時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

〈ジウ〉サーガ3 ジウ三部作Ⅲ 129

2010-12-13 | 読書
城西信金西大井支店爆破により
第一小隊が壊滅した
SATの早急に再編のため
伊崎基子は
再びSATに呼びもとされた

基子は
成績優秀者上位5名
白石守・平山・吉田・三上・千葉を率いる
制圧一班に配属となり
訓練に励む日々を過ごす基子だったが…

衆議院選挙に伴う
立候補議員の選挙応援演説警備を
担当することになった基子は
ミヤジの指示通り
応援に駆けつけていた
内閣総理大臣・大沼堅次郎を拉致する

それとほぼ同時に
歌舞伎町に通じる全ての道路が一斉に封鎖され
歌舞伎町は孤立した‘新世界’となり
暴徒と化した人々が銃撃戦を繰り広げる

歌舞伎町を封鎖したミヤジは
総理大臣を人質に
歌舞伎町の治外法権を認めるよう要求する
思ってもいなかったテロ事案
しかも
総理大臣を拉致したのが
基子ら
現役のSAT隊員であると判明し
警察幹部は戦々恐々する

だが
門倉美咲とSATの隊員であり
基子の上司である小野茂夫は
基子がそんなことをするはずがないと直感し
たった2人で
封鎖された歌舞伎町へ乗り込む

一方
基子は…


ミヤジの言うところの
理想世界‘新世界秩序’と
ジウの求める世界は
全然違うモノでした

子供を誘拐するのも
事件を起こしたのも
基子を殺さなかったかも
ジウが発し続けた言葉


我在這里

これに答えがあるのでした

祖国とは
人種とは
己のアイデンティティー
生まれてきた存在意義
色んな要素が盛り込まれておりましたが

その根本は
ズバリ



でした

親はなくても子は育つ!?
と昔から言いますが
近年は
親がいると子が育たない?
みたいな世の中になって参りました

しかし…

基子が
長き渡り封印してきた心の奥にあった
本質‘愛’に気づいて良かった

雨宮崇史
登場する時間が少なかった…
彼の内面をもっと知りたかった
彼の背景にあるモノを
感情の機微を見たかった

門倉美咲は
警察官でありながら
犯人がまとった諸々のヴェールとも言うべきバリアを
難なく通り抜け
その奥にある心の声を
感じ聞き取ることが出来る人物でした

終章での
田辺利憲少年と美咲の会話&シーン
救われました


相変わらず
グロイ表現が多いのには閉口…

歌舞伎町の縮図が
絵空事ではないような
妙なリアルに冷や汗
そうでなくても
足を踏み入れたくないエリア
確実に遠のいた


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