

竹内まりやとは同年代、その心意気にエールを送るものだが

当時を懐かしむならやはり加山雄三で聴きたい。

それでyoutubeからオリジナルを探し出してきた次第だが、

昭和の良き時代の思い出として同年代の方に共感いただけたら幸いだ。

  加山雄三/君のために (1967年)

 

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