「人生の面白さってものは六十五過ぎてからわかるようになりましたね。それまでは過去のしきたりを踏まえにゃならんから、どうしても遠慮があるわけですよ」 水木はまたおもむろに口を開いた。私は大きく頷いた。自分が??面談三十分??の適用外の人間と知らされてからというもの、こちらもいくらか鷹揚である。 水木は急に私を指差した。 「そうなんです! 人生の新発明は六十五歳以降なんです! ゲーテも……」
=@『妖怪と歩くドキュメント・水木しげる』 (文春文庫) 足立倫行 著
この人は、まったくおもしろい人物である。どこか画家の岡本太郎に似ているし、古い白黒写真に残る南方熊楠の風体にも似ているような気がする。
本書の最初の辺りの、「本当は、目に見えないものを形にするのが件p本来の姿であり、人類が大昔からやってきた正統派的なことである。それを世間はオモチャ扱いするんだから、おかしい」・・・という水木の言葉は、たちまち私に、空気とその動きである風を連想させ、『星の王子様』の「本当に大切なものは目には見えない・・・」という一文を思い出させた。
=@『妖怪と歩くドキュメント・水木しげる』 (文春文庫) 足立倫行 著
この人は、まったくおもしろい人物である。どこか画家の岡本太郎に似ているし、古い白黒写真に残る南方熊楠の風体にも似ているような気がする。
本書の最初の辺りの、「本当は、目に見えないものを形にするのが件p本来の姿であり、人類が大昔からやってきた正統派的なことである。それを世間はオモチャ扱いするんだから、おかしい」・・・という水木の言葉は、たちまち私に、空気とその動きである風を連想させ、『星の王子様』の「本当に大切なものは目には見えない・・・」という一文を思い出させた。