22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた、広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のように激しい
恋だった、それは行く手をのかたちあるものを残らずなぎ倒し、片っ端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり
完膚なきまでも叩き潰した。
インドの森を気の毒な一群の虎のごと熱で焼き尽くし、ペルシャ湾の砂嵐となってどこかエキゾチックな城塞
都市をまるごと一つの砂に埋めさせてしまった
見事に記念碑的な恋だった、恋に落ちた相手はすみれより17歳年上で結婚していた、さらにつけくわえるなら
女性だった。
その女性は貿易商をするミュー 彼女のもとで仕事をし海外へも随行した。
イタリアへワインの買い付けに行った際に取引先からギリシャにうかぶ小さな島のコテージをかりて
バカンスを楽しんだ・・
ミューは不思議な感じの女性、韓国籍で頭が白髪で不思議な魅力のある女性
その島ですみれが行方不明になる・・・
不思議な感覚が残る作品だった・・