里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

プール育苗'23~種播き

2023年04月10日 | 水稲プール育苗

プール育苗の種播きをしました。
多少の変更や改善を加えつつ基本的なやり方は10年以上変わっていません。
すでに前日に苗箱はプールに並べてあります。
例年のごとく早朝から準備を始めます。途中から助っ人の応援がありました。
種籾は一昼夜半かけ芽出しを終えています。
種籾はタンクから引き上げ水を切った後、ゴザに広げて水気を取ります。


乾かすのではなく播きやすい程度まで水分を少なくします
目標通り100%の完全な芽出しになっています。


加温器を使わない無加温育苗でも、完全に芽出しがされていれば少なくとも発芽不良になることはまずありません。
一般には鳩胸程度がよいとされていますが、完全発芽しても手播きなので支障はありません。
播種量は1箱当たり乾籾で120~130g。催芽籾で約230CC。
実際には我が家では1升マスで測り、それで7箱半を目安に播いています。


種播き前に苗箱にごく軽く散水します。これは土を少し湿らせて種籾の播き具合を見やすくするためです。


種播きは手作業で行います。
1枚ごとに仕上げるのではなく、目安の枚数を薄めに播き、その後補正するようにしています。
この程度の仕上がり。


手播きなので籾がプールに多少はみ出しますが、特に気にしません。
プール育苗を始めるずっと前、昔々の話しになりますが、何年か手回しの器械を使っていたことがあります。
しかし、プール育苗を始める以前の両親健在の頃から箱を並べて手播きする方法になりました。
器械を使うには3人は必要ですが、手播きなら一人でも可能。
これで半分終わりました。ここで助っ人が応援に来てくれました。


播き方終了です。


次は灌水。
これが最も気を遣います。
発芽してシートを剥ぐまで土が乾かないように、且つプールに水が溜まらないようにします。
分かりにくいかもしれませんが、目安は育苗箱の表面に水がわずかに浮き出る程度。


一度掛けで済まそうとすると掛けムラが出やすい。何度か往復し土に水を馴染ませながら灌水します。
次に覆土。
目安は種もみが隠れる程度。


覆土も一度で済まそうとするとムラになりやすい。
一通り土を掛け終わると水分が上がり覆土の薄いところが見えるようになってきます。そこで種籾が見えるようなところを補正します。


次にシートを掛けます。
まず不織布(ラブシート)。


その上にシルバーポリトウ(80#)。


シルバーポリトウはしっかり密着するようにします。直管パイプを押さえに使います。


昔はシートはシルバーポリトウ1枚だけで、葉焼けが出やすかった。
不織布(ラブシート)との二重掛けをすると葉焼けは軽減されます。
これで種播き作業は終了です。
このままの状態をほぼ1週間ほど保持します。
このやり方は一連の種播き作業を2日に分散でき、重い苗箱の移動をしなくて済みます。
大規模生産には向かないかもしれませんが、高齢者や小規模生産には適した方法と思います。


プール育苗'23~苗箱並べと催芽(芽出し)

2023年04月09日 | 水稲プール育苗

プールに苗箱を並べ、同時並行で種籾の催芽(芽出し)を行いました。
種播きの前日の準備作業です。
作業中はハウスの屋根に遮光シートを掛け、換気をせずに気温を下げます。


我が家では種播きをする前に土入れした育苗箱を全て並べてしまいます。
通常は種播きから覆土まで終わらせてから並べるのが普通です。
昔は色んなやり方を試行しました。この方法が前日から作業が出来、体への負担も少ない。
すでに育苗箱には土入れを終えています。


ハウスの両方の妻側に積んであります。


両方の妻側から近い方のプールに苗箱を運んで並べていきます。


通路は広いのでそれぞれの通路から1列ずつ並べていきます。
プールの両端は1箱分くらい開けるようにして並べると入水する時や苗箱を移動する時などに楽です。


プールの枠と苗箱の間隔は数㎝開けて入水時の水の流れをよくします。


並べる時に注意しなければないのは乱暴に扱わないこと。
苗箱には乾いた床土が厚さ1㎝しか入っていないので床土が動きやすい。
種播きから灌水、覆土まで終わらせてから並べるのと比べると重さは半分もなく楽です。
体への負担が少ないので高齢者にとっては何よりですが、それでも無理しないことが肝要。
これで1/4が終りです。


同様に両側から並べて苗箱並べは終了です。


苗箱並べと同時平行で種籾の催芽(芽出し)を行います。
普通は鳩胸程度の芽出しがよいとされていますが、我が家の目安は100%の完全な芽出し。
寒冷地では発芽器で加温すれば発芽に問題はありません。
しかし、我が家のような無加温育苗では発芽が一番の問題になります。
そこで、まず種播きの段階で完全に芽出しをすることでリスクを軽減させます。
種播きは器械を用いず手播きするため完全に芽出しをしても支障がありません。
我が家では催芽器を所持しないので芽出しのやり方も小生流です。
浴室のシャワーから塩ビパイプでお湯をタンクに引き込む簡単な仕掛けをします。


引き込み時のお湯の温度は35℃くらいに設定し、種籾をお湯に漬けます。


温度が25℃くらいに下がったところでお湯を入れ替えます。
お湯を数回入れ替えれば十分です。


大概は一昼夜でほぼ芽出しができますが、完全芽出しのため余裕を見て1昼夜半掛けるようにしています。
これで種播き前日の苗箱並べと催芽(芽出し)は終了です。


プール育苗'23~育苗箱に土入れをする

2023年04月07日 | 水稲プール育苗

育苗箱に土入れをしました。
ここ何年かプールを作る前に土入れの方が早くなっていましたが、今年はプールを作った後になりました。
我が家ではどちらでも作業に支障はありません。
それにしても昔に比べ箱数は大幅に少なくなりました。
両親が健在だった30年ほど前からみると生産調整の拡大や道路の拡張で面積はほぼ半減、育苗方式も成苗から稚苗へと変わって箱数は1/3近くまで減りました。
事前に育苗箱と培土はハウス内に運び込んおき、作業は全て育苗ハウス内で行います。


各種の資材が上がっていることから今年は植付け株数を減らすことにしました。
したがって育苗の箱数も減らします。
ハウスのスペースは十分に余裕があるのでほぼ半量ずつ両妻で行います。
プールに運ぶのにはその方が都合がよい。
土入れは全て一人作業です。
毎年もっと効率的な作業のやり方はないものか考えるのですが、結局今年も同じやり方になりました。
シートを2重に敷きます。


それに育苗箱を5枚並べます。


育苗箱の底には紙シートを敷きます。


今はシートが必要ない育苗箱も出ていますが、この育苗箱は何十年も使っているもの。紙シートを敷くのは必須です。
培土は市販のもので、1袋で9箱分、覆土分も含めると1袋で7箱余りになります。
昔は自分で土を取りピートモスと肥料を混合して作っていましたが、負担が大きく今はとてもやる気になりません。
価格が上がっているのは痛いですがやむなしです。
培土を育苗箱に少し多めに入れます。


ならし板を使って培土を厚さ1㎝に入れます。


このならし板は市販のものに培土が少なくなるよう細工しました。


プール育苗では培土の厚さが1㎝程度まで節約することが可能です。
溢れた培土はシートを持ち上げて寄せ、次に並べた育苗箱に入れます。


これの繰り返しなのですが、他の方法がなかなか思いつきません。
土入れが終わった育苗箱は適当な高さにに積んでおきます。


直射を防ぐよう覆いを掛け、しっかり縛っておきます。


このようにすると地震があっても容易に崩れません。
反対の妻側にも同様に土入れした育苗箱を積んでおきます。


作業が二日に跨がってしまいましたが、これで土入れは終了です。


プール育苗'23~プールを作る

2023年04月06日 | 水稲プール育苗

プール育苗のためのプール作りをしました。
助っ人の応援を得ての二人の組み作業。一人でも出来ないわけではありませんが、二人だと倍以上はかどります。


最初は黒ポリマルチ張り。
ハウスは余裕がありすぎるほどなので、プールは育苗箱2枚が並ぶ幅に作れば十分です。
それには幅135㎝の黒ポリマルチが丁度。このマルチ幅がプールになり計測や目印も必要ありません。
昨年マルチが張られた跡でほぼ張る位置が分かります。
目印を付け、両側から黒マルチを引き伸ばします。
手前から順に両側を二人で引っ張りながら適当な間隔に丸皿付きピンで止めていきます。


中央と両サイドの通路を約60センチにして黒マルチを張ると一輪車が通れます。


次にプールの枠になる抜き板を立てます。
黒マルチに合わせて抜き板を立てるだけでぴったりのプール幅になります。


丸皿を外したマルチ止め用ピンで抜き板3カ所に刺して枠を立てると非常に簡単にできます。


次にポリシートを2枚敷きます。ポリシート1枚では傷が付くと水漏れが心配です。
昨年までは使い古しの透明ポリを下に敷いていましたが、ことしは2枚とも新品。
まず1枚目。


所々を洗濯ばさみで仮止めしておきます。


その上にさらにもう1枚透明ポリを敷きシートを2重にします。


幅が180㎝のポリシートがこのプールにぴったりです。
但し、ポリはマルチ用ではなく厚さ0.03㎜のトンネル用ポリを用います。
仮止めの洗濯ばさみをはさみ直します。


さらに透明ポリの周囲を直管パイプで押さえます。


これでプール作りは完了です。


昔は幾つかの作り方を試行しましたが、現在の方法にしてから10年以上経過します。
現在はプール育苗の専用シートも出ていますし、個々の条件によって色んなやり方が考えられます。
我が家と全く同様という方はおそらくいないでしょう。


プール育苗'23~プール作りの準備

2023年04月05日 | 水稲プール育苗

間もなく水稲の苗作りが始まります。
今年も育苗はプール育苗です。
小生が長く勤め人稼業との二足のわらじを履き続けることが出来たのは助っ人達の応援とともに、このプール育苗のお陰と言っても過言ではありません。
プール作りは一人でも可能ですが、二人でやるとよりスムーズにできます。
助っ人の応援を得る前に、準備万端整えておきます。
屋根には日よけ用の遮光シートを掛けています。
まず、ハウス内を整地します。
ハウスのビニールを掛ける時に一度掃除はしているので今年は比較的綺麗です。
雑草防止と均平を保つために張ったままにしていた古い黒マルチは外します。


過去にはイノシシが侵入して傷められたこともありますが、今年は傷みが少ない。
マルチ止めを抜いてマルチを剥ぎます。


少し草は生えてきてはいますが、わずか。主に生えているのはスギナです。


プール育苗で一番重要なのは地面を均平にすること。
前の年プールに水を張った時に高低差をチェックして毎年調整しています。
プール育苗を始める前は10㎝以上の高低差がありましたが、長年調整を繰り返し、高低差はほとんどなくなりました。
プールになる位置を確認。


黒マルチを張りっぱなしにしているので傷みが少ない。
今年も大きな土の移動は必要ありません。
但し、竹の根が張り出し、これを掘り上げたため多少調整が必要です。
部分的なので水準器で確認しながら均平を図りました。


あとは多少の凸凹をレーキで軽くならしながら整地します。


そして、ほうきで掃除し、ハウス内の整地は終了です。


次は資材を準備します。
1、プールの枠を作る抜き板
2、プールに敷く透明ポリ(厚さ0.03㎜、幅180㎝、長さ100m)
3、マルチ用黒ポリ(厚さ0.02㎜、幅135㎝、長さ200m)


4、マルチ止め用丸皿付きピン(先ほど抜いたばかりのもの)
5、木枠を止めるマルチ止め用ピン(丸皿を外したもの)
6、ポリシートの仮止め用洗濯ばさみ


7、ポリシートを抑える直管パイプ(古材)


昨年まで、プールの下敷きにする透明ポリは使い古しの透明ポリを使っていました。今年は全て新品にします。
少々費用は嵩みますが、片付け時に手間取るので昨年は取り置きをしませんでした。
あとは古くなり傷んだマルチ止め用の丸皿付きピンを若干補充した程度です。