けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
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イライラ、肩首のこり痛み、生理痛によい、抑肝散加陳皮半夏

2008-12-14 03:22:40 | 東洋医学全般
「これは私が飲んだほうがよい薬だ!」と誰もが考えている方剤です。

「すぐ怒る方」によく効きます。

怒りのメカニズムを東洋医学的に解釈すると、肝の蔵(敢えて臓とは書きません)の貯蔵している血の中の水分が減ってきたり、この血の巡りが悪くなったりして発生した熱が、主に肝の経絡に沿って上昇し、上半身特に目を中心とする頭の辺りにこもってくると、とにかく腹が立ってくることが多くなるのです。

また、このアンバランスのスタートが、肝の蔵以前に、五臓のほかの仲間である、肺の蔵か脾の蔵の虚によってできた虚熱が肝の蔵や経絡に派生して起こっている場合もあります。これらはお腹、舌、脈を正しく診ることによって把握し、漢方方剤のサジ加減や鍼灸を使用する経絡やつぼが変ってゆくのです。

今回の漢方方剤は、抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんかちんぴはんげ)のお話です。以前もご紹介をしていますが、最近私も含めて怒りっぽい方が多くなってきたようです。

この方剤は肝の蔵と経絡にアプローチするもので、本来これらが持っている働きである、眼の機能、血の貯蔵とその熱の発散、筋肉の状態のコントロール、怒りのコントロールなどがおかしくなったときに使います。

誰にも何もされていないのに、「世の中これでいいんかい!」と騒いだり、上司やお局様の動きや話し方がいちいち気になって腹が立って仕方がない。
鍵を閉め忘れたかどうか気になって仕方がない強迫神経症という状態にも使えます。

イライラだけでなく、肩首のこりや痛み、生理痛や筋肉の引きつるような痛みに著効します。

最近私自身もこの方剤を使ったほうがよい傾向にあると感じていることもあって、本日この抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんかちんぴはんげ)を大量に調剤いたしました。


日本伝統鍼灸漢方

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女性を温かくする当帰四逆加呉茱萸生姜湯ができました!!

2008-12-14 03:07:44 | 東洋医学全般
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)長い名前ですね。。。

この漢方方剤は以前にも紹介をしているのですが、先日この方剤が売り切れてしまい、一昨日ちょうどこの方剤の材料となる単品の漢方薬の粉末が全部そろいましたので、ズンドウいっぱいほどの量を分銅秤で計りながら、作成したのです。

ちなみに「方剤」とはいくつかの漢方薬が組み合わさってできているという意味です。一種類(単品)ではないということです。多くの漢方薬は方剤として使われることによって、患者さん一人ひとりに対して微妙なサジ加減が可能となるのです。

この方剤は専門的な言葉を使うと、肝虚陽虚寒証の体質の方、もしくはたまたまそういう状態になっている方につかいます。「肝」という文字が出てますが、決して肝臓病があるといっているのではなくて、肝心脾肺腎の五臓を東洋医学的に観察して、肝の蔵(敢えて臓と書かず)とその経絡が中心に不都合が多いという意味です。

少し神経質なくらい几帳面で、きっちりと計画を立てるのですが、体力気力が続かずに完成できず、自分を責めてしまったり、他人がトロくさいのを観ても腹が立ってしまうタイプ。そして、いつも寒がっていて、婦人科系は余り強くないので、思い生理痛があったり、お子様に恵まれていなかったりします。

或は、体が冷えすぎていたりして、元気もその気も起きず、お元気なご主人をあまり受け入れてあげられない状態があったりします。
また、逆も真なりで、女性の房事過度(セックスのしすぎ)でもこの状態になることがあります。

簡単に解釈すれば、イライラで冷え性系の女性によく効きます。
適応症状からあげておくと、しもやけになりやすい、手足の冷え、冷房病、ひえから起る腰痛、生理痛や、生理不順、生理中の下痢、不妊症、不感症などです。

漢方方剤を作っているときにはいつもマスクを着用しているのですが、この当帰四逆加呉茱萸生姜湯をつくっていると、その粉末を少しでも吸引してしまっただけで、体がぽかぽかに温まります。それものぼせる温まり方ではなく、おなかや足腰が温まってまいります。


日本伝統鍼灸漢方


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