妻が亡くなって2週間。
一人になる私を案じてか、娘はずっと家にいて、残された仕事を整理して大阪に帰ることになった。妻の実家に寄って、無人のローカルの駅まで送っていった。
無人の駅は乗客もなくひっそりとしている。冬寒の曇った昼すぎのホームに待つと、また別れの悲しみがわく。黄水仙の咲くホームから、窓に手を振る娘を見送って車に乗る。
人生すべて会者定離。人は皆、悲しみを乗り越えて生きねばならない。負けずにたくましく生きたい。そう思って冬空の町に静かにアクセルを踏む。
志布志市 小村豊一郎(83) 2009/3/4 毎日新聞鹿児島版掲載
一人になる私を案じてか、娘はずっと家にいて、残された仕事を整理して大阪に帰ることになった。妻の実家に寄って、無人のローカルの駅まで送っていった。
無人の駅は乗客もなくひっそりとしている。冬寒の曇った昼すぎのホームに待つと、また別れの悲しみがわく。黄水仙の咲くホームから、窓に手を振る娘を見送って車に乗る。
人生すべて会者定離。人は皆、悲しみを乗り越えて生きねばならない。負けずにたくましく生きたい。そう思って冬空の町に静かにアクセルを踏む。
志布志市 小村豊一郎(83) 2009/3/4 毎日新聞鹿児島版掲載