アカデミー賞で、この人の顔を見ない年はないんじゃないかしらというくらい ノミネートの回数が多い(18回!!)メリル・ストリープ。演技だけでいうなら、一昨年 主演女優賞を獲った『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』より 寧ろ今作かも。
『8月の家族たち』(5/14 劇場にて)
原題:AUGUST: OSAGE COUNTY
制作国:アメリカ(2013年)
監督:ジョン・ウェルズ
脚本:トレイシー・レッツ
出演:メリル・ストリープ(バイオレット)
ジュリア・ロバーツ(バーバラ)
ユアン・マクレガー(ビル)
クリス・クーパー(チャールズ)
アビゲイル・ブレスリン(ジーン)
ベネディクト・カンバーバッチ(リトル・チャールズ)
ジュリエット・ルイス(カレン)
マーゴ・マーティンデイル(マティ・フェイ)他
原作は戯曲なんですね。戯曲(舞台劇)由来の喜劇って事で、「
大人のけんか」が思い起こされます。本人達はいたって真剣。喜劇どころか悲劇的にさえ感じている出来事が、端から見ると なんとも滑稽で...。やはりブラックコメディである「
ブルージャスミン」のケイト・ブランシェットが、今年のアカデミー主演女優賞を射止めた訳ですが、メリル・ストリープの迫力たるや 決して引けをとりません。若干 力業の感もありますが。ただ、肌理の細やかさで ケイト・ブランシェットが一歩リードしていたでしょうか。
一族郎党、問題のある奴ばかり。父の失踪、そして死という局面で 一堂に会する訳ですが、いろんな秘密が次々に露見します。物語については好き好きがあろうかと思いますが、今作の持ち味は 役者陣の演技力の高さにあるといえます。メリル・ストリープは 言わずもがなですが、特筆すべきは ジュリア・ロバーツで、彼女が あんな演技派だなんて知りませんでした。ユアン・マクレガーにしても、彼と知っていても まるで別人。兎に角 なんともリアリティのある場面の連続で、それぞれ オクラホマに実在している様で、なんだか役者に見えない程です。そして、忘れてならない ベネディクト・カンバーバッチ☆ 味のあるへなちょこ男を好演です。