はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

私の名前を教えて!

2009-03-20 17:02:46 | アカショウビンのつぶやき







私の名前を教えて!






 今日は朝から暖かい。いやいや暖かいを通り越し、日差しの中ではパラソルがほしいくらいで、温度計は24度を越えている。

 庭の花々も一斉に開き、まさに春爛漫。
でも我が家の子たちは頂き物が多いので、名前のわからない花がいっぱい。
何年も名前が分からず、去年やっと判明したトレニアは、花は確かにどこにでもあるトレニアそっくりだが、地面を這うタイプなので、トレニアの親戚とは思えなかなかった。やっと名前がわかって「良かったねえ(*^_^*)」と、話しかけて居たのに、ちょっと場所を変えたところ暮れの寒さで全滅。でも根っこだけは生きていたらしく、小さな芽らしきものがかすかに見える。生き返っておくれ!

 今、一番綺麗なのが、花桃か花梅? 枝にびっしりと花をつけ八重咲きの丸っこい花がとても可愛い。花弁がまるっこいので花梅かなと思うが花桃にも似てる。本当はどちらなのでしょう…どなたか教えてくださいな。

 数日前に仲間入りした小さな花、この子もワカリマセン。まだまだ蕾の名無しちゃんが外にもいっぱいいます。

 裏の空き地では「白雪けし」が開き始めました。楚々として気品があります。でもあちこちに出没してるので要注意かも(>_<)。

花だけでなく雑草も元気になりました。こちらは勝か負けるかの勝負です…。

卒園おめでとう!

2009-03-20 17:00:33 | アカショウビンのつぶやき










 少し関わりを持っている、信愛幼稚園の卒園式に招かれた。
34名の元気な卒園児たちは立派な卒園のセレモニーを見せてくれた。
園長先生の暖かなお祝いのことば、PTA会長さんの励ましとお礼の言葉、それぞれに深い愛がこめられ、神様に祝福されて園を巣立っていく子どもたちに愛のシャワーをいただいたようだった。

 小さな在園生も参加して、お兄さんお姉さんに送る言葉や送る歌を元気よく歌ってくれた。去年の入園式の騒々しさを想い出し、一年間でめざましく成長した子どもたちの姿に先生方の忍耐強いご指導を思い頭が下がる。

 信愛幼稚園で学んだ神様の愛をいつも思いだしてほしい。いつも神様が一緒にいてくださることを信じて強く明るい一年生になってほしい。
こんなに可愛い子たちを待つ環境が暖かいものでありますようにと心から祈りたい。

思いは巡る

2009-03-20 06:13:23 | はがき随筆
 15日で満88才。はるかな思い。小学低学年のころ下校中、橋が流された通学路の激流で二つの岩にまたがり4、5人の友達と一緒に渡してくれた裸の父のたくましさ。また小学1年か2年生の時、授業が終わり有馬先生から全部の答えに大きな赤丸と、100に2条の横線を荒々しく引いた答案用紙5、6枚。風呂敷包みの教科書と一緒に内土間にいた山草履、野良着の母に見せた。その喜び、その輝き。かねては仕事、暮らしに余裕などなく余り表情の無い母。この時の喜びの姿は鮮やかに残り、今では尊ささえ感ずる。思いは巡る人生88年、ありがとう。
   鹿屋市 森園愛吉(88) 2009/3/20 毎日新聞鹿児島版掲載


実家に帰ろう

2009-03-20 05:33:59 | 女の気持ち/男の気持ち
 実家で91歳の母と暮らしている。目下の悩みは排せつだ。ベッドのわきに徘徊用のセンサーマットを置いている。母が乗ったらブザ-が鳴るので、走っていく。
細心の注意をしていても漏らすことがある。
 「赤ちゃんじゃあるまいし……」
 言ってはいけないと思いつつも、□に出る。
 母は悲しそうな顔をして、他人行儀に言う。
 「実家に帰らせていただきます。もう、来ないかもしれません」と。
 母の実家は車で15分くらいの所にある。叔母がI人で住んでいる。母がデイサ
ービスの日には、私の方が出かけて行ってその叔母に愚痴をこぼす。
 叔母は40年前、寝たきりだった祖母を9年間介護した経験を持っている。
  「由井ちゃん、今はいいよね。オムツは洗わなくていいし、福祉は充実してい
るし、お金はあるしね。親をみる人は心配をするのだから、家も土地も、金銀財
宝も、全部もらえばいいのよ。デイサービスの日はゆっくりしなさいね。いつで
も遊びにいらっしゃい」
 お茶を勧めながら、話し相手をしてくれる。
 心が落ち着いてくると、東シナ海の荒波を見ながら鼻歌交じりで家に戻り、母
を待つ。
 母は私の顔を見ると安心するのだろうか、最高の笑顔を浮かべる。
   鹿児島県阿久根市 別枝由井(67歳)
   2009/3/19 毎日新聞「の気持ち」掲載