言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

言葉はコミュニケーションの基本。伝えたいことは「言葉のチカラ」できっと伝えられる。もっとうまく伝えられる。

ある料亭の再生物語 <第1部>(1)

2011-06-01 11:49:09 | 繁盛店物語(創作)

こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)



ある料亭の再生物語 <第1部>(その1)


“料亭”と聞くとすぐに思い浮かぶのは、政治家の顔とか、あの独特の、人を寄せつけない黒板塀だろうか。
そして庶民にはその中が伺い知れない黒いベールに包まれているような、秘密の場所というイメージが強い。
地方ではその地方の名士が客を接待したり、また接待されたり、さらには秘密の会合を持ったりするところで、これまた庶民には縁遠い場所だ。

昼間はしんと静まり、夕方になると打ち水がされ、ポッとあかりが静かに灯り、秘密の客を待つ。
逆にそういうイメージだから、こういった不景気な時代になると、ひっそりと消えていく料亭も多くなった。

またそれほど料亭を使ってまで接待したり、秘密の会合を持つという時代でもなくなってきた。

今回はそんなある地方の料亭が、一大決心の末、見事に変身を果たしたという物語だ。

ここでは仮に料亭「千樹」という名で登場するこの料亭は、関東地方のある街で戦前から続く由緒ある料亭である。

昨今の不景気で、さすがの「千樹」も売上がどんどん落ちてきている。予約がない日も1週間で1、2日ではすまなくなってきた。このままでは1年も経ないで店をしめてしまわなくてはならない状況を迎えた。
実質経営者ともいえる専務取締役の女将が、社長以下全員を広間に集めた。
これからの経営をどうするか、閉鎖という選択肢も含めて全員の意見を聞こうと思ったのだ。

女将の夫である社長は、あきらめかけている。四代目の彼も大学卒業後、外資のホテルに入り、その経験を引っさげ、5年後、青雲の志を抱いてこの千樹に戻ってきた。

時はバブルの絶頂期であり、何もしなくても繁盛した。
その後のバブルの崩壊も老舗の評判もあり、売上は減っていたが、経営には何の支障もまだなかった。
しかし新しい世紀に超えたあたりから、それさえ揺らぎ始めてきた。
大きい顧客であった中堅建設会社が倒産してから
、目に見えて経営が悪くなってきた。

社長は女将や社長よりも長い経験を持つ番頭とも相談し、大手企業寄りの姿勢を軌道修正し、もっと客室をオープンにしようと、きれいなパンフレットを作成し、中小企業や富裕層の家族などに向けてシフトを修正した。さらには、一般客向けには、法事やプライベートな家族会に向けての営業も始めた。

その甲斐もあって、一時は営業状況も改善するかに見えたが、そこにきてのこの不況であった。
完全に息の根を止められたように見えた。
社長の根はそこで尽きたように思われ、それ以降覇気がなくなり、
経営全般を女将に任せるようになった。

そして今回の、最後とも思える会議の招集だった。                   

                         つづく
 
(2)へつづく。
(このストーリーはフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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見かけだけのサービス、口先だけのサービスは、すぐにぼろが出る

2011-06-01 08:28:23 | 繁盛店・繁盛会社をめざそう
こんにちは。
前橋の販促経営コンサルタント、藤田です。
今日もよろしくお願いします。


最近では、どのスーパーでも魚の無料調理サービスをしています。
しかしどこまで無料かというと、別れてきます。

あるスーパーの、それも大手の「喜んで調理いたします。」というPOPがあるのに、「開き、腸取りは1尾につき別途100円」というのには驚きました。
じゃあ無料はうろこ取りぐらい? 調理したら売り上げが増えるんだから、そりゃ“喜んで”だわなという、うがった、皮肉な見方もできます。

まあどのスーパーでもだいたい「魚調理いたします。お気軽に係までどうぞ」というのが一般的な表示ですが、それがどこまで無料なのか、はたまたサービスとは書いていないので、まるっきり有料なのか、曖昧な表示も見受けられます。

それからいくと、一番最初に上げた表示はまだ正直なのかも。
しかし「調理サービス」と謳うのなら、開きからわた取りまで、お客様が持ち帰り、すぐに煮るなり、焼くなりできる状態にするのが「調理」ではないでしょうか。
「すぐに煮られる、すぐに焼けるまで、無料で、喜んで調理いたします!」というサービスが他店との差別化になります。


さて、以前に調理サービスを頼んだときに、下記のようなことがありました。

ある年の12月30日の夕方、お正月用の鯛の調理サービスを頼んだのです。
うろこだけではなく、わたも無料で取り除いてくれるサービスです。
スーパーに入ってすぐに鮮魚売場で頼んだものですから、その他いろいろ買物をしているうちにすっかり鯛のことを忘れてしまったんですね。

そのままスーパーを出て、家路についてしまったんです。
途中で、あっ、と思い出し、あわててスーパーに戻りました。
鮮魚売場に行くと、鯛が、そのままぽつんと、なんだか寂しそうにまな板の上に乗っていました。
調理を頼んでから30分以上経っています。
30分、そのままそこに置かれていたわけです。

さて、あなたならこの処置をどう思いますか。
お客様の立場で考えてください。
30分以上も、売場の暖かい空気に触れていたのです。
こんなとき気の利いた係の人なら、もしかしたら忘れているのか、買物に時間がかかっているのか、と考え、その間は冷蔵庫に入れておいて上げるというようなこともできたはずです。
もしかしたら忘れているのかもしれないと、店内放送でお客様にお知らせすることもできます。
それもサービスではないでしょうか。

しかしこの係員は、調理さえすればそれでいいんだ、それまでがサービスなんだという気持ちで、お渡し用のまな板の上でいつまでもとりにこない鯛を見ながら、何もしないで、放っておいたのです。

忘れた本人が悪いといえば悪いんですが、しかしそれを本人に悪いと感じさせないのが、かゆいところまで手が届くサービスというものではないのでしょうか。

こういう店は、一度全員に「伊勢丹 恋しくなるサービス」を読ませた方がいいのではないでしょうか。

見かけだけのサービス、心のない口先だけのサービスは、すぐにぼろが出てしまいますよ。

それでは今日はこれで。


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