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独特のクセのある防振レンズはあまりカメラマンに
歓迎されませんでしてた。
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新しい街のいろいろを紹介するルポ番組を例にとります。
話ながら歩いてくるレポーターを後の景色を入れ込みながら
前からとらえるカットがあります。
カメラマンはレポーターを大体同じサイズで撮るには,
レポーターの歩きに合わせて後ろ向きに下がりながら
肩に担いだ手持ちカメラを操作しなくてはなりません。
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レポーターをルーズなショット,(ズームレンズの広角側)でとらえます。
ズームレンズをワイドにすると,焦点深度が深くなりますから、
ピントに神経質になることもなく、カメラ振れも、
ズームレンズの望遠側に比べて目立ちません。
カメラマンは後ろ向きに歩きますから,道の前方が見えません。
そこでカメラの助手さんは、カメラマンの腰のあたりを
手で支えなから、後(道の前方)を見ながら後ずさりしていきます。
… … …
結局,ズームレンズのワイド側を使用して,
なるべくカメラブレ(画面の揺れ)を軽減させました。
テレビ用のジャイロの防振レンズはあまり普及しませんでした。
… … …
この方法は,テレビのレポート番組に限らず,
映画の手持ちキャメラのショットでも,同じです。
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この防振レンズは,写真カメラの分野で普及します。
写真は,1枚の写真のカメラブレ(スロー・シャッターの時)が
防げればよいのですから、
35ミリカメラの75ミリ~200ミリの
望遠ズームレンズに、採用されました。
写真カメラでは,1枚の写真のほかに、速い動きのスポーツや競馬の
流し撮りというのがあります。
防振レンズ独特のクセが流し撮りのときに邪魔をしました。
切り替えスイッチで,左右にはジャイロが
効かないようにするとか。
流し撮りの邪魔にならないようにするなど、
いろいろ工夫があったようです。
… … …
デジタルカメラでは,防振レンズとは違って,
カメラブレにシンクロさせて光電面(CCD)、
全体を動かすというのが現れました。
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