「アンチエイジング・バトル最終決着」坪田一男

アンチエイジングについては数多の説があり数多の本が出ていて、相反する説もあったりして、歳をとるのは如何ともしがたいと思いつつもはかない抵抗をできないかと思っている煩悩多き身としては、いったいどうすればいいのか判断に迷うところです。
この本はそんな数多の説のうち３０について賛成反対の両論を併記して最後に筆者の見解を述べるという形で、決着を図っている。
前提として人間がなぜ年を取るのかという仮説には２つがあることから話は始まる。
①人間が活動すると体内に活性酸素が発生して体を錆びつかせるという酸化ストレス仮説→体が錆びないように活性酸素の害から守ろう＝抗酸化
②食べ物をエネルギーに変え生きていること自体が老化の原因という代謝理論→必要な栄養素をバランスよく摂ったうえで、カロリーを制限＝カロリー・リストラクション
この前提をもとに３０項目についてチェックしていくのですが、両論を併記してあるのでバランスがいい。筆者の見解も両論を見たうえで落ち着きのいいところに着地しているという印象です。まあ、常識的なところに落ち着いているというところで、過激な説を好む人には物足りないでしょうね。
ところでこの本で一番びっくりしたのは「砂糖」は体に悪いのですが、それ以上に悪い甘味料があって、それは「果糖ブドウ糖液糖」。砂糖以上に血糖値をバーンと上げてしまうとか。トウモロコシから作られた甘いシロップで果糖の含有量によって「ブドウ糖果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」「高果糖液糖」と呼ばれている。この果糖ブドウ糖液糖は冷たい方が甘みが強まるので冷たい飲み物によく使われているとか。
実際に家にあるアクエリアスを見てみたらちゃんと入っていました。ヨーグリーナを見てみたら砂糖と高果糖液糖が両方入っていた。う～ん…最近風呂上りにスポーツドリンクを飲んでいるのですが、体にはよくないということか。

カゴメの野菜生活１００には原材料に糖類はなかったのでちょっと安心。
それにしても読んでいくとわかるのですが、筆者は何事もまず自分の体で試していく方針なのか、結構いろいろなことを実践している。加えてサプリメントなども摂っているんですよね。
テストステロン（男性ホルモン）はＰＳＡを測りながら使っているとか。バイアグラは血管の老化対策になるので飲んでいて、コエンザイムQ10は母親に飲ませたらよかったそうです。肌のシミを薄くするのにメラニン合成阻害剤を1日1回使っているそうです。水素水は体にいいのは確かだそうで筆者は飲んでいるとか。これはちょっと意外でした。水素水などというのは怪しげな水の類かと思っていたのですけど認識を改めないと。
筆者は眼科医にして抗加齢医学会理事長。そのせいかレーシック手術については肯定的で、まともな医師にやってもらえば安全で効果大とか。でももはや老眼でそろそろ白内障を心配になった身としてはレーシックよりそっちでしょう。
世に流布する数多のアンチエイジングに戸惑っている人は頭の中を整理するのにちょうどいいと思います。その中のどれを実践するのかは、ご自由ですが、まずは当り障りないところから試してみたら…