時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

さくらん

2008-11-15 | 映画
桜が満開の春
8歳の少女が吉原<玉菊屋>に売られてきた
‘きよ葉’と名付けられらこの少女
のちに伝説の花魁と呼ばれることとなる
‘日暮’の誕生である



門の外には桜が満開だったのに
遊郭の中の桜の木には何故か花が咲いていない

何度となく遊郭から逃げ出しては
折檻をうけるきよ葉に
「吉原に桜が咲いたら ここから出してやる」
とたしなめる店番の清次にも
「てめえの足で吉原を出てやらあ」
と言い放つ野生児・きよ葉



禿のきよ葉の面倒を見ることになったのは
美と知性を兼ね備えた高級花魁・粧ひ

粧ひ
態度も口も悪く
人になつかないきよ葉に
男に自分が思った通りの言動をとらせる
‘手練手管’を見せ付けるのだった

やがて
粧ひは
金持ちの旦那に身請けされ
全ての遊女が最も夢み
羨望するかたちで吉原を出て行く事になった

それは吉原の門を出て
遊女が生きられる唯一の方法

別れの日
きよ葉は粧ひから
彼女が身につけていたかんざしを受け継ぐ

「吉原一の花魁になってやる」
きよ葉の負けん気に火がついた



17歳になったきよ葉は
「十年に一度の天女」と
楼主が誉めるほどの女に成長していた
きよ葉のはじめての客「突き出し」の相手は
玉菊屋一の上客
花魁・高尾の馴染であったご隠居



鼻っ柱の強さと美貌が気をひき
きよ葉は
一躍江戸中の注目の的となる

そんなきよ葉は
初めて恋に落ちた



遊女は偽りの愛を売る世界に生きるもの
しかし
うぶな青年・惣次郎と過ごす時は
きよ葉にとって真実の時…



その幸せもつかの間
遊女仲間の高尾によって
無残にも引き裂かれてしまう

激怒したきよ葉は
玉菊屋で高尾と大乱闘騒ぎを起す



そんなきよ葉を
「泣いても負け、勝っても負けだ」
清次がなだめるのであった



18歳になったきよ葉に
楼主と女将は花魁になることを願い出る
とまどうきよ葉だったが
清次の「お願いします 花魁」という言葉に心が動く

きよ葉は
名を‘日暮’と改め
ついに玉菊屋を背負って立つ吉原一の花魁となる



身分を問わず
自分を本気で慕う男を大事に扱う日暮は
江戸中の男女の羨望を浴びるようになっていった
そんな日暮の花魁道中に
心を奪われた男がひとり…
由緒正しい武家の出である倉之助



「物入りであろう」と
悪気もなく小判を差し出す倉之助に向かい
「そんなもので自分はなびかぬ」
と一掃する日暮

己の無礼をただ詫びたいと申し出る倉之助謙虚態度に
素直に自分の非も認める日暮
その晩から
倉之助は日暮の馴染となる

そしてある晩
倉之助は日暮を正式に妻として迎え入れたいと申し出たのである
だが日暮は
「吉原の桜が咲けば、自分はここから出て行くつもりだ」
とつぶやく



その言葉を叶える為
倉之助は
本当に吉原を桜でいっぱいにした

そしてあらためて
身請けを申し出るのだが
日暮はまたも辞退した

詰め寄る倉之助に
日暮は妊娠していることを告げる

誰の子かも分からぬ子を産むと言うきよ葉を
倉之助は受け入れるのだが…



日暮が流産してしまう
子供を失った悲しみに打ちひしがれる日暮を
励ましたのは清次

幼い頃から自分を見守り続け
脱走を試みたときも
大失恋を経験したときも
初めて客に愛されたときにも
常に側にあったのは清次ただひとり
どんな時も清次は側にいてくれた
清次…
揺れ動く日暮



清次もまた
倉之助による身請けが決まり
日暮に対する己の気持ちの変化を感じていた

着々と身請け
輿入の準備は進められ
春を迎えようとしている矢先
きよ葉のはじめての客・ご隠居が
久しぶりに彼女を訪れた

「咲かぬ桜はないんじゃよ」

何かを見失いはじめていた日暮に
ご隠居はそういい残して息をひきとる

忘れていた一番大事なことを…

身請される日の朝の事
遊郭内にあるお社脇の桜の木を愛でに出かけた日暮は
儚くも凛と咲く桜の花を見つけた

「自分の人生を生きる」

日暮と清次は
手に手を取って
満開の桜並木の下を歩いてく



いやはや
土屋アンナさんの放つオーラには脱帽

女優としてどうとか
演技がどうとか
そんな理屈では語れない強烈な個性&パワフルさは
異彩を放っておりました

男に翻弄されることなく
自らの道を切り開き進もうとする日暮強さが
なんとも爽快

しかも
そんな日暮を見守り続ける寡黙な清次が
これまた大層カッコイイ



ド派手な色彩とド派手な衣装
映像の美しさも結構楽しめました

椎名林檎さんの独特な世界感も
違和感なく映像に溶け込んでいた気がする

でも
安藤政信さんと成宮寛貴さん
‘髷’とっても違和感(笑)

「さくらん」と言うよりは
時代考証とか台詞とか何それ?
知ったこっちゃない!
「錯乱」って感じの映画です

土屋アンナさんの
爆裂具合をどうとらえるかで
印象が違ってくるかも…

あたしゃ
日暮と清次が吉原から出奔して
桜並木の下を歩くシーンが
ただただ
気に入りましてございます



話はそれますが
「悪夢探偵」「46億年の恋」
ご覧になった方いらっしゃいますか?

マニアックな映画ですよ~
どちらも
安藤政信&松田龍平
出演してます

も~わけわかんない映画
でも見ちゃいましたσ(^^;)



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