母がこれを書いたのは、フロリダのガルフ海岸のキャプティバ島の砂浜近くにあった小さなコテージに滞在中のことである。多くの人達が、その小屋が何処のどれであったかを知りたがった。しかし、フロリダの友人が最初にその場所を見つけた時にはすでに、とうの昔にその小屋は無くなっていたと話していた。長いことその話しが本当だと知りながら、それでもなお、私は母が1955年に著した「海からの贈りもの」一冊を持って、最近の一週間をキャプティバ島で過ごした。ただ単に私自身に「穴を通すため」(注)に。私がメキシコ湾の海岸で探していたのは作家の小屋ではなく、作家の死やその後に残された遺産の経過、公にされた家族の歴史に関係する祝事や行事、そして私的な私たち家族についての暴露話や議論の幾つかについて調べるためであった。私は再び、助けを求めて彼女に目を向けていた。(前書き3につづく)
(注)原文の"Reeve"は、筆者の名前「リーブ」と、動詞としての"reeve"「ロープなどを穴に通して固定する」という意味をかけている。


(注)原文の"Reeve"は、筆者の名前「リーブ」と、動詞としての"reeve"「ロープなどを穴に通して固定する」という意味をかけている。

