ごっとさんのブログ

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シンシナティテニス 総括

2015-08-25 10:25:32 | テニス
アメリカシンシナティで開催されていたマスターズ(ATP1000)は、昨日フェデラー対ジョコビッチの決勝戦があり、フェデラーの連覇・7回目の優勝で幕を閉じました。

この大会は錦織も第4シードとして出場が決まっていましたが、負傷棄権したためあまり盛り上がりませんでした。それでもNHKBSが注目試合を中継していましたので、録画してゆっくり観戦していました。この大会は8月31日からの今年最後のグランドスラムである全米オープンの前哨戦として、トップ10選手が全員出場していますので、本来は非常に面白い大会となっています。しかし実際は現在のテニス界の厳しさを、如実に表す大会ともなっていました。

世界ランキングの決定は、1年間の累積ポイントによって決まります。これは文句のつけようがない素晴らしい制度ですが、ある意味非常に厳しいものとなっています。例えば錦織は昨年全米で準優勝し、1200ポイント獲得しました。現在はこの1200も加えてやく6000ポイントで4位になっていますが、もし今年の全米オープンで欠場や早期敗退があると、終わった時点で昨年のポイントは失効しますので、1200ポインがひかれてしまい、4800になってしまいます。そうするとランキングは7,8位まで落ちることになります。つまり昨年良い結果を出した大会は、今年も同じような結果を出さないとポイントが大幅に減ってしまうわけです。

この典型例がナダルで、昨年好調だったのに昨年末からケガや病気で調子を落とし、現在は大幅にランキングが下がってしまいました。さらにマスターズは年間9大会ありますが、トップ10の選手は大部分の大会に出場義務があるようで、欠場するとペナルティーが科せられるようです。

錦織はワシントンの大会で優勝しましたので、5試合を戦い、次の週にカナダの大会に出場しました。これも順当に勝ち上がり準決勝まで行った、つまり2週間で9試合を戦ったわけです。ここで疲労が蓄積して体に痛みが出て破れ、次の大会も棄権となったわけです。

これと同じようなことが今回のジョコビッチとマレーにも出たようです。この二人はカナダの決勝戦を3時間かけて戦いました。そして次の週このシンシナティに臨んだわけです。そして準決勝は二人とも2週間で9試合目となったわけです。マレーはフェデラーとの試合で、ケガこそ出ませんでしたが、明らかに動きが悪くストレートで負けました。ジョコビッチも準決勝途中に、腹筋を痛めたようでメディカルタイムアウトを取りました。それでも勝ってしまうのがジョコビッチのすごいところですが、決勝のフェデラー戦は、休養十分のフェデラーにストレートで負けてしまいました。このようにトップ選手でも2週間連続で9試合を勝てるようにならないと、その地位が守れないようです。錦織は世界の1位を目指していますが、そのためにはもっとしっかりした体力が必要で、当面の全米オープンでの活躍を期待しています。