アメリカ・ハリウッドの
テクニカラーによる「総天然色映画」に
影響されてか松竹で総天然色映画の
制作が考えられていました
撮影に使われたフィルムは
冨士リバーサル・外式発色でした
この方式はテクニカラーの
フィルム3本使う方式とは違って、
1本のカラーフィルムですから
カラーキャメラを特別に
用意しなくても白黒用キャメラが使えました。
撮り終わって現像処理された
フィルムは正像(陽画)ですから
劇場用のフィルムを大量に焼き付けるのに
非常に手間がかかったそうてす
「カルメン故郷に帰る」は全編ロケーション撮影でした
冨士リバーサルフィルムは感度が低い上にディライトタイプ
だったのではないでしょうか
タングステン・ライトの照明のセット撮影では
露出不足なったのではないでしょうか
このカラーフィルムは色の偏りがあったり
初のカラー映画制作でトラブルの予測が
できないので
カラー撮影と同時に白黒フィルムでも
撮影して、初の総天然色映画「カルメン…」
と並行して今までの黒白映画「カメメン…」も
用意されていたようです
劇場での初公開は総天然色映画でしたから
この「カルメン故郷に帰る」白黒版は
陽の目を見ませんでした