はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

ぎゅーっと抱きしめて!

2008-04-10 14:43:15 | アカショウビンのつぶやき





在園児は、立派に声を揃えて歓迎の挨拶と歌を歌いました。


 学園理事として関わっている、信愛幼稚園の入園式に招かれ参加しました。
「今日は賑やかですよ…」と園長先生がおっしゃいましたが、入園式が始まる前から、ママにしがみつき泣きじゃくる子、不安そうにママの手をしっかり握っている子、一方では、早く式場に入りたくて胸をわくわくさせている子、それぞれの表情を見せながら、入園式が始まりました。
 初めて小さな椅子に座った子供たちは、先生方の優しい笑顔と楽しい歌に少しずつ緊張も解け、可愛い笑顔も見えるようになりました。
 でも、ママから離れることができず、最期まで泣いていた子も……。でもこの子たちが、「えーっ、あの泣いてた○○ちゃん」と驚くほどに成長した姿を見せてくれるのも間もなくです。
 「泣いて困らせた子が、後でしっかりしたお子さんに成長するような気がしますよ」とは、長年の保育を経験した○○元副園長の弁。
 それぞれが神様の大きな愛の中で「つよく、やさしく、たくましく」成長して欲しい。
 PTA会長は御祝いの挨拶で、
 「子供たちは幼稚園で新しいことをいっぱい学んでいます。園から帰ったら、子どもの話をしっかり聞いてあげてください。そして最後に、ぎゅーっと抱きしめてあげてください」と。
 三番目のお子さんが今年一年生になり、お父様も7年間の幼稚園生活を卒園することになった、Nさんの言葉はジーンと胸に響きました。
 

ピン・ポーン

2008-04-10 07:00:10 | はがき随筆
 オムツをしたくない母は、足がのろいので、おしっこをもらすことがある。
 「もうっ、お母さんは!」
 私の顔は引きつってしまう。
 そこで考えたのが、インターホン。
 母がトイレのドアを開けると「ピン・ポーン」と鳴るように取り付けてもらった。私は駆けていき、母を誘導する。
 「あら、来てくれたの?」
 「お母さんが呼んだからね」 
 「赤ちゃんと一緒だね」
 「赤ちゃんは可愛いけどね」
 笑いながら日に7~8回、母の私のトイレ戦争は続く。
 一度成功すると心はバラ色。
   阿久根市 別枝由井(66) 2008/4/10 毎日新聞鹿児島版掲載