里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

お盆にはやはり提灯に灯りを灯す

2024年08月14日 | 暮らし

当地方のお盆はいわゆる月遅れ盆。8月13日から16日までが普通です。
今年も盆の入りの13日の夜には盆提灯に灯りを灯しました。
13日は先祖の霊をお迎えする習わしのあるお宅が多いのではないでしょうか。
我が家の菩提寺は浄土真宗本願寺派のお寺さんです。
浄土真宗ではお盆に先祖の霊が帰るという概念はなく、そもそもはお迎えの必要もありません。
浄土真宗は往生即成仏の教えです。親鸞聖人の名言「善人なおもて往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」。
全ての人は亡くなると同時に成仏し極楽に行けるので霊になって迷うことはないと言うのです。
ですから、浄土真宗では故人が成仏できるようにと行う追善供養と言う形式がなく、他宗派で見られる卒塔婆もありません。
このようなことからすると本来はお盆に提灯を飾ることもないはずなのです。
両親が亡くなり、世話人を仰せつかってほぼ30年。
勤め人稼業と野良仕事の二足のわらじ時代には深く考える余裕もありませんでした。
これまでの習わしを何とかこなしていたというのが実状です.
多少考えるようになったのは勤め人稼業リタイヤ後。
父の代わりを務めるようになってから親戚や地域の多数の仏事に関わってきました。
助っ人宅は同宗派ですが、他宗派の方がはるかに多い。
浄土宗、真言宗、曹洞宗、臨済宗妙心寺派、同東福寺派などほぼ同数と言ったところ。
そんな中で浄土真宗は他宗と一目で違うことが幾つかあります。
まず坊さんは剃髪しておられません。
法名は釋〇〇で居士等は付けない(菩提寺では昔は居士、大姉等と付けていました)。
卒塔婆がないので当然墓地には卒塔婆立てもありません。
線香をあげる際には香炉に立てるのではなく寝かせます。
焼香する際はお香は額に押し頂かずにそのまま香炉に(本願寺派は1回)。
仏壇には位牌ではなく過去帳か法名軸を置く(当地では位牌が普通でした。我が家も同様)。
しかし、地域には色んな宗派が混在するため、自然に最大公約数的な習わしが出来上がってきたのでしょう。
当地方では、昔から、親戚間で初盆に盆提灯を送る風習があります。
我が家でも両親が亡くなった折りにいくつか頂きましたし、その前からの提灯もあります。
浄土真宗の教義から言えば本来必要ないものなのかもしれません。
しかし、菩提寺の歴代のご住職は地域の習わしをより大事にし何も仰いません。
幼少の頃は沢山の盆提灯を吊したものでした。
もちろん今はそのようなことはしませんが、今年も例年のように立て型の盆提灯を二つ用意しました。


夕方に灯りを灯します。


迎え火は昔から焚きません。精霊馬等の飾りものも昔からしません。
盆棚は昔は作っていましたが、今は通常の仏壇のままです。
但し、ご飯、お萩、果物、菓子などのお供えをします。
本来これらは故人に捧げるのではなく故人を偲びつつご本尊阿弥陀如来に捧げるのが本旨とされます。
かつて仏壇には所狭しと位牌が置いてありました。数年前、懸案だった過去帳へと変えたため余裕です。
墓参りは14日が習わしでしたが、近年はあまり拘らなくなりました。
我が家でも13日にお参りしました。


周囲を見るとすでに半数はお参りを終えているようです。
昔からみると集落のお参りの風習も大分変わりました。
お供え物は鳥獣に荒らされるので帰る際は必ず片付けるよう申し合わせをしています。
それでも外部から来られる方なのかそのままのケースもまま見られます。
昔、我が家には古い墓地が別にありました。それを父の一周忌を機に皆ここに寄せました。
天明や嘉永などの文字が確認できる墓石もあります。


30年ほども経ち、過去帳も整理したのでシンプルで管理の容易な墓地に改修しようかと思案しているところです。


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2 コメント

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Unknown (クリン)
2024-08-14 12:59:19
お墓参りおつかれさまです🍀✨✨✨
ご先祖さまの存在を尊くかんじるお墓ですね💎
浄土真宗は独自性があるときいておりましたがこういうお盆なのかと・・拝読し勉強になりました🐻✨
クリンたち、盆提灯が大好きで💛この時期ウキウキしてしまいます✨←罰当たり⚠
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Unknown (kazmelon)
2024-08-14 14:57:47
クリンさんへ。
コメントありがとうございます。
浄土真宗の本旨から言うと我が家のやり方も大分外れているのかもしれません。
盆提灯は地域の習わしですから優先されてもいいのだと思いますね😄
田舎の仏事も当然ながら年々変わってきています。
さすがクリンさんハイカラですね👍
表現が古くてスミマセン😅
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