JR3社の共同企画 Japanese Beauty Hokurikuキャンペーン。
そのポスターのひとつが石川県加賀市にある『雪の科学館』を紹介している。
JRおでかけNETより転載
雪の科学館は加賀市出身で雪と氷の研究に生涯をささげた中谷宇吉郎博士の業績を展示している。
そして、その業績を集約する言葉としてよく知られているのが
「雪は天から贈られた手紙である」
漆黒の空からはらはらと落ちてくる雪を文学的に形容したように思えるかもしれないが
それだけではなく、もっと深いニュアンスが込められている。
博士は実験室でいくつもの雪の結晶を人工的に作り出した。
雪の結晶は上空の気温と水蒸気の組み合わせによって様々なかたちとなるが
雪を人工的に作り出すことでその相関を明らかにしたのだ。
その成果はナカヤダイヤグラムとして紹介されているが
逆に、地上に降りた雪の結晶によって上空の気温と水蒸気の状態がわかる。
博士はそれを「天から贈られた手紙」という言葉に込めたのだ。
雪の科学館では博士が遺した科学的文献だけではなく随筆や画集も紹介している。
つまり、博士は文学者としての一面を持ち
科学で解き明かした成果を情緒的な言葉に置き換えたのである。
雪の科学館には遠方からの来訪者も多い。
ダイヤモンドダストを人工的に作り出すなど
雪や氷にまつわる興味深い展示も多いのだが、
一方で建築デザインを志す人たちにも人気がある。
そのお目当てがこの光景。
柴山潟越しに遠く白山を望む中庭に
博士が晩年に研究拠点としたグリーンランドから運ばれた無数の石が散りばめられている。
石は無造作に置かれただけのものだが、それが修景となっている。
地元びいきで言うのではないが、必見の風景だと思う。
さて...。
ここまで持ち上げておいて梯子を外すようだが
雪の科学館は4月から来年の3月まで長期休館に入る。
能登半島地震による被害を修復するためだ。
なので、この風景も一年間はお預け。
いや、せっかくなら冠雪した白山とともに眺めてもらいたいので
二年越しのお預けとなる。
毎年、この時期に訪れるものとしては寂しい限りだが
新たな企画など、この機にぜひ取り組んでほしいものだ。
文章がお上手で・・・
羨ましいです