いつもやっきになって水をお飲みになっている方がいらっしゃいます。
聞いてみると、お医者さんやカイロの先生に言われたのだそうです。
「人間の体は60%以上が水分でできています。だから、毎日必ず2リットルの水を飲まなければいけません。でないと重大な病気になります」と脅されているのです。
多くの善良なシニアの方は、その言を信じて毎日毎日水を大量に飲んでいるようです。
恐ろしいのは、体格に関係なくみんなで2リットルの水を飲んでいらっしゃいます。
これは大きな間違いです。
ある日、夜間頻尿の方から漢方薬の相談がありました。
このかたも「家族に毎日大きなマグカップで5杯の水を飲むように言われています。」とおっしゃっていました。
いろいろ問診をさせていただいたのですが、どう考えても、「水の飲みすぎ」です。むしろ夜間頻尿症を作り出しています。
「水分はお水でもお茶でも、それを飲みたいときに常識程度に好きなだけ飲んでおればいいのです。」とお伝えしたところ、とても怪訝な顔をされて、「でも人間には水が大切で~。。家族にも飲め飲めといわれて~」とおっしゃっていました。
この方の夜間頻尿はこのままでは治りません。水を飲みすぎているからです。
水はたくさん飲んでも別に体に悪くはありません。しかしやみくもに飲みすぎるのも考え物です。
飲みたいときに飲む。汗をかいたら飲む。天気が暑かったり日差しが強かったら飲む。好きな量を飲むということです。
心配なようでしたら、主治医の方に相談をしてみましょう。
以前にも触れましたが、似たようなお話で、中国人社会では「卵黄は悪!」という根強い考え方があります。
これは過去にどこかの偉い中国人の医者が「卵黄はコレステロールのかたまり。食べると脳卒中になる。」というようなことを言い出したことに始まります。この言が海外の中国人社会の新聞に載ったことから、多くの華僑はこれを信じていて、タイやミャンマーの華僑も、米国の華僑も「卵黄は悪!」と思い込んでいます。
だから、ホテルの朝食の時などは、給仕をする人に「卵は卵黄を抜いてからスクランブルエッグにしてね!」などと言っているのを何度も見かけました。従業員さんの困った顔が目に浮かびます。これも無責任な学者や医者の言が独り歩きしている例ですね。
私だったら彼らの前で、漬け卵をガンガン喰って見せちゃいますね。過去記事です。
https://blog.goo.ne.jp/keisclinic/e/739937695cf16294d149feb07e38d8cc
漢方アメリカOnline
http://www.kanpouamerica.com/
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