若いころは肩コリなんか知らなかったのですが、最近私自身も「うわ。。肩がこってる。。」と思うことがあります。
患者さんの中には、「肩から首、そして目の後ろまでひきつって痛い。」「肩こりから吐き気までもする。」
「肩こりから頭痛になってしまう。」「肩こりから腕や手がしびれてしまう。」などいろいろな症状に派生している方もいらっしゃいます。
今回はそれらの症状に著効する漢方薬の一つである、葛根湯のお話をしたいと思います。
当方ではこの葛根湯は粒剤で出しているので、飲みやすいです。
http://www.kanpouamerica.com/product/69
これ、カゼ薬じゃないの?とお感じになるかもしれません。
そのとおりでもあります。
しかし、この方剤(いくつかの単品の漢方薬が合さってできたものを言います。)は肩こりにも大変よくききます。
漢方薬は、一つの病気に一つの方剤があるのではなく、体にある一定の状態が起きていれば、西洋的な病名が何病であってもそれを使うことができるというのが西洋薬と違うコンセプトです。
葛根湯の場合は、頭項強痛(ずこうきょうつう)という状態があることが使用する条件となります。要するに、「首筋から背中のあたりにかけて強(こわ)ばりが激しい」ということです。
カゼの初期はまさに首から背中のあたりがゾクゾクしてこわばってきますね。これが頭項強痛とか項背強急(こうはいきょうきゅう)などと表現されます。
だから、この頭項強痛が取れるような漢方薬を服用しますと、カゼの病理的な原因が存在しなくなるので、カゼが治ってゆくというわけです。
しかし「流行性感冒などは、ウィルスなのだから頭項強痛が取れたって治らないんじゃないの?」とお感じになるかもしれません。しかし、カゼの時の起きる条件が取り除かれるので、初期の状態であれば、流行性感冒でも十分に治すことが可能です。
そのコンセプトから派生して、頭項強痛があるのであれば、鼻炎、悪寒、発熱、高血圧、三叉神経痛、五十肩などにも著効するのが葛根湯です。
私も、ああ肩がこったなあと思った時や、今日はなんか寒いなあと思った時などに、気軽に葛根湯の粒を服用しています。すると、体が温まって気持ちの良い汗が出て、肩がスーッと楽になります。寒い時はお湯で服用するのもよろしいでしょう。
葛根湯は葛根、麻黄、桂枝、芍薬、生姜、大棗、甘草でできております。よく見ると、これは葛湯(くずゆ)に近いですね。
一般的に葛湯は葛、生姜、大棗(砂糖)にニッキ(桂枝)を加えてあるものが多いです。
そうです、もしご自宅に葛湯があるのであれば、葛根湯を買わずとも、この葛湯を飲んでみてください。これも肩こりに大変よく効きます。
どうぞお試しください。