庭戸を出でずして(Nature seldom hurries)

日々の出来事や思いつきを書き連ねています。訳文は基本的に管理人の拙訳。好みの選択は記事カテゴリーからどうぞ。

少々重たい話だけれど

2016-03-25 14:22:00 | 仏教
重たい話だけれど・・・合法的に人を殺すことを死刑と言う。法律家は「違法性が阻却される」などと言う。歴代法相の中にも執行命令を出さなかった人もいる。鳩山邦夫のように1年で13人、今の岩城光英は半年で4人・・・の人を殺した人もいる。

この違いはどこから出てくるのか。やはり、人間・生命・自分自身を「どう見ているか」の違いにちがいない。

「どんな人間も悪魔にするのだから、私は戦争に反対し、どんな人間も悪魔ではないのだから、私は死刑に反対する」と言ったのは、加藤周一だった。悪逆非道の性分は、法務大臣という部分権力の人間の中には皆無なのか。

そんなことはない。どんな人間も戦争の現場では悪魔にされるではないか。どんな悪人も母の胎内から奇跡のように生まれ出るではないか。

仏法には、十界、十界互具、百界千如、一念三千の根本法理がある。一端を言えば、地獄のような極悪の生命の中にも、尊極の仏の生命が厳存しているという、容易には理解することも信じることもできない内容だ。


しかし、この深淵な法理の大樹の一葉でも、自分の中に感じ想うところあれば、一人の人間の生命を抹殺せよ・・・などという命令を出せる訳がないだろう。

ことのついでに、「戦争に行って人を殺して来い」と命ずる人間たちと同じく、「法に則って人を殺せ」と命ずる人間たちに、「あなた方は間違っている」と、ここでも言っておきたい。
コメント
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