はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

関東大震災

2007-09-01 07:18:21 | アカショウビンのつぶやき
 1923(大正12)年9月1日、関東全域と静岡、山梨に甚大な被害をもたらした関東大震災。幼い子ども2人を抱えて震災を生きのびた母は、当時の模様をよく話してくれた。

 当時、母方の両親は東京下町の本所に住んでいたが、祖父は、陸軍本所被服廠跡の大惨事に巻き込まれて死亡した。母が住んでいた所は火災は免れたものの、真っ赤に灼けた空を見上げながら、繰り返し起こる余震に恐怖の日々だったらしい。数日後、体中煤だらけの祖母が一人で母の元に辿り着いた時は、お化けのようだったと話していた。当時陸軍近衛兵だった父は、この混乱の時は家に帰れず、若い母はどんなに心細かったことだろう。
 
 更に恐怖を感じたのは「朝鮮人が襲ってくる」というデマだったらしい。正しい情報が伝わらないために、社会不安がかきたてられ、多くの朝鮮人や中国人が犠牲になり、更に社会主義者の弾圧など、この混乱に乗じた事件が続発したと言う。本当に不幸なことであった。

 その気丈な母も世を去って43年。震災の恐怖から、「グラッと来たら雨戸を外し、火鉢を抱えて外に出る」を実行した人だったが、今、この程度の地震が都心を襲ったらどのような大惨事になるか予想もつかない。

 最近次々に大きな地震が各地で発生する。「忘れないうちに」やってくる災害に、私たちは何ができるのだろう。人間の力の限界を感じずにはいられない。

 今日は「防災の日」。
昔は「二百十日はオオカゼ が吹く」と怖かったものだが、この頃の台風は夏が来る前にもやってくる。
目の前の防災リュックは、この小さな体で背負って歩けるのか、不安になるほど、パンパンにふくれあがっている…。
必要最低限に押さえないと、リュックに押しつぶされそうだ、さあもう一度点検しよう!
しかし、このリュックを背負うことがないことを切に祈るアカショウビンです。 



ゴルフ

2007-09-01 07:17:36 | はがき随筆
 気の合う仲間と県内のゴルフ場巡りを計画し、3年半で大願成就。
 四季折々の景色をながめ、名物をいただき、たくさんの人と触れ合い一喜一憂。一度きりの人生を同じ趣味の人と共有し楽しみ、忘れ得ない思い出を作ることができた。
 見知らぬクラブハウスを訪ねる楽しさや、わくわくしながら初めてのコースでプレーする楽しさ。還暦を間近にして、健康な身体をくれた両親に感謝。3人の仲間にも感謝。
 ツクツクホウシの声が聞こえるころには、よくばって隣県にも足を延ばしたい。
   指宿市 有村好一(58) 2007/9/1 毎日新聞鹿児島版掲載