ごっとさんのブログ

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髪の毛の染色

2015-08-09 10:34:26 | 化学
ドラッグストアに買い物に行ったとき、私のトリートメントが少なくなったのを思い出し、かみさんが買い物をしている間に探してみました。
改めてシャンプー類を見るとその種類の多さにあきれるほど多種類が出ています。今まであまり気にしたことがなかったので、今何を使っているかもわからず、ぶらぶら見て回りました。

髪サラサラという宣伝が多いのですが、どうやってサラサラ感を出しているのかは難しい問題です。髪の毛どうしが反発しあうようにするのが最も簡単そうですが、例えば表面電荷など持たせると汚れを吸着しそうです。私は灰色から白に近くなっていますし、それほど長くないので関係ないのですが、その中に白髪を目立たなくするトリートメントというのがあり、使ってみることにしました。かみさんは「老人のあがき」といっていましたが、手軽に黒くできるのであれば、やってみる価値はありそうです。

この白髪染めについては、昔育毛剤の研究をしている仲間からいろいろ聞いたことがありました。実は髪の毛を黒く染めるというのは、非常に難しい技術のようです。一つには黒という色を出すためには、いろいろな色を混合するわけですが、その抜け方が色によって異なるため、染めてから時間がたつと奇妙な色になってしまうようです。もう一つが髪の毛の性質で、人の部位の中では最もつるつるで、取れないようにくっつけることがかなり難しいようです。

そこで開発されたのが、化学的に結合させてしまうという方法のようです。これはやや専門的になりますが、髪の毛にはシスチンというアミノ酸が大量に含まれており、これを利用するものです。シスチンはS-S結合というのを持っており、これは還元的な環境にすると二つのSHに切断できます。そこで黒い染料の中にSHを持たせ、髪の毛につけた状態で酸化します。そうするとシスチンのSHと染料のSHが結合して新しいS-S結合ができ、通常の洗髪ぐらいでは取れなくなるわけです。昔の毛染め液では、この酸化剤として過酸化水素が使われていたようです。そのため液自身にかなり刺激臭がしたり、髪の毛が痛んだりしたようです。

現在の白髪染め類にどんな酸化剤が使われているのかわかりませんが、基本的にはこんなメカニズムで長期間色が残るようにしているようです。ですから昔の白髪染めは2液の組成で、これを混ぜることによって反応させていたのですが、現在では1液タイプが多いのかもしれません。たぶん私の買ったものは、こういった反応させるわけではなく、単に吸着させるだけだと思いますが、どの程度効果が出るのか、使い始めてみました。