「贈賄罪起訴の市議 辞職勧告決議否決 雲仙市議会」 という見出しの昨日の毎日新聞記事を読んだ。
以下は、その記事の全文。
雲仙市議会は29日、6月定例会最終本会議で、庁舎移転を取りやめる議案採決を巡り同僚議員への贈賄(申し込み)罪で起訴された市議、柴田安宣被告(67)への辞職勧告決議案を議員発議で提案したが、賛成は5人にとどまり、否決された。
採決前の討論では、「採決のために金銭が使われようとし、議員として一線を越えた」「本人が起訴事実を否認しており、時期尚早」と賛否が分かれた。
採決は、柴田被告以外の25人の議員のうち、事件で同被告から金を渡されて返したとされる議員1人を含む2人が退席した。
「柴田事件に関する調査特別委員会設置」の動議も出たが、同じく賛成5人で、否決された。
以上は、平成24年6月30日の毎日新聞記事より。
この記事で、この記事により情報を得た人が、誤解して認識されるかもしれない記述を指摘しておきたい。
記事の中で「庁舎移転を取りやめる議案採決を巡り」となっているが、正しくは「暫定的な本庁舎を正式な本庁舎とする議案採決を巡り」という表現の方が分かりやすく、正しいように私は思う。
議案の正式な全文を知っているわけではないので、確たる根拠は無いのだが、7町が合併して誕生した雲仙市の、合併以降の流れの中での認識としてはそのようになるのではなかろうか。
知人から聞いた、柴田安宣議員への、雲仙市議会議員辞職勧告決議案に賛成した雲仙市議会議員の、氏名と所属常任委員会と所属会派を以下に示しておきます。(所属常任委員会と所属会派は、雲仙市のホームページからの情報です。敬称省略)
前川 治 産業建設委員会 新政会
深堀善彰 文教厚生委員会 新政会
坂本 弘樹 産業建設委員会 新政会
林田 哲幸 文教厚生委員会 新政会
上田 篤 総務委員会 会派に所属せず(日本共産党)
以上5名ということだそうです。
次に、知人から聞いた、採決の際に退席された雲仙市議会議員の、氏名と所属常任委員会と所属会派を以下に示しておきます。(所属常任委員会と所属会派は、雲仙市のホームページからの情報です。敬称省略)
小畑 吉時 産業建設委員会 会派に所属せず
中村 勲 産業建設委員会 会派に所属せず
以上2名だそうですが、そのうちの1名は毎日新聞の記事にもあるように、柴田安宣議員から金を渡されて返したとされる議員だそうです。
柴田安宣議員の、雲仙市議会議員辞職勧告決議案に、反対の意思表示をされなかった7名の議員に関して、分析してみました。
柴田安宣議員の、雲仙市議会議員辞職勧告決議案に賛成された5名の議員の方々に共通している事柄として、上田篤議員以外の4名は、所属会派が新政会ということが分かります。
退席された2名の議員の方は、いずれも産業建設委員会に所属しており、賛成された5名の議員のうちの2名も産業建設委員会に所属している。
賛成した5名の議員のうちの3名は、広報編集特別委員であり、反対しなかった7名のうちの2名は議会運営委員ということになっている。
このようなことから、雲仙市議会内の各議員の相関が何となく見えるように思える。
本件に関して、新聞報道などから時系列的に追ってみると、おおむね以下のような内容になるものと思われる。
昨年の12月下旬頃に、柴田安宣議員が、ある雲仙市議会議員の自宅を、雲仙市の本庁舎建設問題に関して、自分の信念を説明して理解してもらうために訪れた。(事実かどうかは私には分からない)
そのある議員が玄関先から離れた際に、柴田議員が封筒を玄関に置いて帰宅した。(事実かどうかは私には分からない)
そのある議員が封筒を開けてみると、中には現金が入っていた。(事実かどうかは私には分からない)
そのある議員は、翌日その封筒を柴田議員の自宅に返しに行ったが柴田議員は不在だった。(事実かどうか私には分からない)
雲仙市議会の本会議にて、合併時の協定合意事項に反して、暫定的な本庁舎である吾妻庁舎を本庁舎とする、摩訶不思議な議案が、賛成多数で可決された。
それから半年ほど過ぎてから、その議案に反対してもらうために柴田議員が、ある議員に賄賂を申し込んだという事になり、ある議員の証言により柴田議員は逮捕された。
その後、雲仙市議会全員協議会にて、上田篤議員が柴田安宣議員の、雲仙市議会議員としての辞職勧告決議をするべきだという意見を述べた。
柴田安宣議員が起訴されたことから、雲仙市議会の6月議会本会議にて、上田篤議員とそれに同調した新政会という所属会派の議員4名のうちの誰かが議員発議した、柴田安宣議員の雲仙市議会議員辞職勧告決議案が、賛成少数で否決された。
その採決に際し、上田篤議員と新政会という所属会派の議員の合わせて5名が賛成し、事件の当事者の1人である1名の議員を含む2名が退席した。
という事になろうか。
一般論として見てみると、上記の案件においては、柴田安宣議員の、雲仙市議会議員辞職勧告決議案に賛成した議員の態度表明が正しいように思われがちだと思うが、起訴されたという事は、これからの裁判にて事実が明らかになっていくのであろうから、柴田安宣議員に対して、雲仙市議会議員としての辞職勧告決議案を議員発議すること自体がおかしいと私は思う。
また、事件の当事者の片方とされる議員が、採決に際して退席したという事は腑に落ちないし、無責任だと私は思う。
その議員の証言によって柴田安宣議員は逮捕されたのであろうし、また、起訴もされたのであろうから、自分の証言に責任を持つという意味においても、その採決においては賛成するのが筋であるのではと私は思う。
議案の採決に際して、退席や欠席して棄権するという事は、議員としての職務を放棄しているように思えてしまう。
参考までに、以前のこのブログに書いていた「合併協議会で決めた協定内容の一言一句まで遵守しなければならないとは法律のどこにも書いてはいない」という主旨の発言をされたのは、この辞職勧告決議案に賛成された上田篤議員であり、「愛野町では吾妻庁舎を本庁舎にする事に関して、反対の署名活動などはなかった」という主旨の発言をされたのは、この辞職勧告決議案で退席された小畑吉時議員である。
今回の柴田安宣議員に対する、雲仙市議会議員辞職勧告決議案の否決という採決結果は、雲仙市議会の良識として、私は評価できる。
豊田一喜
以下は、その記事の全文。
雲仙市議会は29日、6月定例会最終本会議で、庁舎移転を取りやめる議案採決を巡り同僚議員への贈賄(申し込み)罪で起訴された市議、柴田安宣被告(67)への辞職勧告決議案を議員発議で提案したが、賛成は5人にとどまり、否決された。
採決前の討論では、「採決のために金銭が使われようとし、議員として一線を越えた」「本人が起訴事実を否認しており、時期尚早」と賛否が分かれた。
採決は、柴田被告以外の25人の議員のうち、事件で同被告から金を渡されて返したとされる議員1人を含む2人が退席した。
「柴田事件に関する調査特別委員会設置」の動議も出たが、同じく賛成5人で、否決された。
以上は、平成24年6月30日の毎日新聞記事より。
この記事で、この記事により情報を得た人が、誤解して認識されるかもしれない記述を指摘しておきたい。
記事の中で「庁舎移転を取りやめる議案採決を巡り」となっているが、正しくは「暫定的な本庁舎を正式な本庁舎とする議案採決を巡り」という表現の方が分かりやすく、正しいように私は思う。
議案の正式な全文を知っているわけではないので、確たる根拠は無いのだが、7町が合併して誕生した雲仙市の、合併以降の流れの中での認識としてはそのようになるのではなかろうか。
知人から聞いた、柴田安宣議員への、雲仙市議会議員辞職勧告決議案に賛成した雲仙市議会議員の、氏名と所属常任委員会と所属会派を以下に示しておきます。(所属常任委員会と所属会派は、雲仙市のホームページからの情報です。敬称省略)
前川 治 産業建設委員会 新政会
深堀善彰 文教厚生委員会 新政会
坂本 弘樹 産業建設委員会 新政会
林田 哲幸 文教厚生委員会 新政会
上田 篤 総務委員会 会派に所属せず(日本共産党)
以上5名ということだそうです。
次に、知人から聞いた、採決の際に退席された雲仙市議会議員の、氏名と所属常任委員会と所属会派を以下に示しておきます。(所属常任委員会と所属会派は、雲仙市のホームページからの情報です。敬称省略)
小畑 吉時 産業建設委員会 会派に所属せず
中村 勲 産業建設委員会 会派に所属せず
以上2名だそうですが、そのうちの1名は毎日新聞の記事にもあるように、柴田安宣議員から金を渡されて返したとされる議員だそうです。
柴田安宣議員の、雲仙市議会議員辞職勧告決議案に、反対の意思表示をされなかった7名の議員に関して、分析してみました。
柴田安宣議員の、雲仙市議会議員辞職勧告決議案に賛成された5名の議員の方々に共通している事柄として、上田篤議員以外の4名は、所属会派が新政会ということが分かります。
退席された2名の議員の方は、いずれも産業建設委員会に所属しており、賛成された5名の議員のうちの2名も産業建設委員会に所属している。
賛成した5名の議員のうちの3名は、広報編集特別委員であり、反対しなかった7名のうちの2名は議会運営委員ということになっている。
このようなことから、雲仙市議会内の各議員の相関が何となく見えるように思える。
本件に関して、新聞報道などから時系列的に追ってみると、おおむね以下のような内容になるものと思われる。
昨年の12月下旬頃に、柴田安宣議員が、ある雲仙市議会議員の自宅を、雲仙市の本庁舎建設問題に関して、自分の信念を説明して理解してもらうために訪れた。(事実かどうかは私には分からない)
そのある議員が玄関先から離れた際に、柴田議員が封筒を玄関に置いて帰宅した。(事実かどうかは私には分からない)
そのある議員が封筒を開けてみると、中には現金が入っていた。(事実かどうかは私には分からない)
そのある議員は、翌日その封筒を柴田議員の自宅に返しに行ったが柴田議員は不在だった。(事実かどうか私には分からない)
雲仙市議会の本会議にて、合併時の協定合意事項に反して、暫定的な本庁舎である吾妻庁舎を本庁舎とする、摩訶不思議な議案が、賛成多数で可決された。
それから半年ほど過ぎてから、その議案に反対してもらうために柴田議員が、ある議員に賄賂を申し込んだという事になり、ある議員の証言により柴田議員は逮捕された。
その後、雲仙市議会全員協議会にて、上田篤議員が柴田安宣議員の、雲仙市議会議員としての辞職勧告決議をするべきだという意見を述べた。
柴田安宣議員が起訴されたことから、雲仙市議会の6月議会本会議にて、上田篤議員とそれに同調した新政会という所属会派の議員4名のうちの誰かが議員発議した、柴田安宣議員の雲仙市議会議員辞職勧告決議案が、賛成少数で否決された。
その採決に際し、上田篤議員と新政会という所属会派の議員の合わせて5名が賛成し、事件の当事者の1人である1名の議員を含む2名が退席した。
という事になろうか。
一般論として見てみると、上記の案件においては、柴田安宣議員の、雲仙市議会議員辞職勧告決議案に賛成した議員の態度表明が正しいように思われがちだと思うが、起訴されたという事は、これからの裁判にて事実が明らかになっていくのであろうから、柴田安宣議員に対して、雲仙市議会議員としての辞職勧告決議案を議員発議すること自体がおかしいと私は思う。
また、事件の当事者の片方とされる議員が、採決に際して退席したという事は腑に落ちないし、無責任だと私は思う。
その議員の証言によって柴田安宣議員は逮捕されたのであろうし、また、起訴もされたのであろうから、自分の証言に責任を持つという意味においても、その採決においては賛成するのが筋であるのではと私は思う。
議案の採決に際して、退席や欠席して棄権するという事は、議員としての職務を放棄しているように思えてしまう。
参考までに、以前のこのブログに書いていた「合併協議会で決めた協定内容の一言一句まで遵守しなければならないとは法律のどこにも書いてはいない」という主旨の発言をされたのは、この辞職勧告決議案に賛成された上田篤議員であり、「愛野町では吾妻庁舎を本庁舎にする事に関して、反対の署名活動などはなかった」という主旨の発言をされたのは、この辞職勧告決議案で退席された小畑吉時議員である。
今回の柴田安宣議員に対する、雲仙市議会議員辞職勧告決議案の否決という採決結果は、雲仙市議会の良識として、私は評価できる。
豊田一喜