日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

実(ミ)と空(カラ)

2012年07月05日 | インポート
5日間の休みの後の、久し振りの作業だった。

大村市竹松遺跡の発掘作業が、雨のために中止になるなどして、きょうは久し振りの出勤日だった。

1ヶ月も同じ職場で働かせてもらっていると、200人からいる作業員の方々も、かなりの数の方の顔を覚え、久し振りに会うと、何となくうれしくなり、安心する。

本日の作業は、ブルーシートの上に溜まった水の除去作業からだった。

ブルーシートを周囲から徐々に狭めて行き、水を1箇所に誘導する。

1箇所に誘導されて溜まった水を、バケツリレーにて排水路に流す。

バケツリレーも、水の入った実(ミ)のバケツを移動させる流れと、空(カラ)のバケツを移動させる流れとをうまく配置して実行するとスムーズに流れる。

なかなかその事を理解してもらえない場合もあり、実(ミ)も空(カラ)も同じ人を経由していると、リレーの進行具合がぎこちなくなる。

水が入ったバケツの実のラインに男性を配置し、空のバケツのラインに女性を配置するなどの配慮があれば、よりスムーズな流れになるように思うのだが。

自然にバケツリレーのラインが出来上がり、テンポよく、ブルーシートに溜められた水が排出されて行く。

200人からの作業員の方々が、調査員の方の指示に従い、指示どおりに動くと、仕事のさばけ方も速い。

ワークシェアリング(仕事の分かち合い)の典型を見ているような気分になり、日本人の特質とも言える勤勉さを実感する。

老若男女の関係なく、整然と作業が流れていく。

10時の休憩のあとは、いつものように測量作業をやらせていただいた。

遺構のピット(穴)の断面を測定するために打設してある釘の、打設地点の三次元座標値を求めるための作業を主にやらせていただいた。

午後には、途中から雨が降ったりやんだりの天候だったが、結局4時少し前には撤収という事になった。

梅雨時だから仕方の無い事ではあるけれども、中5日休みのプロ野球の投手のような、超贅沢な時間を過ごす事を余儀なくされている。

プロ野球の投手と違う所は、休みの間に練習をしなくてよいこと、休みの日にはお金にならないことだろう。

中5日の空(カラ)の日のあとの、貴重な実(ミ)の日だった。



豊田一喜