時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

千里眼 マジシャンの少女 完全版

2008-12-29 | 読書

雪山で遭難事故が発生
休暇で訪れていた岬美由紀は救出に向かうが
現場に何故か人影はなく…

下山を始めた岬美由紀は
突如
雪崩に呑み込まれる

折しも東京都知事は
お台場の巨大カジノ建設計画を発表
オープニングセレモニーには
天才マジシャン少女・里見沙希が出演していた

ショーが始まったその時
銃声が轟き
会場は
武装集団に占拠されてしまう

彼らの真の目的とは?
利権と巨額の金が動く政治の闇に
岬美由紀が立ち向かう!
クラシックシリーズ第6弾


年末年始に読もうと思って
入手した本も
これが最後だったりしてます

前作『千里眼の瞳 完全版 』で
逃亡を図った鬼芭阿諛子が
再びこのシリーズで登場しています
その登場の仕方も
違和感なくスムーズ

ストーリーの継続性が明快なので
想像力にも一層拍車がかかるσ(^^;)

友里佐知子に引き続き
鬼芭阿諛子との対決にも
終止符が打たれました

二人の前に立ちはだかった
岬美由紀の存在の大きさ
精神的な強さ

後に
日本には岬美由紀がいれば
道を誤ることはない
と言わしめる
片鱗を暗示させている

小学館から発売された『千里眼の瞳』を
すでに読んでいる
と言うこともありましたが

前半と後半に登場する
二人の岬美由紀

二人の微妙なニュアンス違いを
見つける度に
ほくそ笑む小生…

現都知事が提唱したカジノ計画と
ほぼ同時期に出版された『千里眼の瞳』
松岡圭祐氏の発想
先見の明は流石です

防衛大を経て
陸海空それぞれに進路を選ぶ訳ですから
当然
岬美由紀も潜水艇(艦)に対する知識は
あると思うのですが
あり過ぎ?

毎回思うことですが
彼女のあの‘雑学’
いえ既に‘博学’と言うべき
教養の深さには
脱帽します

それは同時に
松岡圭祐氏の知識の広さ&深さ
とも言える訳で…

作家という職業は
誰でもなれるモノではないと
今更ながら
思い知るのでありました

そうそう
短い期間ではありましたが
首席精神衛生官の役職についていた時の
話は語られないのでしょうか…

岬美由紀の
戦闘機やF1マシーンを操るような
派手な見せ場はないと思いますが

政治の世界の裏側に
ゲンナリする岬美由紀も
ちょいと見たい気がするのであります

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