余呉の話が続く。
陽が高くなるにつれて
余呉を深く包み込んでいた濃い霧が晴れ、
やがて緑あふれる対岸が見えてきた。
ここは針葉樹が多いので、残念ながら紅葉の名所とは言い難い。
けれども、この緑の瑞々しさがこれからの季節、
それが雪深い冬であっても
余呉の景色を美しく見せてもくれる。
その景色を想像してみる。
湖を取り囲む深い緑。
そこに雪が深々と降り、白い霧のヴェールがかかる。
また、晴れた日なら、真っ青に澄んだ空が背景を飾ってくれる。
さらに、それぞれの色は折り重なって、静かな湖面に映り込む。
それが冬の余呉の魅力なのだ。
ふと...。
ちぎれた霧が流れるように緑の対岸にかかっていることに気がついた。
Sony α99 F2.8G/70-200㎜ (135mm f/9,1/80sec , ISO400)
まるで...。
「あら、たいへん! 人に見つからないうちに…」
と、あわてた天女が羽衣をひるがえし、空へと帰っていくよう。
で、タイトルが...はぐれそうな天女(恥ずかしながら)
はぐれそうな天使 来生たかお