こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。
このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)
ある料亭の再生物語 <第1部>(その1)
“料亭”と聞くとすぐに思い浮かぶのは、政治家の顔とか、あの独特の、人を寄せつけない黒板塀だろうか。
そして庶民にはその中が伺い知れない黒いベールに包まれているような、秘密の場所というイメージが強い。
地方ではその地方の名士が客を接待したり、また接待されたり、さらには秘密の会合を持ったりするところで、これまた庶民には縁遠い場所だ。
昼間はしんと静まり、夕方になると打ち水がされ、ポッとあかりが静かに灯り、秘密の客を待つ。
逆にそういうイメージだから、こういった不景気な時代になると、ひっそりと消えていく料亭も多くなった。
またそれほど料亭を使ってまで接待したり、秘密の会合を持つという時代でもなくなってきた。
今回はそんなある地方の料亭が、一大決心の末、見事に変身を果たしたという物語だ。
ここでは仮に料亭「千樹」という名で登場するこの料亭は、関東地方のある街で戦前から続く由緒ある料亭である。
昨今の不景気で、さすがの「千樹」も売上がどんどん落ちてきている。予約がない日も1週間で1、2日ではすまなくなってきた。このままでは1年も経ないで店をしめてしまわなくてはならない状況を迎えた。
実質経営者ともいえる専務取締役の女将が、社長以下全員を広間に集めた。
これからの経営をどうするか、閉鎖という選択肢も含めて全員の意見を聞こうと思ったのだ。
女将の夫である社長は、あきらめかけている。四代目の彼も大学卒業後、外資のホテルに入り、その経験を引っさげ、5年後、青雲の志を抱いてこの千樹に戻ってきた。
時はバブルの絶頂期であり、何もしなくても繁盛した。
その後のバブルの崩壊も老舗の評判もあり、売上は減っていたが、経営には何の支障もまだなかった。
しかし新しい世紀に超えたあたりから、それさえ揺らぎ始めてきた。
大きい顧客であった中堅建設会社が倒産してから 、目に見えて経営が悪くなってきた。
社長は女将や社長よりも長い経験を持つ番頭とも相談し、大手企業寄りの姿勢を軌道修正し、もっと客室をオープンにしようと、きれいなパンフレットを作成し、中小企業や富裕層の家族などに向けてシフトを修正した。さらには、一般客向けには、法事やプライベートな家族会に向けての営業も始めた。
その甲斐もあって、一時は営業状況も改善するかに見えたが、そこにきてのこの不況であった。
完全に息の根を止められたように見えた。
社長の根はそこで尽きたように思われ、それ以降覇気がなくなり、 経営全般を女将に任せるようになった。
そして今回の、最後とも思える会議の招集だった。
つづく
(2)へつづく。
(このストーリーはフィクションです)
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。
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