里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

干し柿づくり'23~皮剥き

2023年11月20日 | 干し柿づくり

今年の干し柿用の「蜂屋柿」は大豊作
昨年の大不作から見れば天と地ほども違います。
昨年は成らない分大玉でしたが、今年は成り過ぎだけに当然ながら昨年より小さい。
出来るだけ小さいものは除き、段ボールで山盛り6箱ほど。


昨年は200個余りでしたが、今年は倍以上はあるでしょう。
昨年は別として、例年500個程度の干し柿を作ってきましたが、老体の身には負担が大きくなってきました。
そろそろ300個くらいに減らそうと考えていたところでした。
しかし、今年のように沢山成るとどうしても多く穫ることになってしまいます。
小さい柿はモチベーションが落ちます。300g程度あれば望ましい大きさです。
昨年は数は少ないながら大概大玉で、400g級の特大玉もありました。
今年は小さいと思いましたが、以外にそうでもありません。さすがに特大玉はないものの300g級はかなりあります。
右から大玉、中玉、小玉。数的には中玉が多い。


大玉の比率は低いながら絶対数は昨年程度はありそうです。大玉は贈答をメインにします。
皮剥きのやり方は例年と変わりません。
今年も文化財級の道具を使用します。年一度の出番です。


小生の幼少期からあったと思われる皮取り器(木製ピーラー?)とナイフ。
1年経っても殆ど変わらず錆も付いていません。
黒光りしているのは汚れているのではなく、柿渋によるもの。
この柿渋が防錆効果があるのです。軽く研ぐだけで十分。
皮剥きのやり方については例年と変わりませんが、一通り流れを記します。
まずは通称肩回し。ナイフを使ってヘタの周りの皮を剥きます。
ナイフの背の先を柿の軸にあてます。


軸をテコにし一回しして皮と一緒にヘタを取り除きます。


剥く時は、ナイフは動かさずに柿の方を回転させます。これが大事。
さらに、肩の部分をナイフで1回しか2回しします。


大きな柿は2回しした方が後の作業がやりやすい。
ナイフを動かさず柿を回すことで早く綺麗に剥けます。機械剥きで柿の方が回転するのと同じ理屈です。
次に皮取り。
皮取り器は利き手の親指と人差し指で鉛筆を持つような形で持ちます。


中指、薬指、小指を柿に添え、柿をテコにして皮取り器を動かします。
柿を持った手も左右に動かしながら先端まで一気に剥きます。


途中で止まらないようにして細く剥くと綺麗に仕上がります。
発泡スチロール箱一つ分終了。


昼食後直ちに開始し休みなしで頑張ったものの、結局残業となりました。
数は数えていませんが、吊す段になればハッキリします。
これは一晩おき早朝写したもの。


本来は、皮剥きから吊すまでを一連の作業として終わらせるべきものです。
今、我が家では翌日に硫黄燻蒸し吊すため、二日がかりの作業となっています。
小生が何故皮剥きの作業を容易にできるかについては以前にも書いています。
昔、我が家は柿園があり干し柿の生産農家でした。
干し柿を作る時期は11月の限られた期間に集中するため猫の手も借りたい状況になります。
子供も手伝いするのが当たり前。小学校高学年ともなれば完全に剥き手の一員にカウントされていました。
小生も通算すれば万の単位の柿を剥いています。
しかし、長じては柿穫りはしたものの、皮剥きをした記憶は殆どありません。
小生が再開したのは母が亡くなった平成13年から。
雀百まで、一度乗れた自転車はブランクがあっても乗れるのと同じ理屈です。


水墨画「蜂屋柿」

2023年11月19日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙   


干し柿に用いられる代表的な品種「蜂屋柿」。
当地で干し柿にされるのも殆どが「蜂屋柿」です。
昔から当地の通称は「とやま(富山?)」。謂われは定かでありません。
しかし、少し調べてみると富山から伝わってきたのではないかと言う推論が成り立ちそうです。
柿は長い年月の間にその土地にあった品種が定着し在来化しました。
我が家にも幼少の頃は甘柿、渋柿とも色んな品種が植えられていました。
富山の干し柿用品種は「三社柿」と呼ばれているらしいのですが、よく似ています。
そして、その干し柿の製法は岐阜県から伝わったと言います。
岐阜県と言えば「蜂屋柿」発祥の地、美濃加茂市蜂屋町。
柿の姿形を見ても伝搬の可能性が何となく見えて来ないでもありません。
もっとも美濃加茂市蜂屋町の蜂屋柿は「堂上蜂屋」として別格の扱い。
その保存木を接木したものからだけ生産、栽培から干し柿の製法までを厳密に管理し、ブランド化されています。
「蜂屋柿」はボリュームのある円錐形の姿が特徴です。
少々、厳密に言うと完全な円形ではなく僅かに四角に肩の張った円錐形です。
特に大きなものになるとその特徴がよく現れます。ただ水墨での表現は難しい。




アスパラ菜はわき芽(子茎)の収穫がピーク

2023年11月18日 | 畑:花菜類

アスパラ菜は11月早々から穫り始めました。9月14日に直播きしたもの。
主枝(親茎)の収穫は順調に全て終わりました。
そして、主枝の収穫が終わる間もなくわき芽(子茎)を穫り始めました。


たちまち収穫のピークとなりました。
1株から複数の子茎が穫れるので、わき芽の収穫に入った時がアスパラ菜の収穫最盛期です。


アスパラ菜の長い収穫期間の中でもこの時期が質、量とも一番で、アスパラ菜の旬と言えます。


主枝(親茎)は太いわき芽が穫れるよう数芽残しで切っています。
但し、数芽残しで切ると言っても、実際は節間の詰まった下の方からもわき芽が出てきます。
そのため穫れる本数はさらに多くなるのが普通です。


花の咲き始めに穫るのが望ましいのですが、アスパラ菜は花が多少咲いても問題ありません。
わき芽が次々と伸びてくるので蕾のうちに穫るのはなかなか難しい。
わき芽(子茎)は2、3芽残しで切ります。


これも多く残せば、これから出るわき芽(孫茎)の本数は増えます。
しかし、細く短くなります。
子茎の本数が多い株は1芽残しでもいいくらいです。
これが切った後。


すでにわき芽(子茎)まで収穫の終わった株もあります。


中心の少し変色した切り跡が主枝(親茎)、周りがわき芽(子茎)の切り跡です。
ここからさらにわき芽(孫茎)が伸びてきます。
収穫したアスパラ菜。


茎が太く充実しています。
茎は太くても十分軟らかく、花、葉含め全て美味しく食べられます。
ナバナ類の先陣を切るのはアスパラ菜ですが、それに続くのがこの寒咲花菜。


若干播き直した株はあるものの今年は全体的に揃っています。
想定よりも進んでおり、花芽がハッキリと見えてきました。


今月中には確実に穫り始めることになるでしょう。


中晩生ハクサイ「郷秋80日」を穫り始める

2023年11月17日 | 畑:葉菜類

中晩生ハクサイを穫り始めました。
品種はトーホク種苗の「郷秋80日」。外葉が大きく大玉になる品種です。
8月28日に直播きしたもの。ちょうど80日に達します。
生育は順調で、気温が高く経過したので想定よりは生育が進みました。


追肥土寄せの効果も十分だったようで揃いは良く大株になっています。


目立った病害虫や生理障害も見られません。
小生は無農薬栽培ではないので、必要な薬剤散布はします。
収穫まで十分な日数があることを確認し適期に防除すれば、心配は無用です。
例年大玉過ぎる傾向にあるため株間を狭くしていますが、その分畝間が埋まってきました。


現在、全体的には7、8分結球といったところでしょうか。


手で触って確認し、結球の進んだものから収穫します。
結球が進んでいるこの株を穫ってみます。


中晩生種なので大きく、優に3㎏は越えているでしょう。


この時期から中晩生種を穫り始めることは、過去には殆どありません。
何時もならまだ早生種を穫っているところです。
今年は早生ハクサイがシンクイムシ(ハイマダラノメイガ)で壊滅。
9月11日に早生ハクサイの播き直しを試すこととなりました。通常なら当地の晩限を越えています。
これが播き直しの早生ハクサイ「錦秋60日」。残り種を使用したもの。


9月以降も気温が高く、11月に夏日を記録したほどで、想定以上に生育しました。
早生種なので一定の枚数が確保できれば気温に反応し、結球します。
6,7分結球といったところでしょうか。今月中にはほぼ完全結球しそうです。
当然のことながら小玉。しかし、いわゆるミニ白菜よりは大きい。

右が「郷秋80日」、左が「錦秋60日」。


播き直しの早生種も十分使えそうなので、中晩生種と合わせどう収穫していくか考えます。
ハクサイは冬囲いにも回すためその辺を考慮しないといけません。
収穫した「郷秋80日」を半分に切ってみました。黄芯系ハクサイらしい綺麗な色になっています。


ほぼ完全結球と言っていいでしょう。これががっちり結球すればさらに重くなります。
当地方ではやはりハクサイが秋冬野菜の筆頭格。ようやく役者が揃ったと言ったところです。
ところで、隣家は非農家なので、時折野菜を差し上げます。
事前に間に合っている野菜を確認、夏は袋で持って行きますが、秋はこのように畑から直接一輪車で持って行きます。


一頃より市場価格は大分下がってきました。これからさらに価格は下がるでしょう。
しかし、生産者価格は下がっても流通コストや人件費は上がっているので店に並ぶ時にはそれほどは下がらないかもしれません。







秋キャベツ「あまいキャベツあまみさき」は大玉で良好

2023年11月16日 | 畑:葉菜類

秋キャベツ「あまいキャベツあまみさき」を穫り始めました。


秋キャベツは2品種作っています。
トーホク種苗の「あまいキャベツあまみさき」と「あまいキャベツ愛心(あいごころ)」。
ともに種播きが7月16日、植え付けは8月7日。9月4日に追肥土寄せ。
10月10日頃から「あまいキャベツ愛心」を穫ってきました
非常に早く結球しますが、今年は特に小玉。腐敗株の発生もあって作柄は不良です。
ほぼ収穫は終り、「あまいキャベツあまみさき」に移行します。
この品種は旺盛で外葉が大きく下葉がやや垂れます。しかし、今年は比較的締まっています。


こちらは腐敗は出ていませんが、芯止まりになっている株が若干見られます。
シンクイムシ(ハイマダラノメイガ)の被害と思われます。
正常なものはすでに完全に結球しており、肥大も良好です。


僅か残っている「あまいキャベツ愛心」と比べると違いが分ります。
右の小さい株が「あまいキャベツ愛心」、左の大きい株が「あまいキャベツあまみさき」。


芯止まりになった株を除けば揃いも良く大玉になっています。


「あまいキャベツ愛心」が良くない分、昨年よりも穫り始めは早くなりました。
11月になってからも気温が高くぎっちりと結球してきました。


穫ってみます。


完全結球しており、ずしりと重く2㎏はありそうです。
このキャベツは名前のとおり軟らかく甘い。
収穫遅れでの裂球が心配にはなります。ただ、今年は年を越して残ることはなさそうです。
こちらは冬キャベツ。


品種はトーホク種苗の分りやすい品種名「寒玉キャベツ」。
こちらの生育は極めて順調。気温が高いので想定より進んでいます。
年内に完全結球するものがあるかもしれません。春先まで穫るつもりなので、あまりに早く結球すると凍害は多少心配になります。
こちらは春キャベツ。タキイ種苗の「金系201」。


植付け時は小振りの苗でしたが、気温が高いので順調に生育しています。
キャベツは10月から6月までの連続収穫を目指していますが、どうでしょう。