初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

映画と電車

2009年02月16日 18時32分13秒 | Weblog
  私は始発の銀閣寺道駅から市電で通学していました。
出発間際にあわただしく三人の乗客がやってきました。前の席に座った人は、なんと写真家の木村伊兵衛氏と大きなギャジットバックを持った弟子二人の一行でした。近くの銀閣寺の取材の帰りかもしれません。

 当時の京都はまだ市電が健全でした。暇な時に電車の行き先を見て、その電車の終点までゆき、終点の近所を散策してまた帰ってくるということをよくやりました。それで京都市内のあちこちがわかるようになりました。未知の路線に乗る時は、運転室の横に立って、線路を見つめてどこの交差点で曲がるかが楽しみです。電車は線路以外のところは走りませんから安心でした。

 映画「夜の河」は二条城前の堀川を日本最初で狭軌の市電「チンチン電車」(通称)が走っている場面がありました。 上原謙と山本富士子の二人が入る喫茶店「イノダ本店」がこの映画ですっかり有名になりました。いまも、店の前に置かれた大きなコーヒーミルと白い壁の建物の本店は健在です。

 映画「偽れる盛装」の映画で、芸者姿の京マチ子が包丁を持った菅井一郎に京阪電車の遮断機が降りたところで追いつかれるクライマックスの舞台「団栗橋」(どんぐりばし)の踏切は、左に鴨川、右に疎水の土手の中ほどにありました。春になると、ここは桜並木のトンネルになり終点、三条駅に入る京阪電車には最高の景色でした。京阪電車も七条から地下に入り、終点は「出町柳」までになりましたが、この素晴らしい景色は無くなりました。

 京都に市電が無くなったのは交通の事情で仕方がないのでしょうが、せめて、日本最初の狭軌の「チンチン電車」は残しておいてほしかったです。
 現在、名古屋の明治村で満員の客を乗せて元気に走っています。名鉄がすっかり好きになりました。

 しばらくして、雑誌「アサヒカメラ」見ますと、口絵に木村伊兵衛氏の銀閣寺のカラー作品が出ていました。


 

 

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