カシオ・プロトレック、 方位/気圧/高度/温度など多彩なセンサーを持つ腕時計だ。
買った動機は、なにより方角が分かること。
なぜ方角が必要だったかは、14年前の出張時のハプニングに理由がある。
1994年、アメリカ出張の途中で、オハイオ州のとある田舎町に着いた。
そこでの初日、仕事が終わって一旦ホテルに戻り、車で夕食に出かけることにした。
暗くなった道をホテルから5分ほどの地点で
「ここを右折したとこに確か、昼間レストランが見えたな」
と右折したんだが、
「ヤバイ、ハイウエイへの入り口だ」
道を間違えたことに気付いたときには遅く、停車してバックすることは危険なので、仕方なくそのまま本線に乗った。
着いた初日で土地勘もなく、自分がどちら方向へ向かっているのかさっぱり分からない。
田舎のハイウエイは照明がほとんどなく、遅い時間ともあって交通量も少なく、自車のヘッドライトが照らす範囲しか視界が効かない。
しかもここはアメリカだ。 夜のハイウェイで車を止めて道を聞くなんて、危険すぎてできない・・・
当時はカーナビなんて無く、とてつもなく心細い。
左手には大きな満月が、低く空に浮かんでいるのが見えた。
「あせるな 俺。 次の出口で出て、一区間戻ってくればいいだけじゃないか」
と、自分に言い聞かせる。
暗い道を10分ほど走ったころだったか、“EXIT” の標識が見えたときはかなりほっとした。
「やった、ここで出て、こう戻って・・・・・・・・ええ」
なんと今度は、別のハイウェイへ接続する通路に入ってしまったあああ
相変わらず高速道上なので止まるわけにもかず、今度は満月を背にして別のハイウエイを走るはめになった。
「帰りたい、帰りたいよ・・・・・・・」
こんな言葉が口から洩れてくる
そこからまた10分、また “EXIT” の標識が見えてきた。
恐る恐るジャンクションへ入っていく。
行き先の地名を表示した標識はあるが、土地勘のないNoriにとってはなんの役にもたたない。
「先ずは背中に見えてた月に向かって帰るんだ」
と、複雑な分岐を慎重に慎重に・・・すると
「やった、この方向だ!」 月が正面に見えた。
真っ暗なハイウェイを一人で走る心細さを、正面の大きな月が和らげてくれてる。
さあ次は、先ほど間違えたジャンクションが迫ってくる。
「落ち着け、俺」
ここでは慎重に分岐をくぐり、月が右手に見える方向に進路を取る。
「よし、この方向だ」
これでやっと、気分が少し軽くなったよ。
間違えて入った最初のインターチェンジに無事たどりついたときは、本当ーーーーに嬉しかった。
「やったーーー、帰り着いたんだーーー」 って
わずか40分程度の迷子だったけど、とてつもなく長い時間に感じて、こんなに心細くなったのは人生の中でもこのときだけだ。
その夜はもう食事に出る気も失せて、小さなショップでハンバーガー買って、冷えたそいつをホテルの部屋でかじって、寝た。
部屋でしみじみ思ったけど、このとき月が出ていなければ帰れなかったかもしれない。 いや、間違いなく帰れなかった。
月にこれほど感謝したことはなかったよ。
こんなことがあったので、翌年のアメリカ出張前に
「月が出ていなくても、方角が分かる時計が絶対ほしい」
と購入したのが左のプロトレックで、以来13年Noriの右手首に巻きつけられ、今では欠かせない相棒になっていた。
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そんな相棒にも、少し不満が。
少しずつ、時間が進むこと。 それと、電池交換の度に防水パッキン交換が必要で、毎回メーカーに出さなければならないこと。
つい半年前、その煩わしさにメーカーに出さずに電池交換をしたところ、先日のスキー帰りの温泉でレンズ内部が曇ってしまった(ToT)
それでついに、右の新しい相棒を買ってしまった。
スーツにも合うようにと、今回はシルバーを選んだ。
同じプロトレックでセンサー機能は変わらず、ソーラ電池と電波時計機能、及びワールドタイムが追加されたものだ。
ボタンの操作性は向上しているうえに、電池交換や時刻合わせする必要がない。
こいつはいい。
こいつも13年持つとしたら、Noriはもう定年だね。
いやいやそれ以上に、こいつはNoriより長生きするかもしれないな。
前任の相棒は出番がほとんどなくなるだろうけど、電池交換は続けていくことでしょう。
13年一緒に過ごしてきた奴だからね。
ご苦労様
買った動機は、なにより方角が分かること。
なぜ方角が必要だったかは、14年前の出張時のハプニングに理由がある。
1994年、アメリカ出張の途中で、オハイオ州のとある田舎町に着いた。
そこでの初日、仕事が終わって一旦ホテルに戻り、車で夕食に出かけることにした。
暗くなった道をホテルから5分ほどの地点で
「ここを右折したとこに確か、昼間レストランが見えたな」
と右折したんだが、
「ヤバイ、ハイウエイへの入り口だ」
道を間違えたことに気付いたときには遅く、停車してバックすることは危険なので、仕方なくそのまま本線に乗った。
着いた初日で土地勘もなく、自分がどちら方向へ向かっているのかさっぱり分からない。
田舎のハイウエイは照明がほとんどなく、遅い時間ともあって交通量も少なく、自車のヘッドライトが照らす範囲しか視界が効かない。
しかもここはアメリカだ。 夜のハイウェイで車を止めて道を聞くなんて、危険すぎてできない・・・
当時はカーナビなんて無く、とてつもなく心細い。
左手には大きな満月が、低く空に浮かんでいるのが見えた。
「あせるな 俺。 次の出口で出て、一区間戻ってくればいいだけじゃないか」
と、自分に言い聞かせる。
暗い道を10分ほど走ったころだったか、“EXIT” の標識が見えたときはかなりほっとした。
「やった、ここで出て、こう戻って・・・・・・・・ええ」
なんと今度は、別のハイウェイへ接続する通路に入ってしまったあああ
相変わらず高速道上なので止まるわけにもかず、今度は満月を背にして別のハイウエイを走るはめになった。
「帰りたい、帰りたいよ・・・・・・・」
こんな言葉が口から洩れてくる
そこからまた10分、また “EXIT” の標識が見えてきた。
恐る恐るジャンクションへ入っていく。
行き先の地名を表示した標識はあるが、土地勘のないNoriにとってはなんの役にもたたない。
「先ずは背中に見えてた月に向かって帰るんだ」
と、複雑な分岐を慎重に慎重に・・・すると
「やった、この方向だ!」 月が正面に見えた。
真っ暗なハイウェイを一人で走る心細さを、正面の大きな月が和らげてくれてる。
さあ次は、先ほど間違えたジャンクションが迫ってくる。
「落ち着け、俺」
ここでは慎重に分岐をくぐり、月が右手に見える方向に進路を取る。
「よし、この方向だ」
これでやっと、気分が少し軽くなったよ。
間違えて入った最初のインターチェンジに無事たどりついたときは、本当ーーーーに嬉しかった。
「やったーーー、帰り着いたんだーーー」 って
わずか40分程度の迷子だったけど、とてつもなく長い時間に感じて、こんなに心細くなったのは人生の中でもこのときだけだ。
その夜はもう食事に出る気も失せて、小さなショップでハンバーガー買って、冷えたそいつをホテルの部屋でかじって、寝た。
部屋でしみじみ思ったけど、このとき月が出ていなければ帰れなかったかもしれない。 いや、間違いなく帰れなかった。
月にこれほど感謝したことはなかったよ。
こんなことがあったので、翌年のアメリカ出張前に
「月が出ていなくても、方角が分かる時計が絶対ほしい」
と購入したのが左のプロトレックで、以来13年Noriの右手首に巻きつけられ、今では欠かせない相棒になっていた。
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そんな相棒にも、少し不満が。
少しずつ、時間が進むこと。 それと、電池交換の度に防水パッキン交換が必要で、毎回メーカーに出さなければならないこと。
つい半年前、その煩わしさにメーカーに出さずに電池交換をしたところ、先日のスキー帰りの温泉でレンズ内部が曇ってしまった(ToT)
それでついに、右の新しい相棒を買ってしまった。
スーツにも合うようにと、今回はシルバーを選んだ。
同じプロトレックでセンサー機能は変わらず、ソーラ電池と電波時計機能、及びワールドタイムが追加されたものだ。
ボタンの操作性は向上しているうえに、電池交換や時刻合わせする必要がない。
こいつはいい。
こいつも13年持つとしたら、Noriはもう定年だね。
いやいやそれ以上に、こいつはNoriより長生きするかもしれないな。
前任の相棒は出番がほとんどなくなるだろうけど、電池交換は続けていくことでしょう。
13年一緒に過ごしてきた奴だからね。
ご苦労様