電子ゴミのリサイクルにおける障害のひとつは、リサイクルのプロセスそのものにあります。
電子部品に含まれる希少な素材を分離・回収する方法が、もっと安価で安全でクリーンで効率的になれば、こうした試みの魅力と収益性は高まるはずです。現在は大量のエネルギーを投入して素材を熱融解させていますが、化学的な手法がその代替案になるかもしれません。
韓国科学技術院(KAIST)の研究チームは、このほど金と極めて強い親和性を持つ化学物質を使った研究の成果を発表しました。回路基板を酸で処理して希少な素材を分離し、その溶液に「COP-180」と呼ばれる化学物質を加えると、液体中の金が集まってきます。
しかもこの物質は金と分離した後は再利用できるようです。この物質のベースになっているのは、ポルフィリンと呼ばれる有機化合物です。ポルフィリンは窒素を含む5員環が4個つながった構造をしており、金属と強い錯体を形成します。
天然物ではクロロフィル(葉緑体)などがこの構造を持ち、光合成の触媒として作動しています。この化合物はポリマーになると、分子の表面に無数の小さな穴が形成され、そこに金属を引き込んでエネルギーの均衡を保とうとします。
まさに科学者たちが求めていたリサイクルへの応用に最適な構造と言えます。研究チームは、このCOP-180を使って数々の実験を実施し、どの金属と良く結合するのか捕捉率はどの程度かを検証しました。
その結果このポリマーは少数の貴金属に対して最大の効力を発揮し、なかでも金と良く結合することが分かりました。COP-180は、存在する穴の10倍にあたる金原子を捕捉した一方、プラチナなどその他の金属元素では、穴ひとつにつき1個の原子しか収まりませんでした。
研究チームは、ポリマーが紫外線を触媒として金原子と相互作用するときに電子が受け渡され、これによってさらに多くの金原子が集結することを発見しました。紫外線量を変えて再実験すると結果に影響がみられましたが、紫外線無しでも金原子の捕捉率は極めて高かったとしています。
チームは最後にポリマーの効果を正式にテストしました。7つの回路基盤を酸に浸し金属を分離しました。次にポリマーを混ぜ、数日にわたって均一に撹拌を続けました(他の実権では約30分で金の99%が回収できるという結果が出ていました)。
その後溶液をろ過してポリマーと回収された金だけを取り出し、再び酸を加えて金とポリマーの結合を解きました。沈殿して塊になった金は、回路基板から分離した量の94%に相当しました。
プリント基板には鉱山から採取される鉱石よりも貴金属が豊富に含まれていますが、安価な回収法がないため80%が埋め立て地に廃棄されています。今回の回収法は安価で安全な方法になると、実用化が期待されているようです。
電子部品に含まれる希少な素材を分離・回収する方法が、もっと安価で安全でクリーンで効率的になれば、こうした試みの魅力と収益性は高まるはずです。現在は大量のエネルギーを投入して素材を熱融解させていますが、化学的な手法がその代替案になるかもしれません。
韓国科学技術院(KAIST)の研究チームは、このほど金と極めて強い親和性を持つ化学物質を使った研究の成果を発表しました。回路基板を酸で処理して希少な素材を分離し、その溶液に「COP-180」と呼ばれる化学物質を加えると、液体中の金が集まってきます。
しかもこの物質は金と分離した後は再利用できるようです。この物質のベースになっているのは、ポルフィリンと呼ばれる有機化合物です。ポルフィリンは窒素を含む5員環が4個つながった構造をしており、金属と強い錯体を形成します。
天然物ではクロロフィル(葉緑体)などがこの構造を持ち、光合成の触媒として作動しています。この化合物はポリマーになると、分子の表面に無数の小さな穴が形成され、そこに金属を引き込んでエネルギーの均衡を保とうとします。
まさに科学者たちが求めていたリサイクルへの応用に最適な構造と言えます。研究チームは、このCOP-180を使って数々の実験を実施し、どの金属と良く結合するのか捕捉率はどの程度かを検証しました。
その結果このポリマーは少数の貴金属に対して最大の効力を発揮し、なかでも金と良く結合することが分かりました。COP-180は、存在する穴の10倍にあたる金原子を捕捉した一方、プラチナなどその他の金属元素では、穴ひとつにつき1個の原子しか収まりませんでした。
研究チームは、ポリマーが紫外線を触媒として金原子と相互作用するときに電子が受け渡され、これによってさらに多くの金原子が集結することを発見しました。紫外線量を変えて再実験すると結果に影響がみられましたが、紫外線無しでも金原子の捕捉率は極めて高かったとしています。
チームは最後にポリマーの効果を正式にテストしました。7つの回路基盤を酸に浸し金属を分離しました。次にポリマーを混ぜ、数日にわたって均一に撹拌を続けました(他の実権では約30分で金の99%が回収できるという結果が出ていました)。
その後溶液をろ過してポリマーと回収された金だけを取り出し、再び酸を加えて金とポリマーの結合を解きました。沈殿して塊になった金は、回路基板から分離した量の94%に相当しました。
プリント基板には鉱山から採取される鉱石よりも貴金属が豊富に含まれていますが、安価な回収法がないため80%が埋め立て地に廃棄されています。今回の回収法は安価で安全な方法になると、実用化が期待されているようです。